ときには健全に絶望する

ざっくりいうと「経営企画」にかかる仕事を10年弱年ほど?やってきた中で、思ったことについて

見る場所で景色は異なる


  • ある事業や、それを束にした企業体として見たときに、見る視点によって景色は変わってくる。決算状況が良いとか、株価が良い会社も中身はボロボロ、ということもあるだろうし、実は内部でやっていることが外部・市場からはちゃんと評価されてないということもある

  • 企業の中にメンバーとして入ってみると、各所で色々なことが起きている。新店開店、海外展開、新機能の開発、新規営業、はたまた障害対応や労務管理 等々。それぞれの現場で目標があり、それについての進捗が日々積み重なる

  • その中では(進捗が)良いこともあれば、そうでないこともある。それぞれの目標に対する一喜一憂が日々起こる。経営企画というのは役割上、各所での取り組みや実態・結果をとりまとめ、横並びにするから、全社の目標に対する現在地がわかりやすい。見晴らしがいいとも言える。各所の一喜一憂をごっちゃにした中で、結局全社としてはどうなんや、というところに一定の答えが見える

  • 各所での素晴らしい進捗や成果に対して喜び、そこに労いが生まれることは健全だし、良いことだと思う。他方で、中期的に貯まる軋みがあったり、全社としてとりまとめて見るとまだまだだなということもよくある。目標とのgapが見える

現在に向き合う


  • 製薬企業向けにコンサルをしたり、海外の海鮮丼事業に向き合ったり、ソフトウェアの会社にいたり、やってることは移ろいゆくが、1企業体や1事業にどっぷりと浸かる前に、まずすることは、「健全に絶望する」ことなんじゃないかと思っている

  • 「メンバーが最高」「売上がXX%成長」「お客様からこんなポジティブなお声」などは良いニュースだ。良いニュースとして聞いた上で、他方で、目標に対してはどうなんだっけ、結局これが実現したいことなんだっけ、とか、全体見回すとどこはうまくいってないか? といったことを紐解いていく。「問題ゼロ、万事OK!」みたいなものは大体ない(万事okならあえて人を投入しない)ので、目標や目指す姿と現実のギャップに向き合う。そして、「まだまだや〜〜」って絶望する

  • 自分は、この絶望はとても健全じゃない?って思う。ポジティブもネガティブも材料揃えて、それでも高い目標や目指す姿とのgapを認識する。自分もメンバーも日々頑張ってるんだけど、良いモノ/サービス/ヒトなんだけど、まだ受け入れられてない、目標には達してない(こともある)ことを事実として認識する。何くそー!と思ってまたトライして、ちょっと進んだかも、でもまだまだ、って思う。そんでまたトライする。そういう意味で、健全。このプロセスを繰り返すことで、でもこれやんないと、とか、そもそも打ち手はこれでいいんだっけ?にフィードバックがかかる

  • もしくは、お客様も喜んでるし売上も上がってるけど、実は全然儲かってなかったということもあるかもしれない。他で利益を上げるとか、短期的にしゃがむとかはあるけど、それを認知してない状態は、めっちゃ走り込んでるけど毎日ラーメン食って体重計見てない感がある

日々はポジティブなバイブスで


  • 日々はポジティブなバイブスで生きるのがいい。仕事以外でもネガティブなことは全然あるなかで、仕事でいつも絶望してたらやってらんない。1日の終わりに「今日も頑張ったな〜」と感じ、翌日に向かうことはとても健全だし、仕事のパフォーマンスにも良い影響を及ぼすと思う

  • 外食の領域であれ今の小売の領域でも思うが、現場仕事ってのは結構充実感がある。物理的に疲労感がたまるので、デスクワークの後よりもビールがうまい。その環境にいる際に、毎日「今日もしんどかったけど、売上もUU数(注: Unique User数)も目標対比23%減だ...」って思うはやっぱり大変

  • なので、常に俯瞰するわけじゃなくて、そういうタイミングを時には持てばよいのだと思う。実経験としても、事業開発(≒営業活動)をしていて目の前の顧客に向き合ってる際は、「どうやったら先方の課題が解決され事業が伸びるのか?」を全力で考えるように脳が動くし、同時に必ず「このプライシングだと(自社の)事業全体にはXX%のインパクトしかないな・・」と考えられるわけじゃない

  • なので、現実に向き合うタイミングを定期的に待てば良いと思う。他の時は主観ドリブンでいいのでは、と。メンバーなら四半期に1回、マネージャーなら月に1回、経営者なら週 など(知らんけど)。マネージャーや部門長として、メンバーを鼓舞するために、小さなgoodも掘り起こすことは重要。でも、その集積や延長を想像しながら全体と現実見て、結果絶望することはあるかもしれない

アフター絶望


(つづく)

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