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「○○=愛」思考について思うこと

長年オタクをやっていると「○○=愛」思考というものに出会い、悩む時期が必ずある。
わたしも悩んだし、今でも永遠の課題だ。

よく聞くのは

・グッズ量=愛
・金額=愛
・推し歴=愛


この辺りだろうか。
はて?という方もいると思うので、一つずつ解説していこう。



「○○=愛」思考とは?

その名の通り、〇〇だから愛が強いという思考のことだ。

マウント行為に値することがほとんどなので、この思考を嫌うオタクは非常に多い。
この思考を持ち合わせているオタクとは仲良くしないと表記しているオタクも少なくない。

最初に言っておくと、わたしは基本的には肯定派だ。

この価値観を押し付けたりマウントを取ったりする行為は良くないことだと思うが、だからと言ってこの思考の全てが間違っているとも限らないと思っている。

なぜなら、推し活にはこの思考が基準になってもおかしくない部分が大いにあるからだ。

わたしの考えは最後に述べるとして、まずはよく言われる3つの思考について解説する。

「○○=愛」思考の種類

1. グッズ量=愛

グッズ量が多ければ多いほど愛が強いという思考。

次に解説する「お金=愛」思考と重なる部分があるが、ここではグッズ量だけをピックアップして解説する。

やはり毎回グッズを大量に買っていたり、推しの誕生日には物量祭壇を作っていたり、痛バをたくさん組んでいたり、そんな推し活をしているオタクは素直に凄いと思う。

他担のオタク友達なら誇らしい気持ちになるし、無論同担にはいて欲しくないタイプだ。

2. 金額=愛

推しに使った金額が多ければ多いほど愛が強いという思考。

「推しのATM」なんて言葉があるくらい、充実した推し活をするにはお金がかかる。

この思考も「グッズ量=愛」と重なる部分があるが、それだけでなく投げ銭やプレゼントの金額、舞台やコンサートのチケットの金額等々全て含めての話だ。

無限にお金を持っているんじゃないかと思うほど、凄い金額を推しに使っている人がいるが、やっぱりこれに関しても同担にはいてほしくないタイプである。

3. 推し歴=愛

推し歴が長ければ長いほど愛が強いという思考。

確かに最近好きになった新規オタクよりも、推しの過去まで知っている古参オタクのほうがたくさんの時間とお金と愛情を注いできたのは間違いない。

だが、これに関してはただのマウントではないかと個人的には思っている。

古参が怖いと言われるようなタイプのコンテンツは、こういう思考の古参オタクが多いのではないかと思う。

「〇〇=愛」が仕方がない理由

これらの思考を嫌うオタクは「愛の大きさは〇〇じゃない」「誰よりも推しのことを好きな自信がある」と言うが、わたしはきっと過激派の部類だから綺麗事を言うなと心の奥底で思っている。

特に「グッズ量=愛」「金額=愛」の思考は個人的にはその通りだなと納得する部分が多くある。

何度でも言うが、人にこの価値観を押し付けるつもりは一切ないし、その人がそう思うなら自由にしたら良い。
年齢や環境で必ずしも推しにお金を使えるわけではないし、そういうオタクがいることも重々承知している。

でも、心の中は誰にも見えない。
自分でさえ自分の心を覗けるわけではないのだから、他人の心の中なんてなおさら。

どれだけ心の中で推しを想っていようが、そんなものは目に見えないし、推しにもライバル視している同担にも全ては届かない。

だから同担よりも推しのことを好きだと確実に証明する方法は、グッズや使った金額でしか表せない。
目に見える確かな愛の証拠はそれしかないのだ。

そして愛がなければ一生懸命働いて得たお金は使えない。
自分以外の誰かのために自分で稼いだお金を使うなんて、そんなことはできない。

2次元のオタクだった頃のわたしもそういう思考を持ったオタクだった。

好きな絵柄のグッズは100個単位、好きな絵柄じゃなくても50個単位で積んだし、物量祭壇も作って、痛バは2〜3個抱えて現場付近を練り歩いた。

ゲーム内で推しのガチャがあった時には出るまで何万でも課金したし、イベントでは1位を取るために数十万課金した。

今よりも若かったわたしは、突っかかってくる同担は金で黙らせるしかないと本気で思っていたし、実際わたしの祭壇や痛バを見て勝てないと悟って推しを降りた同担もいた。
他担にも「翡翠ちゃんの同担じゃなくてよかった」とたくさん言われた。

今思うと本当に過激でとんでもないオタクだったと思う。

3次元に推しができた今も、投げ銭やプレゼントの金額、推し歴を同担と比べて毎日つらくなる。

推しと早く出会えなかった自分にうんざりする。
昔の話で推しと古参が盛り上がっている時は疎外感に苛まれる。

配信サイトによっては推しに投げ銭をした総額で順位を算出されるなんていう誰得なシステムがあったりする。
上位3人くらいが優越感に浸かって気持ち良い思いをするだけの意味不明なシステムだと思う。

でも、推しだって人間だ。
配信をしてファンのお金を軸に生活している人だ。
お金を使わないファンより、お金を使ってくれるファンの方が大事なんじゃないかと思う。全部わたしの勝手な妄想だけど。

お金が全てではないけれど、お金がないと幸せが買えないのは事実で、推し活はそれが顕著に現れる。

だからこそ「グッズ量=愛」「金額=愛」の肯定派・否定派に分かれるんだと思う。


「推し歴=愛」に関しては上記でも述べたようにただのマウントではないかと個人的には考えている。

2次元のオタクになり始めた頃、グッズを買ったら新規だからという理由で同担に攻撃された。
匿名で嫌な文章が送られてきたこともあったし、容姿を貶されたりもした。
でも、わたしが推しに大金を使い続ければ次第にそれも無くなってみんな黙った。

攻撃すればすぐ心が折れて降りると思ったのか真相はわからないが、わたしを攻撃していたあなたたちだって初めのうちは新規だったはずだ。

新規オタクを受け入れて大切にできない界隈はすぐに廃れる。
推しはそれを望んでいるのか、新規を排除しろと推しが言ったのか、と聞いてみたい。

なんだかんだ言ってわたしが知らない過去の推しを知っていることは素直に羨ましい。

でも、その好きだった歴を愛の大きさ重さだと押し付けるのは、長い間推しのことを好きでいる自分のことが好きなだけではないだろうかと思ってしまう。

最後に

単純に、わたしは見栄を張りたいしこんなにも推しのことが好きだと周りに知らしめたい。

ただそれだけのことで、醜い承認欲求だ。

だとしてもやっぱり愛がなければお金も時間も他人のために使えない。
見返りを求めずに、推しに全てを捧げられるような健全なオタクになりたい。

わたしのお金で推しが生きていけるなら、美味しいものを食べて幸せな気持ちになれるのなら、オタク人生でそれ以上の幸せはない。

知らない女とのデート代には使わないでほしいな。

と、思う。

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