第1 概要

 およそ2ヶ月ごとにクールが決められており,クールごとに弁護修習,刑事裁判修習,民事裁判修習,検察修習を行っていく。
 各修習の内容については,それぞれの記事を参照されたい。
 どれをどの順番で行うかは班ごとに決められているため,人によって異なる。身上調査書の希望進路も考慮に入れられて順番が決められているという話もあるが,どこまで本当かは不明である。
 その後で,2ヶ月弱の期間,選択修習というものがあり,予定がない日には弁護修習の配属先事務所に行き,申し込んだプログラムがある場合にはそのプログラムに行くことになる。
 

第2 分野別実務修習についての注意点

 まず,実務修習が楽しいに決まっているという幻想は捨てるべきである。
 楽しいという人の声が大きいので,なんとなくそういうふうに思いがちであるが,配属庁の人間関係が合わない,修習生同士の相性が合わないなどの理由で簡単に苦痛に変わるので,期待しないほうが賢明である。
 休日に修習生同士で遊びに行くかどうかも修習地の雰囲気ごとに異なるし,ましてや異性との出会いに期待している人もいるかもしれないが,そんなのは一縷の望みにも満たない妄想のようなものなので,"修習リア充"への憧憬はすぐにでも捨てたほうがいい。
 次に,(これは分野別実務修習に限られるものではないが,)守秘義務には気をつけること。どこで人が聞いているか分からないので,基本的に裁判官室などの執務スペースの外では修習内容の話はしないのが賢明である。関係者が聞いているのもまずいし,それ以上に配属先の人や法律関係者などは修習生のマナーみたいなのを結構気にしており,説教されたり関係機関にチクられてもめんどくさいので話さないのが無難である。特に,裁判所の周囲には法律事務所などが多いことや,修習生は修習生バッジを付けていたりして見る人が見ればすぐに修習生だとバレることなどから,昼食時に修習内容の話をするのは非常にリスキーである(余談だが,昼食時に弁護士を見つけたら挨拶をするとおごってもらえるという「アド街を見た」的なことがあるらしい。)。
 また,基本的に修習生は招かれざる客であることを自覚しておいたほうがいい。
 配属地によっては歓迎してくれるところもあるが,自分の仕事で忙しい中に,群れたクソガキがやって来て,いろいろと教えなくてはならないのだから,そう考えると歓迎される方が稀有であると考えたほうが自然である。
 もちろん,修習上必要なことは質問しなければいけないし,大半の人は快く応じてくれる。
 問題なのは,礼を言わない,大声で話す,TPOをわきまえない発言をするなどである。
 そんな人いるのかと驚くかもしれないが,司法修習生なんて机の上のお勉強としての法律の試験の点数がよかったというだけであり,法を学んだ人間であるから規範意識があると考えるのはもってのほかであるし,どこかでマナーの勉強をしてきたというわけでもないのである。
 なお,各クールの詳しい内容については,各論の記事を参照すること。

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