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私にもそういう夜がある

We don't realize the value of health until we lose it. 学生の頃、英文600選でひたすら暗唱したあの一文が懐かしい。歳を重ねてくると悲しいかな、何もかもが絶好調という日はあまりない。肩が凝りに凝っていたり、そのせいで頭痛が酷かったり、なかなか疲労が回復せず、昨日を引きずりながら目覚める日も少なくない。そんな時は好調な日のことを思い、いつもああならとため息をつく。でも何も問題のないときは、心に抱えたわずかなひっかかりや違和感に目がいって穏やかじゃないなぁなんて考えたりする。人間、そんなものだ。もっと今あるものに目を向け、大事にしたい。

𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。

先日のこと。ある仕事関係の人に用があって電話をかけると、落ち込んでいてなかなか車から降りれずにいたところだったらしい。珍しく声に元気がない。普段は結構勢いのある方で、頷く間もないほどスピーディに話されるから、圧倒されてしまって正直、あまり波長が合わないかもしれないと思っていたものだからはっとした。ひと呼吸おいて「分かります、私にもそういう夜がある。」と伝えた途端、急に声色があたたかくなった。「そうなの…」と言った彼女は、ぽつりぽつり心にひっかかっていることを話し始めた。実の所、とても時間に追われている日で、丁寧に話を聞いている余裕などなかったのかもしれない。でも、その時の私はどうしてもそうしたかった。きっと同じようにひとり反省会を行う、過去の、もしかしたら未来の、自分と向き合っている感覚だったのだろうか。話しながら彼女は、何度もお礼を言った。それも、分かると思った。頭の中を巡る後悔のアウトプットや、今後どうしたら良いか考える過程を見守られる心強さと言ったら…。電話を切って、私も友人たちに大いに感謝した。

𖠿𖥧𖥣。

この仕事をしている理由はたくさんある。語り始めたら夜も更けてしまうから、全ては話さないけれど。ひとつ挙げるなら、あの時どうしたら良いか分からなかった自分に近い状態の人の、力に少しでもなれたらと思ったから、というのがある。人によって何が最適解かは変わってくるだろうから私の良いが合うかどうかは分からないけれど、考え続けたいくつかの案がもし最適解になり得たのであれば、模索した甲斐もあるし、嬉しい。

𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。

大人になっても分からないことばかりで、変わっていくあれこれに翻弄されては自分も日々変化している。季節もあれよあれよという間に夏から急に冬のような気候に変わってしまった。夏の間、涼しすぎん?体に悪かろう…と言われた、車の23.5度の強風も、今はもう暖かく感じてしまうほどの寒さだ。秋はどこ?としょんぼりしながら、でも暑い日も寒い日も穏やかに、そしてご機嫌でありたいなと思う。いつもご機嫌な大人ってかっこいいし。さぁて、日々、精進精進。

ありがとう








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