Hello Song/星野源

アルバムPOP VIRUSは12月の発売日に買った。
けれど、ずっと聴いていなかった。

2月の東京ドーム公演が当たったので、1回は聴いておくか…と再生ボタンを押した。
タイアップ等でテレビで沢山流れていた曲たちも収録されていた。
恋ダンスだって、曲が流れればなんとなく踊れる。
ああ、大衆のものになってしまったなあ、と。“星野源”を聞く度に思ってしまうようになった。


一番好きなアルバムは「エピソード」だった。
ひとり真っ暗な部屋で、布団で小さくなりながらずっと聴いていた。
随分勝手な思い込みだけど、この人の歌は私だけに寄り添ってくれる、そんなふうに思っていた。
だけど、気づけば老若男女問わず、国民的人気者になっていた。

あまのじゃくな私は、人気が出ると途端に興味を持てなくなってしまう。
それでも、その頃発売されたアルバムYELLOW DANCERは繰り返し何度も聴いたし、「恋」がラジオで初解禁される時はワクワクしたし、キラキラした音に心が踊ったし、ニッポン放送にもメールを送った。
それ以降も人気は衰えることなく、ファンは増え続ける。すごいなあ。

初めてライブに行けたのはYellow Voyageの時。
やっと当たったさいたまスーパーアリーナの天井席。それでもずっと聴いていた星野源が目の前に存在することに感動した。ずっと狭い部屋の中で聴いていた音楽が広いスーパーアリーナに響いているのは不思議な感覚だった。
星野源って本当にいるんだ、と思った。ずっと好きだった。

だけど、少しずつ離れていったのはその頃だった。
急に出た人気に私がついて行けなかった。(可笑しな話だけどね。)
ライブ会場は文字通り老若男女。(元)森ガールみたいな女が連れているのは星野源のような雰囲気を纏った彼氏。プラ板やポストカード等の自作のグッズを配るファン。コスプレみたいな格好の人。黄色い歓声を上げるおばさん。SNSのフォロワー同士で集まって写真を撮る人たち。「○○の格好してます!声掛けてください!」というツイッターの投稿。
そんな人たちがうじゃうじゃ。

私にはそれがたまらなく居心地が悪かった。
「星野源は好きだけど星野源のファンは嫌い」
そんな感情が生まれてしまった。
(こんなことツイッターには書けないから此処に書いてる。笑)

そうなると、毎週聞いていたラジオは聞かなくなり、ライブも行く気にならないし、カラオケも「とりあえず恋歌っとけば盛り上がるでしょ」などと思うようになるし、音楽もたまにしか聞かなくなった。

そんなこんなで。久々に星野源を聴いたわけです。
再生ボタンを押すと、星野源はそこにいた。どんなに私が荒んでたって星野源は星野源だった。
POP VIRUSの最後に入っている曲、Hello Song。
感情がドバーッと解放された。すげーや、星野源。まじで、すごいよ。
そう思った。

やっぱり私は星野源を嫌いになれない。

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