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ケーララでミールスを食べた

ケーララでは、コーチン近郊の2つのレストランでミールスを食べました。
Vellakkanthaari Restaurantはミールスもおいしかったですが、魚介の料理がおいしかったです。さすが海沿いに面した地域です。
Brindhavan Vegetarian Restaurantは、その名のとおり菜食料理のレストランです。どちらのお店も、日本で知り合ったインド人のお父さんとお母さんが連れて行ってくれました。レストランでは、料理の素材や食べ方を教えてもらいました。

1. Vellakkanthaari Restaurant

National Highway 966A near ponnarimangalam toll plaza, Mulavukad, Ernakulam, Kerala 682504 india.

fish meals

▼ミールスの構成
1 beetroot thoran、2 cabbage thoran、3 lime and pumpkin pickle、4 papadam、 5 white round rice、6 sambar、7 curd gravy(moru) with malabar cucumber、8 fish gravy
+kozhuva fry, roasted sea bass fish

▼食べ方
写真には最初にサーブされたライスとサンバルがのっていますが、これを食べたあとに、次のグレービーをライスにあわせて食べました。汁気のある料理はひとつひとつライスにあわせ、ドライの料理は都度食べる感じでした。

食べ方を教えてもらいながらも、いまひとつつかめなかったので、ごはんを食べたあとにあらためて聞くと、食べる順序は明確に決まっていないが、粉ものがあったら最初に食べる。ライスと野菜などの副菜は一緒に食べるが、1つずつ食べる。副菜同士を混ぜたりはしない。カードがあったら最後はカードライスにする。
地域によって食べ方は違うようで、自分が住んだ地域のことしかわからないが、と付け加えていました。

2. Brindhavan Vegetarian Restaurant

43/3075, NH 66, near Hotel Rock Rose, Chakkalakkal, Palarivattom, Kochi, Kerala 682025 india.

meals

▼ミールスの構成
1 cabbage thoran、2 tindra thoran、3 aviyal、4 vegetable stew、5 fried chilli、6 moru kadi、7 curd、7 butter milk、8 payasam、9 papadam、10 rice、11 ghee、12 dal、13 sambar、 14 rasam

▼食べ方
まず、ライスにダールをかける。アッパムはそのままかじっても砕いてライスと混ぜても良い。副菜は左から右の順で食べる。つぎにライスはサンバルをかける。円形の土手をつくり中心に注いでもらっている人もいた。
aviyalや cabbage thoran、tindra thoranなどの料理は都度食べる。ここまではおじさんとおばさんの食べ方は同じでしたが、おじさんはvegetable stew、butter milkを混ぜながら食べていました。おばさんはひとつずつ食べ、ひととおり料理を食べて満足した後はカードライスを食べ、ラッサムを飲んでいた。最後にパヤサムで甘みをとる。カルナータカと違い、食事の規則性をあまり感じませんでした。

後日談

友人夫妻や家族と合流し、フィッシュミールスやベジミールを食べた話をしました。その流れからミールスやターリーについていくつかのことを教えてくれました。
まず、ターリーとミールスはインドのソウルフードといいます。それと南インドのケーララより北インドのほうが規範的な食べ方があるかもしれないらしいです[1]。なぜなら、ケーララや南西海岸の地域はアラビアから多くの影響を受けているため、食事の食べ方に関しては、細かいことはあまりなく食べたいように食べている。しかし、ヒンドゥーの人たちが多い地域では細かい原則があるかもしれないらしい。
ここまでの話は、地域として考えた場合の食事の順序やコンビネーションの話であって、基本的には副菜同士を混ぜたり、グレービー(汁気の多い料理)を混ぜて食べることはないという。

まとめ
海岸沿いに立地するケーララの魚介を楽しみ、ベジミールスの優しい味ながらも滋味深い味わいを体験できました。
食事の作法は、おじさんさんたちとベジミールスを食べているときは、よくわからないと思っていましたが、後日友人達に教えてもらいベンガル―ルのミールスとの共通点も見つかりました。
それは複数のグレービーを混ぜないこと、ダールとライス、サンバルとライス、カードとライスの順に食べることです。しかし、一方ではおじさんのように自由に食べるといった選択肢もあることが知れてよかったです。
歴史家のK T.Achayaは、著書の中でケーララには、シリアのキリスト教徒、ムスリム、thiyas、ナヤール、ケーララのバラモンといった5つのグループがあり、それぞれに特徴的な料理があるといいます(Achaya1994)。そういった異なる文化が混じる形で食作法もゆるやかなものになっているのかもしれませんね(おじさんが自由なだけかもしれませんが)。

読んでいただきありがとうございました。

[1]会話の中ではケーララと北インドを比較していますが、ケーララと多民族的な傾向が弱い地域と考えたほうがいいかもしれないです。

参考文献
Achaya, K T. 1994. Indian Food: A Historical Companion. Oxford University press.


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