仲介手数料に対する違和感

中古マンションを探していく中で、「仲介手数料の仕組みっておかしくない?」という疑問が湧いてしまいました。それについて、色々と書いていこうと思います。

前提として、いわゆる不動産屋さんを介さなければ中古住宅を購入することができません。そして、YouTubeなどで、「不動産屋は悪徳な業者も多いので、中古住宅探しは不動産屋選びが重要」という意見が良く見受けられます。ビビりな僕は、中古マンションを探すにあたって、知人に不動産屋を紹介してもらうことにしました。

紹介してもらった方は東急田園都市線沿いの横浜市をテリトリーとしている方でした。(以下Bさんとします。)一方、僕の希望は湘南地域。噛み合っていません。なので、自分でスーモ、ホームズ、アットホームなどのサイトを駆使し、気になった物件のリンクをBさんに送り、それを受けたBさんが売り手側の不動産屋(仲介業者)にアポを取るという手法を取ることにしました。ここで違和感①が出てきました。アポ取りの際は当然、Bさんの予定も考慮しなければならず、その分煩雑になりました。(エリア外の方を紹介してもらっておいて勝手ですが・・・。)

次に、実際にBさんと現地を内覧しに行った際、こんな会話がよくなされました。
僕「この物件の壁は〇〇に、床は無垢材にリノベできますかね?このガス給湯器って修理しないでしばらく使えそうですかね?」
Bさん「う~ん、専門家じゃないのではっきりとわからないです。工務店とか専門家に見てもらうのが良いと思います。」
そして、これが違和感②。

最後に、僕は銀行の住宅ローン審査までいった物件がありました。そのとき、金利が安くて個人的に使いやすかったのが、とあるネットバンキングでした。銀行のローン審査手続きなどはBさんが代行してくれると言っていたのですが、「その業者とは取引がない」という理由で、結局自分でローン審査の手続きをしました。また、当然、そのネットバンキングが(自分に取って)良いだろうという情報を拾ってきたのも自分です。これが違和感③でした。

補足しておくと、Bさんは仕事も早く親切でしたし、わからないことはうやむやにせず、はっきり「わからない」と言ってくれるため、誠実な方です。(もちろん、一般的な手続きなどには明確に答えてくれました。)なので、Bさんに対する恨みや不満はありません。しかし、売買契約が成立した暁には、「仲介手数料」として、売買金額の‘最大’3%+6万円という金額を不動産屋に払うことになります。仮に3000万円の中古物件の場合には、100万近い金額を支払うことになります。(※売主が不動産屋の場合などは異なりますので、この記事は売主も買主も個人の場合を想定して書いています。)3000万円のうちの100万円だと元の金額が大きすぎて感覚が麻痺してしまいますが、100万円を超える買い物なんて、僕の人生では車だけです。冷静に考えると凄まじい額です。これまたものすごく失礼な話ですが、違和感①②③を経て、「100万円に見合うようなサービスを提供してもらった」という気分にはとてもなれませんでした。(結局、銀行の審査までいったものは破談になり、仲介手数料は払っていませんが・・・。)

そして、この「仲介手数料」という仕組みが非常にブラックだなと思った話があります。

まず、不動産仲介業の仕組みとして、売買契約が成立した場合、売主、買主それぞれが不動産屋(仲介業者)へ「仲介手数料」を支払います。もし、Cさんという人がD社という不動産屋へ「物件を売りたい」と依頼したとします。その情報を先のBさんが見つけたとします。Bさんがそれを僕に提案し、僕が気に入った場合、B→Dと連絡を取り、契約が成立したら、僕→B C→Dと「仲介手数料」を支払います。ここで、「レインズ」という不動産屋などしかアクセスできないネットワークがあり、少し前だと、そこにD社が情報を掲載。Bさんなどの不動産屋が情報を見つけるという仕組みが一般的でした。なので、物件を探すに当たって、買主側に取っても不動産屋は必要でした。しかし、今の時代、スーモなどで買主が直接情報収集できるようになりました。先の例で言うと、例えば、僕が情報を見つけ、僕→Dと連絡します。それで契約が成立した場合、「仲介手数料」は、僕→D、C→Dと支払うことになります。つまり、D社は最初の例の2倍の「仲介手数料」を手に入れることができます。なので、D社としては、不動産屋を介さず、個人に直接売りたい。不動産屋しか見れない「レインズ」よりも、一般の人が見ることができるスーモなどの媒介を活用した方がおいしい思いをできる可能性が高まるので、今やそちらの方が重宝されるようです。それを悪用し、「囲い込み」などとも言われますが、個人が連絡した場合は、「そちらの物件をご紹介します!」と案内するけど、不動産屋が連絡した場合は、「そちらの物件はもう空いていません・・・。」と断る不動産屋がいるそうです。そうすると、不動産屋を介して物件を探すよりも、個人で探した方が多くの物件に出合える可能性が出てきてしまいます。こうなると、「買主側の不動産屋(仲介業者)って必要?」という気持ちになりますし、「買主からも売主からも同じように仲介手数料をもらう仕組みっておかしくない?」「そのせいで「囲い込み」なんてものが生まれるんじゃないの?」という気持ちになってしまいました。

ここまで一方的に買主側の立場のみで色々書きました。そこで、もし自分が売主だったらどうだろう?と考えてみました。例えば、仕事中にひっきりなしに問合せが来られたら対応が大変ですし、遠く離れた親族の家を相続して売却する場合やもう既に越している場合など、売主が立ち合うのが困難なことがあります。そういう場合、不動産屋に窓口になってもらい、対応してもらうと助かります。そう考えると、その対価として「仲介手数料」を払うことはそれほど抵抗ないかもしれないと思ったりしました。

以上、愚痴みたいなことをダラダラと色々と書いてしまいましたが、「不動産屋は悪質だ!不要だ!」などと攻撃するつもりはありません。そうではなく、「中古住宅売買における「仕組み」そのものをどうにかしてほしいなぁ」と感じました。

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