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家探し備忘録 〜契約編〜

1ヶ月間の地道なWeb検索と3日間に渡る怒涛の内見を経て、いよいよ心に決めた物件の契約へと私は走り出した。

心に決めた物件は、以下の点がネックとなっていた。

・家賃が予算オーバー(+3000円)
・敷引きという謎のしきたり(敷金全額償却)

内見最終日にC社担当者へその旨を伝えると、さっそくその場で管理会社に家賃の減額交渉をしてくれた。すると、家賃交渉は申し込みベースでしか行えないとの回答が返ってきたので、「とにかくまずは申し込みをして、家賃が下がらないようならキャンセルすれば良い」と提案されたので従った。

申し込み

概ね理想的な流れで家探しを進めていたが、この点だけは今になって少しだけ反省している。

賃貸物件の取引において初期費用の大部分を占める仲介手数料は、仲介会社によって家賃の1ヶ月分と設定されているケースがほとんどだが、法律上は「借主から0.5ヶ月分、貸主から0.5ヶ月分もらいましょう」というガイドラインが定められている。

内見の道中、そのガイドラインについてC社の担当者に交渉がてらやんわりと尋ねたところ、「0.5ヶ月分の交渉に応じるのではなく、1ヶ月分にふさわしい働きを見せるのが弊社のスタイルです」と返された。

その時は「かわされたな〜」くらいにしか思わなかったが、結局この日にC社経由で申し込みをしてしまったのは尚早だった。

大手仲介会社の中には「全物件の仲介手数料0.5ヶ月分」と謳っているところもあるので、他社からも相見積もりをとって初期費用が最も抑えられる会社から申し込みをするのが賢いやり方だったように思う。

家賃交渉

申し込みを済ませ、自宅に戻ってから必要書類を揃えて入居審査の結果を待った。3日後に通過の連絡があり、ここからいよいよ家賃の減額交渉が始まった。私の要望は以下の通り。

・家賃3,000円減額
・敷引き→通常の敷金に

ラウンド1
C社:できればそのままの家賃で入居してほしい。下げるとしても1,000円まで
私:もうひとこえ!
C社:もう少し粘ってみますね

ラウンド2
C社:2,000円減額ではどうでしょうか?
私:3,000円減額できないなら敷引き→敷金への変更や仲介手数料の減額で調整してほしい
C社:再度オーナーに確認します

ラウンド3
C社:2,000円減額+通常の敷金でいかがでしょうか?
私:1,000円減額なら今日契約するので最後に背中を押してほしい
C社:交渉することはできるが破談のリスクを伴う。それでもやりますか?
私:これ以上の交渉は結構なので、仲介手数料を半額にしてほしい
C社:それは難しいです

結果的に2,000円の家賃減額と敷引き→敷金への変更が達成された。終盤、どさくさに紛れて仲介手数料の減額交渉までしてしまったため、その後のC社担当者の対応は明らかに素っ気なくなったが、これを言わずに決して安くはない家賃1ヶ月分相当の金額を支払うのと、ゴネた上で納得して支払うのとでは心に残るしこりの大きさが全然違うので、私は言って良かったと思っている。

また、前述した反省点が一概にミスだと言いきれない理由はこの家賃交渉にある。今回のケースは家賃交渉が申し込みベースだったので、仲介手数料の安価な他社から申し込んでも同じ内容の交渉を達成できていたかはわからない。繁忙期にここまで調整できたのはC社の手柄だと信じ、私は家賃1ヶ月分の手数料を潔く支払うとする。

火災保険と鍵交換

調整後の内容を反映させた見積書を改めて用意してもらい、以下の2項目を自分で手配したいと伝えた。

・鍵交換費用:16,500円
・火災保険:18,000円 ※2年間

鍵交換費用は正直なところ自分で手配してもそこまで金額は変わらないと思っていたが、火災保険は都民共済のプランなら2年間の費用が7,840円と先方指定の金額から1万円以上も削減でき、戻りもあるという。

事前に「火災保険の事業会社を借主が選べないのは独占禁止法違反」という情報を調べていたので、強気に提案した。

私:鍵交換と火災保険の加入をこちらで手配したいです
先方:鍵交換は貸主指定の業者で行うので無理です。火災保険も貸主指定じゃないとNGかも。ご自身で手配されたい理由は?
私:都民共済のプランが保証内容に対して価格が妥当なためです
先方:確認します

結局、プランの指定(1000万円の賠償責任特約)はあったものの、自分で手配しても良いとの回答がもらえた。

家賃発生日

火災保険に関するやりとりの中で、「保障開始日:3月18日」と先方から指定があった。言われるがままその内容で加入手続きを行なったが、火災保険の保障開始日=家賃発生日だということに後から気付いた。

3月は繁忙期のため、引っ越し価格が数日のズレで大きく変動する。18日はピーク時期につき、2日前の16日に搬入した場合より引っ越し価格が3万円もはね上がってしまう。日割り家賃を2日分支払ったとしてもその額は6,500円程度なので、家賃発生日を前倒しにするのが得策だと言える。

現在、C社に家賃発生日の前倒しを依頼しているところだ。

まとめ

不動産業界には昔ながらの理不尽な商慣習が常識のお面をつけて平然とまかり通っている。「仲介手数料は家賃の0.5ヶ月分が妥当」「火災保険は入居者に選ぶ権利がある」など、遵守すべき方針は存在するものの実情は即していないことがほとんどだ。今はWebでいくらでもTIPSが拾える時代なので、「無知は損」を言い聞かせつつ勉強して家探しに臨むべきだと痛感した。

諸々の交渉は骨が折れる。こちらに知恵があれば話はスムーズに進むので、省エネの意味でも入念な下調べをするに越したことはない。電話苦手マンとしては、LINEで業者とやりとりできる昨今のシステムは気楽で良いと思った。

あとは、交渉を悪だと思わないマインドセットも大事だと感じた。これは「高い仲介手数料払ってるんだからこれぐらいやって当然!」という横柄な態度の奨励を意味しない。

①自分の希望条件を明確にして
②正しい予備知識を身につけ
③住むための努力として交渉を重ね
④納得感を持って妥協する

このプロセスを踏めば、借りる方も貸す方も気持ちよく過ごせるのではないか。

あーーー疲れた。次は中古マンションを買うぞ!!!!!

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