【連載小説】『スピリット地雷ワールド』一話

「私のこと見てよ」
 教室の静寂とした空間に闇葉やみはの怒鳴り声が響いた。空気は重く、今尚愛音なおとの緊張は続いている。
「ま、まあ落ち着けよ。他の人の迷惑にもなるだろ」愛音の視線が左右に行ったり来たりしていて、彼は闇葉のネクタイを見ることすらできなかった。彼女の目元には濃厚なアイメイクが施され、その存在感が際立っていた。髪は二つ結びにしいて、可愛らしい印象を演出している。愛音が付き合っている彼女はテンプレをそのままかたどったようなメンヘラ女子だった。


*人物紹介*

愛音なおと料理がうまく、女子力抜群の男子高校生。
闇葉やみはいわゆる地雷系女子、しかしそれには深い理由が……。

第一話 「私を見てよ」

                             「見てよ」
「見てよ」         「私より、他の人が気になるんだ」
     

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