生きてこそって
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
映画を見て泣く。
こんなに尊く、大切だと思える行為をしたのはいつぶりだろうか。
スクリーンの映像に釘付けになり、
ポップコーンと飲み物が残る。
そうなってしまったことは、今まであっただろうか。
上映後、
隣にいた彼女に涙は見せまいと、首を上に曲げてみたが、視界が鮮明になることはなかった。
でも、隣の彼女の方が泣いていたから、きっとぼくが泣いていることに気づかなかっただろう。(気づく)
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
そんな尊くて大切な映画に、ぼくは出会った。
*
この映画の大枠だけ説明すると、
福原遥さん演じる高校生の「百合」が、戦時中の日本に"タイムスリップ"して、水上恒司さん演じる特攻隊員の「彰」と出会い、恋をするというもの。
観る前の感想としては、よくあるシチュエーションの映画だなと思った。(生意気ですみません)
タイムスリップした百合が、彰に惹かれていき、恋をする
↓
彰も百合に段々と惹かれていく
↓
そんな中で戦争が始まる
↓
百合は戦争に行ってほしくないと説得したけど、彰はそれを聞かず戦争に行ってしまう
↓
彰が戦争で亡くなってしまい、百合が悲しみに暮れる
ザックリとこのような展開を想定していたのだが、
実際には、
観てからのお楽しみということで。
(生意気にネタバレなんか気にするな)
そんな生意気なぼくが、この映画を見た次の日、改めてどんな映画だったのかなと考えていた時、
"タイムスリップ"
という設定が良かったなと感じた。
映画の冒頭にあるのだが、百合は学校に対しても、家族に対しても不満を抱えていた。
裕福とはいえない生活
クラスから孤立
大学進学か就職かの選択
色んな葛藤から、百合はイライラしていて、未来に希望が持てない、未来に希望を持ってはいけないとさえ思っているようだった。
そんな現状の中、ひょんなことから戦時中へタイムスリップすることになる。
戦時中というのは、明日生きているのかわからない状況で、いつ戦争に行ってもおかしくないし、いつ戦争の被害に遭って命を落とすかもわからない。
一方、現代というのは、戦時中よりは明日生きている可能性が高く、食べる、寝る、勉強する、仕事する、遊ぶなど、一定の安心感を持って暮らすことができている。
そんな単純な話ではないとわかっているけど、
不満を抱えながらでも生きていられること
仕事に行きたくないと思いながらでも仕事できること
勉強したくないと言いながらでも机と向き合えること
決してそれらは当たり前なことではない。
百合は実際に目の当たりにして感じていたけど、実際には経験していないスクリーン越しのぼくにも響くものがあった。
辛くて叫びたくなるような日々
逃げ出したくなるような日々
人それぞれ、色々な日々があると思うけど、
全部、生きてこそである。
叫べることも
逃げれることも
全部、生きてこそである。
SUPER BEAVERの「儚くない」の歌詞にもあるやつだ。
"生きてこそって"
いい曲なので、是非聞いてみてください。
あ、違った。(違ってはないけど)
映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
お時間ある方は是非見てください!
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