第1 概要

 導入修習や,分野別実務修習でやったことを,総まとめする修習になる。
 クラスによっては全員同じ修習地で代わり映えしないクラスもあるが,1年近く前に1ヶ月ぐらいだけ一緒に過ごした人と再会して懐かしいようななんとなくやりにくいようなクラスもある。
 イメージとしては,導入修習で得た知識に,分野別実務修習で得た経験を混ぜて,法曹としてのスタートラインに立てるまでの人間にしていくといった感じである。
 内容としては,起案やそれについての講評が大きな柱ではあるが,それ以外にも,導入修習を復習する講義があったり,民事の争点整理のグループワークを行ったり,刑事の模擬裁判を行ってみたりと,意外とやる内容は幅広い。

第2 集合修習についての注意点

 集合修習では,いわゆる集合起案というものがあるが,二回試験とレベルや内容的にも近い。そのため,ちゃんと集合起案の準備(導入修習,問研・全国一斉・弁護士会各起案の復習,白表紙・レジュメ・参考書の再確認)をしておくこと。
 集合起案の評価は,裁判起案だけA・B・Cの三段階評価で,それ以外はA・B・C・D・Eの五段階評価になっている。あくまで相対評価なので,裁判起案でCを取ったりしたからといって二回試験即不合格というわけではないが,どの段階を取るにしても,教官の採点コメントを参考に復習をすること。
 あまりにも出来が悪い(二回試験不合格が危惧されるレベル)と,教官から呼び出されるという噂がある。また,呼び出されると逆に二回試験では落ちないなんていう噂もある。
 あと,弁護士になる人は別に集合起案の評価がどうであれ二回試験に通ってしまえばいいのだから関係ないが,任検者と任官者は,二回試験の成績が悪いと,推薦がもらえなくなるという状況にもなりかねないらしいので注意する。この段階では内定している弁護士事務所も蹴っている人が多いはずだから,もし推薦がもらえないと,就活を始めるか,あるいは,即独するかという状況にも陥りかねない。また,任官者は,二回試験の成績がその後の出世コースにも響くらしいという話もあるので,出世したい人は(?)必死に勉強すること。
 各科目の注意事項等については,二回試験の記事を参照されたい。
 起案以外でも,いろいろなグループワークなどがあるので,ちゃんと資料を読んできたり,考えて発言をするなどして,他の人に迷惑をかけないようにすること。起案対策に頭が行きがちで,鬱陶しいという気持ちが分からなくもないが,ちゃんと目の前のことにも気を配ること。
 なお,二回試験とは別に,集合修習については,起案の評価や質疑応答のやり取りなどで一応成績評価がつく。二回試験の成績開示と一緒にその成績評価も送られてはくるが,起案の評価は集合修習中に分かるし,忘れた頃にやって来て「ふーん,そうなんだ」という感じにしかならない。

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