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猫に教えてもらったこと

わたしが一緒に暮らす猫のおーちゃんは、本当によく鳴く子だ。

トイレを済ませると、にゃー。
お腹が空くと、にゃー。
遊んでほしいと、にゃー。
「なあに」と返事をしても、にゃー。
時折にゃおーんとかにゃーおとか、かわいく鳴く。

〈どうして猫は鳴くのだろう。〉

わたしにはまだ分からない。でも、猫によっても異なるし、その時によっても異なると思った。人間と同じだ。猫にも感情があって、気分次第で変わるだろう。これも「個性」なのだろうと思った。

これに気づけたのは、わたし自身がおーちゃんのお世話をきちんとできていなかったと気づけたからだった。

わたしはおーちゃんのトイレ掃除をするのが苦手、というか面倒だ。
例えば、ソファに座って一息つこうとしたら、ちょうどよくトイレを済ませたおーちゃんがにゃーと言ってやってくる。
(今座ったばっかなんだけどなぁ)
(まあ、後でやるからいっか)
毎回そう思って、トイレ掃除を後回しにする。気づけば、家族の誰かがやってくれる。大体いつもこれだった。

だったけど、なんだか今日は違った。
「おーちゃん、よくできたね。えらいね。」と声を掛けながら、すぐに片付けてあげた。わたしの気持ちもスッキリした。

(わたしだったら?)と思ったのだ。
自分がトイレを済ませた後、そのままにされていたらとても悲しい。
次に使いたい時、(汚いし臭いがするし、ここでしたくないな)と思ってしまうだろう。それでもそこでするしかない。

これはおーちゃんのニーズを満たしていないと思った。さらには、5つの自由のうち不快からの自由を奪ってしまった。なんなら、やらなければならない行為をやらないネグレクトにもなりうると思った。

動物福祉について勉強している中で、「動物福祉とはなにか」をとても考えさせられた。だが、きちんと理解できていなかった。
わたしがしていたことは動物福祉とは言えない。
「動物と一緒に暮らすことは責任を伴う」とか「お世話は大変」とか分かってはいたけど、分かったつもりでいるだけだと気づかされた。

今日もおーちゃんは、軽快に鳴き続けている。
でもなんでかは分からない。
おーちゃんに限らず、動物たちが幸せに暮らせる社会にいつかなることを願っているし、その手助けができればいいなと思う。これもまた一歩になるだろうか。

今日もまた、おーちゃんのトイレを片付けた。


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