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留学生活が“ツライ”あなたへ

わたしは物心がついた頃から、超繊細な子供でした。

保育園でのお昼寝や、お泊まり保育などの長時間家を離れるイベントは、眠れた試しがありませんでした。(いまでも、お泊まり保育の日の夜、一晩中先生に背中をトントンしてもらいながら、必死に羊を数えるも、眠れなかった記憶があります)
保育園の先生にはいまでも申し訳なくなるほど、枕が変わると眠れない子でした。

小学校に上がっても、中学年くらいまではそれが治ることはなく、小学校以外に塾や学童という社会的な空間を覚えても、他人と接する機会が増えるにつれ、わたしの“症状”はひどくなっていく一方でした。ついには、自分の家以外での食事が苦痛になり、友達の家で夜ご飯をご馳走になる時も、挙げ句の果てには外食先でも、気分が悪くなるほどでした。
その時の、家族で外食に行ったときのわたしの口癖は「はやく帰ろう」でした。
そのくらい、本当につらかったのです。

しかし“慣れ”というのは喜ばしくも、恐ろしいものです。
高学年に上がるにつれ、2泊3日の合宿や修学旅行、お友達の家でのお泊まりなど家を空けるイベントが急激に多くなりました。その激流に飲まれながら、わたしはだんだんと社会生活にもなれ、その“症状”は治っていきました。
今思えば、小学校はわたしにとっての一種の社会性矯正施設でした。

中学校に上がると、そのような症状はほとんど無くなりました。
ただ、後遺症と思えることがひとつあり、いまでもわたしは講義中や映画鑑賞中など、誰かの話を長時間聞かなければならない空間で居眠りができません。高校時代は、クラスメイトの8割くらいが寝てしまっている授業中も(例えばプール後の国語の授業とか)、机に突っ伏して眠っている友達を横目に「良いな、わたしも寝たいな」と羨ましく思っていたほどです。
いまでも家以外では、どこか体が緊張してしまっているんだと思います。


ところで、
みなさんはHSPをご存知ですか?

わたしは、いま受講している「Gender, Health and Technology」のMedicalizationがテーマの授業で、これを知りました。

HSPHighly Sensitive Personの略で、人一倍繊細で、自然と小さなことに気付く神経システムを持っている人のことを指します。
決して病気や精神疾患などではなく、例えば、目が大きい、声が小さい、走るのが速い、などの各々が持って生まれた性質の1つと考えられています。
現在、世界人口の約20%、約5人に1人がHSPであると言われ、HSPの人は一般的に、他人から「神経質」「心配性」「内気」「真面目すぎる」と揶揄されます。

ここで、HSPに共通する10の特徴を紹介します。当てはまるものが多ければ多いほどHSPである可能性が高いので、ぜひセルフチェックに使ってみてください。

☑︎ 物事を深く考えすぎる
☑︎ 人の感情や顔色を気にして自分の本心を抑圧してしまう
☑︎ 些細な刺激に敏感
☑︎ 他人と長時間一緒にいると疲れる
☑︎ 悲惨なニュースを見るとバッドに入る
☑︎ ストレスや疲れがなかなか取れない
☑︎ 1人の時間が大好き
☑︎ 大人数より少人数、1対1が落ち着く
☑︎ 自分にとって素敵、心地よいと感じるものを深く味わう
☑︎ 直感が鋭い

今のわたしはこの中の半数ほどにしか当てはまりませんが、
小学生の時のわたしは、この全てに当てはまっていたと言えます。

わたしの持論ですが、HSPはほぼ全ての人が「潜在的に」持っている性格だと考えています。わたしのように、新しい社会(私の場合、家→保育園や小学校)に人は置かれると、この潜在的HSPが出てくることが多いのではないでしょうか。

留学は、新しい社会へ飛び込む勇気のある行為です。
私は幸運なことに、日本からスウェーデンに移り留学生活を行う中で、HSPを自分自身に感じることはほぼ無く、「留学=ツライ」というよくあるセオリーを感じることもありませんでした。周りの留学生が、帰りたい寂しいと嘆く一方で、一人暮らし楽しいなと考えていたほどです。というのも、HSPという性格を知ることで私自身の性格を理解し、自分なりに吸収できたからだと思っています。

しかし、潜在的HSPをもち、それに気づいていない人にとって「留学がツライ」のは当たり前です。5人に1人がHSPという性質を持つにも関わらず、認知度が低すぎるため、「留学がツライ」というセオリーが立つのも無理はありません。

わたしが「留学生活がツライあなたへ」このnoteで伝えたいことは、
HSPというひとつの性格を知る=自分を理解することで、留学生活をより豊かに楽しんで欲しいということです。留学生全てにHSPが当てはまるわけではありませんが、留学がツライ原因を自分なりに考察する上で、その仮説としてHSPを利用してほしいです。


そして最後に、HSPの人が幸せに暮らすための4つのヒントを書いて終わります。

①自分の心の声を大事にすること
②感情を受け取りすぎないように、相手とある程度境界線を引く
③ひとりの時間を定期的に作る
④心地よいと感じる環境を見つける


みなさんの留学が少しでも豊かになりますように!

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