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神の宿る島と、人と。

”自然を!!!感じたい!!!!”
猛烈に私の心が叫んでいた。
現在お仕事をいくつか掛け持ちしていて、気づけば20日間ほど休みなしで働いたことに気付く。
久しぶりの何も予定のない日、街の喧騒から少し離れて自然に触れに行くことにした。

行き先を決めようと、Googleマップで予めピン留めしていたスポットを順番に眺めるも、どうもしっくりこない。
どうしたもんかなあとマップを眺めていて”こんなところに島がある”と気付く。
私の住んでいる宮古島はいくつかの島があるけれど、ほとんど橋で渡って行くことができる。
その中でも私が見つけた大神島という場所は、橋がなくて船でしか行けない場所だった。
”ここに行きたい”
直感でそう感じて、早速リサーチしてみる。
大神島は神が住む島と言われていて、島全体が聖域。
いくつかの伝説?があって、キャプテンキッドの財宝が眠っているとか…。(この説は信憑性が低そうだが)
調べれば調べるほど行くしかない!と大神島に行くことを決定。

翌朝、まずはバスに乗って大神島へ行く船が出ている島尻港へ。
宮古島のバスってゆる〜い感じで、次の停留所お知らせしてくれなかったりするものだから、自分の現在地を常に確認しておかないと降りそびれちゃいそうで慣れない。笑

島尻港から大神島は往復で670円。1日に4〜5便出ている。
結構新しい感じの船で揺れもあまり感じずで快適、15分ほどで到着。
着いたら入島料を払って早速腹ごしらえ!お腹満たさないと探検出来ないから!(食欲旺盛)
島唯一の食堂、おぷゆう食堂さんへ。
大神島の特産品である、カーキダコを使ったカーキダコ丼を頂く。
カーキダコは燻製したタコで、昔は保存を効かせるために燻製していたそう。
甘辛い味付けでタコも噛めば噛むほど旨味が出てきてとっても美味しかった!
一緒についていたもずくやあおさ汁もとても美味しい。
気候が良ければ海を眺めながらテラス席で食べるのもいいと思う◎

おぷゆう食堂 カーキダコ丼 1200円


美味しいご飯を食べたところで、島内を散策してみる。
まずは島を一望できる遠見台に行ってみることにした。
集落のある通りを抜けて、自然豊かな森の中を階段を登りながら進む。
森の中に入ると曇りの天候もあってか薄暗く、なぜだか背筋が伸びるような緊張感と少しの間頭痛に見舞われた。
(もしかして好転反応というもの…?)
心がなんだか落ち着かないけれど、途中すれ違った方に”景色いいから頑張れ!”と励ましてもらった事もあり、進み続ける。
結構階段がたくさんあって、最後の方は息を切らしながらもなんとか到着!
いきなり視界がぱ〜っとひらけて、曇り空で少し暗いけれどそれでも見晴らしが良い◎
宮古島と池間島、ふたつの島を結ぶ池間大橋もはっきりと見える。
これは晴れた時も見に行きたいなあ。

池間大橋がよく見える


風を感じながら景色を楽しんだ後は、島内をぐるっとまわってみることに。
大神島の道路は島の半周しかなくて、本当は一周作る予定だったけれど工事をしていたら岩に宿る神様が怒って不可解な現象が起きて中止されたという…話があるそう。
宮古島もそうだけれど、沖縄の植物の緑ってすごくエネルギッシュだなあと日々感じている。
なんだろう、緑が濃いというか鮮やかというか…見ているとすごく元気が出る。
散策しながら植物を楽しみつつ、遠見台から坂を降りていってしばらくすると海岸に辿り着く。

沖縄の植物の美しさ


大神島の海岸には岩がたくさんあって見応えがある。
ノッチと言われる奇岩だそうで、波による侵食で少しずつ岩の根元から削られている。なかなかくびれている!!
私が訪れた時は潮が引いていたので分からなかったけれど、満ち潮になるとクジラの形にそっくりな岩もあって面白い。
それにしても海の透明度がすごくて、少し離れたところから眺めていても魚が泳いでいるのがよく見える。蟹さんにも遭遇してちょっとした水族館に来た気分になった。

クジラ岩


たくさんお散歩して写真を撮ったり、砂浜で波の音を聞いてぼ〜っと過ごした。
船で乗れる人数も限られているから観光の方も少なくて静かでとても良かった。
好奇心旺盛な私はすぐ動き回ってしまうのだけれど、”何もしないをする”そんな時間を定期的にこれからも作っていこう。
帰りの船では短時間なのにぐっすり寝ていたみたいで、気づいたら島尻港に着いていた。

島尻港でバスの時刻表を見る。
…ない〜〜〜〜!バスが、ない〜〜〜〜!!!
少し行った先の停留所にバスは来るみたいだが、それも2時間後だった。
徒歩で帰ると2時間以上かかるそう…。
でもやるしかないので、徒歩で帰ろうと歩き始めた。
しばらく歩いていると一台の車が止まって、
”あの、もし良ければ乗って行きませんか?”
とご夫婦が声をかけてくださった。
大神島で一緒の船だったご夫婦で、私がひとりふらふらしているのを見守ってくださっていたらしい。
いきなりまさかの優しさにとても驚いたのだけれど、お言葉に甘えて乗せていただくことに。
お話ししていると、まさかの出身地が同じ!市町村も結構近くて宮古島で会うなんて〜と話が弾む。
市街地まで送り届けてくださり、早く帰宅することができた。
お礼は気持ちだけ、とのことで何も出来なかったけれど、
この頂いた優しさを私も循環させていこう。
島での滞在もとても良かったけれど、帰り道の人の温かさに触れた出来事がいちばん心に残った。
素敵なご夫婦が滞在している間、晴れて素晴らしい宮古ブルーを楽しんでもらえるように心から祈っている。


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