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<入社半年エントリ>医療現場から離れた看護師が医療スタートアップにジョインした話

こんにちは、Contreaの河瀬です。
Contreaには今年の5月に入社をし、もう半年が経とうとしています。
1年前、すでに業務委託として動画説明コンテンツの制作に関わっていた私ですが、まさか正社員としてジョインし、今入社エントリを書いているとは思いもしませんでした。

今回のnoteでは私の過去のキャリアを振り返りながら、Contreaに入社するにあたってどのように意思決定をし、入社後の半年間を過ごしてきたのかお話しようと思います。

看護師になったのは、ただ適性にあっていたから

Contreaにジョインするまでのことをお話しする前に、私のキャリアについて振り返ります。

学生時代、なりたい職業が特に見つからず、ずば抜けて秀でた能力や得意科目があるわけではなかった私が学部・職業選択の参考にしたのは、学校で受けた職業適性検査でした。
今ではどのような検査だったか全く覚えていないのですが、その検査をするたびに向いている職種として「看護師」が出てきました。

熱中できるものがなく、将来に対して大きな希望を見いだせなかった学生時代であったこともあり、興味のあること、やりたいことを引き続き模索するよりも自身の適性にあった職に就くのが合理的と判断した私は、まあとりあえず受けてみるかという軽い気持ちで看護学部を志望したのを覚えています。

大学時代も、このまま過ごしていれば病院で入職することになるだろうけど、数年働いて合わなければ別の道をまた考えようという楽観的な考えのもと過ごしていました。

病院への入職にあたり、当時は国際母子保健や入院生活が及ぼす小児の成長発達への影響について興味があったため小児科への配属を希望しました。
違う部署に配属されても、そこで頑張ればいいやと思っていたのですが、運良く小児科に配属されることになりました。(のちのち人気部署であることを聞くのですが、なんと9人/約100人という運の良さ。特に取り柄ははないけど、ここぞというときの運と縁だけはめちゃくちゃいい)


病院に入職してからの葛藤と将来に対する不安

小児科での配属先はNICU(新生児集中治療室)・GCU(新生児回復治療室)で低出生体重児、ハイリスク児の出生後のケア〜育児指導、退院支援まで様々なことを経験しました。

集中治療室という環境柄、看護師ひとりの受け持ち患者が一般病棟に比べると少ないため、患者さんの状態をすぐ観察でき、医師ともすぐコンタクトが取れる状況であり、一般的に世間で報道されているような医療現場の過酷さや非効率性に関しては認識していましたが、患者さんの急変時や緊急搬送が多いときを除いては、忙しくても業務内で一定のリソースを割けばこなせる業務量であったため、医療の非効率性についてはあまり深刻に捉えていませんでした。

NICU・GCUで経験を積んでいくにつれて、小児科看護師として様々な発達段階や小児科特有の疾患を知ったうえで看護技術を身につけたいと思い、3年目に小児科病棟に異動しました。

医療現場の課題感を感じ、また自身のキャリアについても悩んだのが、元々希望していた小児科病棟に異動したときのことでした。

小児病棟に配属され、自分が受け持つ患者さんの人数はNICU・GCUのときの倍になり、夜勤では病棟の半分の患者さんを受け持つ状況になりました。

緊急入院の患者さんを受け入れながら、オペ出し・検査出しの準備をし、リハ室にいる患者さんのお迎えに行き、病棟に戻ったら患者さんが急変したとリーダーから連絡が入り、走って状況を見に行く。ー
業務が少し落ち着いたら、患者さんのカルテを開き経時記録を入力し、入院時や退院時必要な書類の処理、手術や検査前日には同意書周りのチェックをし、記入の抜け漏れがあれば患者さんのご家族に記入してもらうために病室まで行き、医師のサインや捺印漏れがあれば回診をしている医師を追いかけお願いをし、記入が済んだら書類のスキャン、コピーをし、原本を紙カルテに保管する、書類業務と並行して、患者さんのご家族が面会に来られる時間を見計らい、病室に行き退院指導や退院日の調整をする、、一部ではありますが病棟ではこのような1日を過ごしていました。

小児科で働くにあたって、私が一番大切にして取り組んでいたことは、入院した子どもが自身の疾患やこれから受ける治療や手術について理解できるまで説明し、それらを子ども自身が受容し治療や手術に向き合ってもらうことでした。(小児領域ではこのことをプレパレーションといいます)

上記の業務をしながら、子どもと向きあいプレパレーションをしたり、長期入院のご家族のお話を聞くリソースが十分に確保できないことがあり、もどかしさを感じ、また自身のスキルアップや患者さんのために繋がらない業務は好きとは言えず、極限に業務を効率化しようと工夫を凝らしても限界がありありました。
もちろんどの業界、職種であれ、自分のやるべき・やりたい業務以外にもどうしてもやらなければいけない業務があることは理解しています。

しかし、この医療現場にはあまりにも非効率な部分、それによって本質的な仕事ができなかったり、または優先度を低くしてしまうことが多すぎるのではないかと考えていました。

また、別軸の悩みとして、小児科で働きながら入院生活をする患者さんとそのご家族とともに入院生活を共にし、今のワークスタイルで将来の自分は家庭との両立をしながらキャリアアップができるのかという悩みもありました。
同じような悩みを抱えていた先輩方は最先端の医療現場から離れてしまうケースが多く、今後どのようなキャリアパスを描いて行けばいいのだろうかともがいていました。

仕事の効率的でない部分があまりにも多すぎるのではないか、それにより専門職の本質的な業務、すべきことを優先度を低くしているのは本末転倒であり、医療現場の課題であると捉えていたものの、医療現場の非効率性に対して、声を上げて変革するエネルギーもなく、ましてや大きな組織のいち職員でしかないひよっこの3年目看護師にそのようなことができるはずがなかったのです。

このように医療現場の課題を認識していた当事者ではあったものの、優秀な人が多くいるこの業界でこれらの課題が変わらないのに、この自分が業界や組織を革新することは不可能であると諦め、それであれば自分が居場所を変えたほうが楽だと考えたのを覚えています。

今でも働いていた職場や環境、今まで出会った患者さんにはとても感謝しています。しかし、自身の看護師になった経緯も特段思い入れがあったり使命を持ったものではなかったので、次のキャリアは自身の強みを活かすことができれば、医療に関係する仕事でなくてもいいかもと考えていました。

病院退職後は軽い気持ちで韓国に留学し、現地のPR会社で働き、帰国した後は翻訳、通訳業や当時やっていたSNSマーケをメインに個人事業主として働くことになります。(ここらへん話すと長くなるので気になる方はいつでも連絡ください)

韓国在住〜日本帰国時、コロナの流行拡大により逼迫する医療現場のニュースを目にしながら、その現場のリアルを感じられない罪悪感やもどかしさ、医療現場から自ら離れた引け目がずっと心の中にありました。

医療現場から離れるという決断をしたのも、違う業界で働くというのも全て自分で決断したことでしたが、学生時代から医療や看護に触れていた私にとっては、あの状況で自身が全く違う業界に身を置いて仕事をしているのはなんともいえない不思議な感覚でした。

そんななか、日本帰国後すぐ個人事業主として仕事を始めた私は、またも運良く契約先や受注案件が増えたので、コロナウイルス拡大による医療現場の状況をキャッチする時間もなくなるほど仕事に没頭していました。

Contreaの動画制作にかかわる

個人事業主として働き半年経ったころ、ひとつのツイートを目にします。
患者説明の動画制作に関わりませんか?という内容でした。

当時担当していたプロジェクトが落ち着き、医療にとって何か出来ないかと思っていた頃でした。

事業内容に興味を持ち、ContreaのミッションやCEOの川端、現執行役員の吉川のnoteを見たときに自分が感じていた課題、目指したいと思っていた医療現場の未来と一致し、即応募したのを覚えています。

川端と吉川の面談を受け、またも運良くContreaにジョインすることになり、メディカルチームの前身であるコンテンツチームで動画制作の一部の業務に関わることになりました。

チーム内のほとんどが医学部インターンということや業務内容上、夜に稼働することが多くContreaの社員とコミュニケーションを多く取ることはなかったのですが、Slackや定例mtgの様子から社内の雰囲気がとても良いことがうかがえました。

また正社員、インターン、業務委託、そしてチームに関わらず基本的にはどのSlackのチャンネルやmtgにも参加出来るという情報の透明性にも驚きました。

今思うとCEO川端の透明性のある組織を目指すこいうところがContreaではきちんと行動として現れていて、正社員のオファーを受けた際(詳しくは後述)も、この情報の透明性と秘匿性の高い情報以外に関しては可能な限りオープンにするというものにより、ジョイン前から自然と正社員になるイメージをつけることができ、オファーを検討する上でも重要な意思決定の材料になったと思っています。


一度断ったオファー

業務委託開始から4~5ヶ月過ぎたころ、現執行役員の吉川と西尾から正社員のオファーを受けました。
当時の契約は、正社員前提のオファーではなかったため自身の日頃の成果を認めてもらえたようで嬉しかった反面、急なオファーに驚きととまどいがあり「今はすぐに正社員という選択は考えられないです」とお断りをしました。

ここまで読んでくださった方の中に、医療現場に課題感を持っている私が、オファーを断る理由なんて無いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、当時の私にすぐ快諾できない3つの理由がありました。

1つめは、自分の当時の仕事の問題です。Contrea以外の仕事も楽しくさせていただいて、個人事業主としても軌道に乗り始めた時期で、受託先の会社に正社員としてコミットすることは考えられませんでした。
2つめは、Contreaのプロダクト「MediOS」がバーティカルSaaSとして、病院をターゲットにしているが、自身が課題感として認識し必要としているサービスがそのマーケットで「売れる」と確信ができなかったことです。
3つめは、また組織に入ることに抵抗があったことです。

吉川、西尾と何回か面談の機会をいただいたのですが、自身の中では入社という決断をしきれず、最初のオファーをいただいて約1ヶ月後の2月末まで考える時間をくださいとお願いしました。
日中は周囲に相談をし、自分の人生について振り返り、入社した場合としなかった場合のキャリア設計を紙に書き出し、書いては悩み、深夜に溜まっていた仕事をし、いつも余裕で替え玉注文する一蘭のラーメンが1玉食べられないくらいには悩み続けました。

入社を決めた出来事

色々な人に相談をし、考え、悩み続けた私でしたが、入社への決断を後押しした出来事がありました。(多分これメンバーの誰にも言ってない気がするからめちゃくちゃ恥ずかしいです)

それがちょうとオファーを受け、自身が悩んでいたころ開催されたStartup aquariumです。

VCのCoral Capitalさん主催の日本最大級のキャリアイベントでの出来事でした。

当時の記事についてはこちらをご覧ください。


私は現地参加しませんでしたが、このイベントの前からブースの一等地を狙うために各メンバーがメッセンジャーやDMを駆使し、さらに面談数でも1位を穫り2冠を達成していました。

みんなめっちゃいい顔しててお気に入りの写真↑

当時10人にも満たないスタートアップで、成果を残すためには泥臭さや狂気で物事を動かさなければ行けない瞬間があると思っていた私にとって、このようなイベントで着実に爪跡を残していく姿は、私の上記の不安を払拭することにつながりました。

オファーを受けた際に考えていた懸念点(自分マターのもの含め)をひとつひとつ整理し、出した答えはジョインするということでした。
答えを出すまでに時間はかかりましたが、個人事業主からこのアーリー・シード期のスタートアップにジョインすること、そして自身の感じていた医療現場の課題にまた向き合うことは私には相当のエネルギーと覚悟がいるものでした。

しかし、多くの医療DXのスタートアップ企業がありながら、偶然にもContreaに出会い、自身がずっと解決したいと思っていた課題とすべきことが一致したときオファーを断ることは選択肢にないと思ったのです。

ジョイン発表時のSlack。暖かく迎え入れてくれて嬉しいですね。いつもこんな感じでスタンプでわいわい盛り上がっています。

入社後半年の個人と部門の役割の変化

正社員としてジョインして目まぐるしく過ぎた6ヶ月、短いようで長く、長いようで短かった6ヶ月。

業務委託時代には、動画制作業務の一部を担っていましたが、入社を機に、当時の上長、吉川からの権限委譲が始まり、今では予算作成、制作企画、プレスリリース作成、ドメイン知識の研修企画、プロダクト改善やロードマップ作成のためのMTG参加、商談同席など多岐にわたります。

異職種転職についてはこちらの対談記事をご覧ください。↓

権限委譲と同時に、MediOSのプロダクト機能や今後の事業計画などのキャッチアップ、各チームのメンバーとコミュニケーションをとり関係性を構築し、夜はインターンと1on1をし、動画制作PJをすすめ、定例mtgでは現在落ちているissueについて議論し、、とあっという間に3が月が過ぎました。

私の入社により、メディカルチームが動画制作部門から役割を拡張していくという変化を遂げる移行期であり、部門の役割、機能を変えていかなければならない時期でした。

動画制作に関しては、今ではインターン生が中心となり動画制作フローを極限まで効率化させPDCAを回していきましたが、今後の部門のバリューアップを考えると私の入社から半年の間に動画制作を効率的に回すというフェーズからもう一つチームが成長していく事が必要と考えていました。

現在メディカルチームでは、インターンが中心となって、MediOSのプロダクトのひとつであるMediOS動画説明をさらに改善するための方法を考えています。

Contreaの動画制作の裏側についてはこちらをご覧ください↓

これをチームで「シン動画PJ」と呼び、インターン生を組分けし2ヶ月半の間ワークにそってContreaの現状把握とIssueの特定、ヒアリングをし、自分たちでプロダクトのどの部分を改善、アップデート、リリースすれば良いかを話し合い、最終成果物を全社に発表しCEOの川端、執行役員の吉川、西尾に評価してもらうというコンペ形式で行いました。

シン動画PJの中間発表の様子

インターン中心となって自分たちがつくっているプロダクトの価値や課題を考えることは、長期的に見たときに、部門のみならずMediOSの価値創出につながると考えています。

このPJを経て、メディカルチームが動画制作や予算作成をするフェーズから殻を破りながら、部門としてBizやプロダクト、そしてマーケティングの領域にも手を伸ばしプロダクトの価値創出を行っていくというフェーズにまた一段上がった感覚があります。

入社してからの数ヶ月は業務委託時代との自身の求められる役割の変化やスタートアップ独特のスピード感にとまどいながらも、なんとかその流れに、社内の少しの変化にもなんとか食らいつき、意思決定をしという時期を過ごしていました。

入社から6ヶ月たった今、このように自分だけでなく、部門の役割を定義しながら変えられることができているのは、このフェーズのスタートアップであるからという要因はあると認識しつつも、最大のバリューが創出できる布陣を組みながら、課題認識や目標設定をし思考を凝らした人の意思決定を尊重し、背中を預けさせてくれるというContreaの環境にあると思っています。

この6ヶ月の経験はContraへのジョインを決めなかったら、得られることはなかったものではないかと思っています。

今後も、個人として、部門として、会社として超えなければいけない壁、殻を破り大きく成長していかなければいけないフェーズがあると思いますが、この半年間での失敗や学んだことから再現性を持って進むべき方向に進んでいけば、大きく成長できるんだろうと考えています。

自慢の仲間と医療現場を変革する自信のあるプロダクトですので、気になる方はぜひお話しましょう。

お仲間募集中!

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