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行列の固有値と固有ベクトル

こんばんは!

※殴り書き・メモ程度に書きます.
大学数学・線形代数 / 行列

定義

任意の正方行列$${A}$$に対して,条件$${ A\vec{p} = \lambda \vec{p}  (ただし,\vec{p}\ne \vec{0})}$$を満たすような,実数のスカラー値$${\lambda}$$およびベクトル$${\vec{p}}$$が存在するとき,
$${\lambda}$$を$${A}$$の固有値,$${\vec{p}}$$を固有値$${\lambda}$$に属する$${A}$$の固有ベクトルという.

※ノート※
正方行列:行・列の数が同じである「行列」である
零行列:すべての要素成分が「0」であるような「行列」
固有値:行列で構成される積の等式(上記式)に対して,同じような計算値ができる「スカラー値」である
固有ベクトル:上記式を満たすような「ベクトル」である.固有値が複数ある場合は,固有ベクトルは各固有値に対して存在する.

*ベクトル:成分が「1行」or「1列」分しかない
*行列:成分が複数行・複数列にわたることがある;ベクトルの拡張

一般解

※ここでは,簡単のため,まずは2行・2列の正方行列の場合を説明するが,3行・3列以上の場合も同様に求めることができる.

1. 固有値

固有値・固有ベクトルの定義より,$${ A\vec{p} = \lambda \vec{p}…(1)}$$
ここで,

$$
A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}, \quad \vec{p} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} \ne \vec{0}
$$

とおいて,定義式に代入すると,

$$
A\vec{p} = \lambda \vec{p} \Leftrightarrow \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \lambda \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}
$$

展開して,一度行列から連立方程式に戻してみると,

$$
\begin{pmatrix} ax+cy \\ bx+dy \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \lambda x \\ \lambda y \end{pmatrix} \Leftrightarrow 
\begin{equation*} \left\{ \, \begin{aligned} & ax+cy=\lambda x \\ & bx+dy=\lambda y \end{aligned} \right. \end{equation*}
$$

ここで,$${x,y}$$の係数についてまとめ,行列に戻し,また$${x,y}$$について解くと,

$$
\begin{equation*} \left\{ \, \begin{aligned} & (a-\lambda)x+cy=0 \\ & bx+(d-\lambda)y=0 \end{aligned} \right. \end{equation*} …(2)
\Rightarrow
\begin{pmatrix} a-\lambda & b \\ c & d-\lambda \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} =\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}
$$

このとき,行列$${\begin{pmatrix} a-\lambda & b \\ c & d-\lambda \end{pmatrix}}$$が「正則である」と仮定してみる.すると,逆行列が存在することになるので,以下のように計算できる.

$$
\therefore \vec{p} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a-\lambda & b \\ c & d-\lambda \end{pmatrix} ^{-1} \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} = \vec{0}
$$

といったように計算でき,$${\vec{p}=\vec{0}}$$となってしまって,前提条件に矛盾してしまう.
したがって,固有ベクトル$${\vec{p}}$$は,必ず正則でない($${\vec{p} \ne \vec{0}}$$).すなわち,行列式の値が0となることを意味する.
ゆえに,固有値を求める方程式;特性方程式は以下の通り.

[重要]特性方程式

$$
\begin{vmatrix}\ a-\lambda & b \\ c & d-\lambda \end{vmatrix} = 0
$$

※注釈 - 行列の正則と逆行列,および行列式について
以下,⇔は「必要十分条件」を表します.
(1) 行列Aは正則である ⇔ 行列Aは逆行列をもつ ⇔ det(A) ≠ 0
(2) 行列Aは正則でない ⇔ 行列Aは逆行列をもたない ⇔ det(A) = 0

2. 固有ベクトル

固有ベクトルについては,例題を解いてもらった方が分かりやすいので省略します!(ごめんなさい笑)

例題

[問題]
以下に示す行列$${A}$$の固有値を求め,各固有値に属する固有ベクトルを求めよ.

$$
A=\begin{pmatrix} 5 & 2 \\ -3 & -2 \end{pmatrix}
$$

[解答]
順序はいたってシンプルです.
(1) 特性方程式を解き,固有値を求める
(2) 各固有値に属する固有ベクトルを求める

まず,特性方程式により,固有値は

$$
\begin{vmatrix}\ 5-\lambda & 2 \\ -3 & -2-\lambda \end{vmatrix} =(5-\lambda)(-2-\lambda)+6=(\lambda-5)(\lambda+2)+6=0\\\lambda^2-3\lambda-10+6=\lambda ^2-3\lambda-4=(\lambda-4)(\lambda+1)=0\\\therefore \lambda = 4, -1
$$

と求まる.

(1) $${\lambda = 4}$$のとき
一般解の説明に用いた方程式より,

$$
\begin{equation*} \left\{ \, \begin{aligned} & ax+cy=\lambda x \\ & bx+dy=\lambda y \end{aligned} \right. \end{equation*}
\Rightarrow
\begin{equation*} \left\{ \, \begin{aligned} & 5x+2y=4x \\ & -3x-2y=4y \end{aligned} \right. \end{equation*}
$$

上下いずれの式も,$${x=-2y}$$となる.すなわち,任意の実数$${s}$$を用いれば,$${y=s}$$のとき$${x=-2s}$$になるということであるので,固有ベクトル$${\vec{p}}$$は

$$
\vec{p} = s\begin{pmatrix} -2 \\ 1 \end{pmatrix} (sは0でない任意の実数)
$$

※注釈
任意の実数$${s}$$をおきかえれば,固有ベクトルはいくらでも存在します.たとえば,符号を入れ替えた$${\vec{p} = s\begin{pmatrix} 2 \\ -1 \end{pmatrix}}$$も同様に解です.

(2) $${\lambda = -1}$$のとき

(1)と同様にすればよい.

$$
\begin{equation*} \left\{ \, \begin{aligned} & 5x+2y=-x \\ & -3x-2y=-y \end{aligned} \right. \end{equation*}
$$

いずれの式からも,$${y=-3x}$$が求まる.任意の実数$${s}$$を用いれば,$${x=s}$$のとき$${y=-3s}$$であるので,固有ベクトル$${\vec{p}}$$は

$$
\vec{p} = s\begin{pmatrix} 1 \\ -3 \end{pmatrix} (\forall s, s\ne0  \mathrm{and}  s\in\mathbb{R})
$$

おわりに

参考文献とは異なる解き方をしている箇所があります.
ある程度の参考程度に読んでいただければ幸いです!

何か間違いなどありましたらお知らせください.
ここまで読んでいただきありがとうございました!

参考文献

  1. 行列の固有値・固有ベクトルの定義と具体的な計算方法 / 高校数学の美しい物語
    https://manabitimes.jp/math/1008

  2. LIBRARY 工学基礎&高専TEXT「線形代数」 / 河東 泰之 監修,数理工学社
    第5章 固有値と対角化,pp.150-151
    https://www.saiensu.co.jp/search/?isbn=978-4-86481-003-6&y=2013



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