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それから

今日は母と髪を切って
2人ともスッキリしてランチから甘味処へ。

母は抹茶セット(上生菓子付き)、
わたしは抹茶ラテとどら焼きを。

母の抹茶と共にねりきりが届く。
わあ!
2人ともその可愛らしさに歓声を上げた。
椿の生菓子に金平糖が添えられて
それはそれは凛としていた。

とてもいいものを見た、
心がほろほろと解けていく。

わたしは抹茶ラテとどら焼きを食べながら
お腹をポンポンに膨らませて
ひたすら残念だった。

が、その時このチョイスを
後悔する暇もなかった。
それくらいとても椿が可憐だった。

食べ終えて外に出ると
雪が吹雪いていた。

母のドライブで家までの帰路に
「わたしまだまだ勉強したい、
本当は〇〇高校へ行って
哲学や倫理学なんかを学びたかった」

と初めて自分が本当はこうしたかった
と言えるようになった。

「でも美穂は〇〇高校へ行っていたら
今は絵を描いていないわ」

「そうかな、そうかもしれない。
今までのことはそれでいいのかもしれない、
今からわたしがどうするかが大事で」

わたしは後悔していた。
デザインが何かも知らずに
ずっと高校時代から大学中退その後まで
流され続けていたことに。
やっと自分を許せることができたのだ。

「わたし、今まで自分なりによくやった。
できることをしてきたし、全力で取り組んだ。
頭が真っ白になりながら絵を描き続けた。
今わたしは障害を負って自分の絵が
こんなものか、と残念になるけど、
今はそれを認めていきたい」

「こんなものか、と思うのは欲よ」

「そうかもしれないね。欲だ」

涙が溢れてきた。

もっと上手く描けてた、は欲。
ほんとうだ。

帰りのスーパーに向かい
夕飯の準備をして再び帰路に着く。
雪がはらはら舞っていた。

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