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ふらり旅#4(VAN→NY)

数年前の夏、私はニューヨークに住む従姉妹を訪ねていた。
既にバンクーバーで半年を過ごし、海外生活の疲れが出ていた私を嫌な顔せず相手をしてくれた従姉妹に、今も深く感謝している。

ニューヨークはただただ凄い街だった。
東京すらほとんど行ったことが無い田舎者が、いきなりニューヨークでは圧倒されるのも当たり前だ。
夜になっても人は元気で、眠らない街とはこのことだと思った。

バンクーバーからモントリオール乗り換えでニューヨークへ向かう。
まず出発の時点で飛行機が30分遅れた。
そして案の定、モントリオールの乗り換えに間に合わなかった。
モントリオールで急にひとりぼっちの時間ができた。
朝から食べたクロワッサンサンドは思ったよりもくどかった。

数時間待った後、やたらと見目麗しいカナダ人の4人家族に囲まれた席で、私はニューヨークへ飛んだ。

やっとたどり着いた空港で、久しぶりに従姉妹に会った。
旅先で出会う知り合いは、本当に心が落ち着く。

荷物を置いた後、従姉妹がタイムズスクエアに連れて行ってくれた。
圧倒的な人と大きすぎる画面に目がチカチカと眩む。
ゴム草履で立つタイムズスクエアは恐らくレアな体験だ。

数日の滞在だったが、久しぶりの従姉妹は元気そうでこっちまで元気になれた。

帰りはシカゴ乗り換えだった。
行きに乗り換えが上手くいかなかったので、これ以上のハプニングは無いだろうと思って油断していた。
搭乗30分前のゲート変更。
海外の航空会社はなんだかバタバタだ。

バンクーバー国際空港に着く頃には、時刻は既に23時過ぎ。
着陸の体勢に入り、ゆっくりと地上に近づいて行く。
体に重力を感じながら、窓の外をちらりと見た。
橙色に輝く地上と、手が届きそうなくらい近い星たち。
時間が止まったかのような、空と地上の間の世界に私は居た。

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