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ふらり旅#3-4(山口)

5月1日
熱烈な太陽の日差しが、その日も朝から降り注いでいた。

青い海を背景にして、新緑美しい木々が生い茂り、その中を赤い鳥居がいくつも列なり続いている。
ずっと行ってみたいと望んだ「元乃隅稲成神社」は遠くで見る分には美しかった。

離れた場所にぽつんと一つだけ置かれている大きな鳥居は、上に賽銭箱がついており、そこにお金を投げ入れることができたらご利益があるとか、ないとか。
GWで集まった家族連れが投げるお賽銭が、箱の中に吸い込まれるたびに周りから歓声が上がっていた。

そんな人たちに背を向けて、連なった小さな鳥居をくぐった。朱と朱の鳥居の間から、深い青の海が見える。少しずつ日本海が近づいているのがわかった。
長い鳥居を抜けた途端、海の向こうから吹いて来る風が全身にあたって、とても心地よかった。
崖の近くまで近寄って、所々でキラキラと輝く波をみる。そして海の向こうをただ見つめる。そこを通る風は気持ちよく、いつまでもそこにいられるような気がした。


吹く風の心地よさに後ろ髪を引かれつつ、その日の間には下関まで移動しなければいけなかったので、早々に元乃隅稲成神社を後にした。


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