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花の重量

 門前の小僧ではなかったんだな、と思ったのは、お花のお稽古を始めてからであった。母の作品は今までもずっと家にあり、まだ教室の場所がなかった当時はダイニングデーブルの片隅に、カウンターの上にと少し枯れかかってもなお置いてあるその花々に「んん、もうッ!」とさえ思っていた。それほど見慣れていたものでも、お稽古でいざ花を見ると何から何処からいけていいやらさっぱりであった。4ヶ月ほど経って最近は、この花は重いだろうか、軽いだろうか?と考えるようになった。

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