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【双子妊娠記vol.2】青天の霹靂


前回はこちら↓

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2回目の受診の日。


若干の体調不良を感じながらも
エコーで赤ちゃんの姿を見られるのが
楽しみで楽しみで待ち切れない私は
スキップしたい気持ちを必死に抑えながら
予約時間より少し早くクリニックに向かった。

院長「さて!見てみましょうね〜」


院長先生によるエコーが始まった。
どうかなどうかな〜と見始めたら
急に先生が静かになった。

院長「……………」

にこやかな院長先生が一言も喋らない。
前回とは明らかに違う感じで集中して
診察しているのが素人の私でもわかった。


あぁ、残念だったんだな。

仕方ないな。でもつらいな。悲しいな。

なにがいけなかったのかな。

夫になんて言おうかな。



そんなことをぐるぐると考えていたとき
院長先生が遂に口を開いた。




院長「あのね……胎嚢がふたつある……」


私「………え???」


意味がわからなかったので聞き返した。

院長「お腹にいるの、双子ちゃんだと思う。」

エコーを見せてもらうと
たしかに小さな袋がふたつあり
その中で小さな丸がチカチカしていた。

全く予想していなかった状況に
頭が真っ白になった。
今思えばあれはまさに青天の霹靂だった。
雷に打たれたことはないけれど
ズドーーーンという音が聞こえるぐらい
脳と心にものすごい衝撃を感じた。
下半身を露出し脚をパッカーンしたあの状態で。

半ば放心状態でヨロヨロしながら
内診台から降りて院長先生の説明を聞いた。

・胎嚢がふたつあるので今のところ双子
・バニシングツインになる可能性もある
(バニシングツイン=双子のうちの片方が妊娠初期の段階でお腹のなかで亡くなり子宮から消えたように見える現象)
・次回の通院で2人の心拍が無事確認できた場合はここで産むことはできないので総合病院に転院してもらう

衝撃が大きすぎてあまり頭に入ってこなかったが
いつも笑っている先生が真剣に話していたので
ことの重大さがなんとなく理解できた。


自宅に戻り、何をするわけでもなく
ぼーっとしていると夫が帰ってきた。


夫「今日どうだった?」

私「あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけど」

夫「え、うん……」

私「お腹の赤ちゃん、双子らしい……」

夫「えッ?!!!」

予想通りの反応だった。
夫だって自分が双子の親になるだなんてこと
全く想像していなかったのだろう。
今までで見たこともないぐらいに
目を見開いて、驚いた顔をしていた。

その日の夜は全然眠れなかった。
自分のお腹に子供がふたりいるということ
正直言って喜びよりも不安の方が大きかった。
ふたりの誕生が楽しみだけどとても心配で、
不安ではあるけれど無事に産まれてきてほしい。
たくさんの矛盾した気持ちを抱き締めながら
横になっているとウッと込み上げるものがあった。
感情?いいえ違います。ゲロです。

遂にアレが始まったのです。



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