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「子持ちこんにゃく」から広がる国会議員の政治活動と日本国の関税政策

はじめに

子持ちこんにゃく→こんにゃく→議員連盟→関税と調べものしているうちに色々と面白いことが分かったので、頭の整理も兼ねて記載しています。

※2600文字くらい

本編

子持ちこんにゃくについて

「子持ちこんにゃく」というのを御存じでしょうか?めっちゃ簡単にいうと「こんにゃくに魚卵を練りこんだ食べ物」です。

上に乗ってるのはからし

僕はこれが大好物です。先日フォロワーと三人で居酒屋に行った時もメニュー表にあったので頼みました。もう居酒屋でメニューに載ってたら絶対頼みます。

しかし子持ちこんにゃくを見た二人の反応が「は?なにこれ?」でした。僕は子持ちこんにゃくというのは珍しくもないありふれた食べ物とおもっていたので、二人の反応を見て逆に「え?」となりました。

ただ、一応気になったのでTwitterで子持ちこんにゃくをフォロワーがどれだけ知っているかアンケートを取ってみました。「知らないのはお前らだけやぞ」と言うために。すると結果は…。

「嘘やろ?」と思ったのですが、よく考えたら子持ちこんにゃくのことよく知らないなとなりググってみました。すると判明したのが子持ちこんにゃくは広島県湯来町の名産品だそうです。つまりローカルな食べ物です。

そりゃ誰も知らんわ。

もしかして関東だと存在の認知すらされていない?

自分が知っていることは常識だと無意識に思い込んでいたいい例でした。反省しています。居酒屋で子持ちこんにゃくがメニューにあるところは珍しいんですかね?僕が海鮮系大好きでそういう居酒屋しか行かないからありふれたものと錯覚していたのでしょうか?

自民党とこんにゃく芋

政治の世界には「議員連盟」というものがあります。議員の中で同じ理念を共有している人たちの集まりみたいなものです。有名なのは「自民党たばこ議員連盟」や「日中友好議員連盟」が挙げられます。似たようなものとして「議員懇談会」というのもあります。

「いきなり何言ってんだコイツ?」と思われたかもしれません。これには理由があります。こんにゃく芋にもあるからです(書くの忘れましたが、こんにゃく芋はこんにゃくの原料です)。正式名称は「こんにゃく対策議員懇談会」というもので自民党内にある懇談会です。

こんにゃく農家の支援などを話し合うのが目的で、群馬県選出の国会議員を中心に活動しています。全国のこんにゃく芋の90%以上が群馬県で生産されているのが理由です。毎年5/29(こんにゃくの日)に会合を行っています。

「こんにゃく対策議員懇談会」とググって頂ければ、所属議員の活動報告を見ることが出来ます。かなり本格的に活動しています。

ちなみに食品関係では「自由民主党漬物振興議員連盟」というのもあります。少し調べただけですが、漬物の塩分濃度とかについて議論していました。

ちなみに、ちょっと話は逸れますがこういう議員連盟の数ってどれくらいあるの?については800以上もあるそうです。多すぎ。500以上も議連に参加している議員もいたとのこと。掛け持ちの王か?

なお、議連にもよりますが基本的に会費が徴収されます。

こんにゃく芋と関税

こんにゃく芋は昔は関税がバカ高く、かつては990%というもう無茶苦茶でやりたい放題の関税が課されていました。これには理由があり、安い海外産のこんにゃく芋を国産のものより高くするためです。生産者保護が目的です。

しかし現在はこの高関税率が撤廃され、40%になっています。現在は貿易自由化などもあり無税のものが多いなかで、40%もまあまあ高いです。これくらい設定しないと生産者を安価な海外産から守れないからです。

この40%の関税率は特別です。国の「関税割当制度、特別緊急関税制度」を受けています。昨年も農林水産省はこの制度を引き続きこんにゃく芋に適用するよう要望を出しています。

令和4年度関税率・関税制度改正要望事項調査票(適用制限のある関税制度の延長)

https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/tariff_reform/fy2022/nousui/2022nousui_09.pdfhttps://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/tariff_reform/fy2022/nousui/2022nousui_09.pdf

※この資料の方が本記事よりもすっきりとこんにゃく芋について纏まっていました。ご興味のある方はぜひご覧ください。

食料自給率が低い我が国に於いて、なんでもかんでも安いからと仕入れて国内の生産者の仕事を奪うのはよろしくないと個人的には思っています。政治とか詳しいことは分かりません。

もっとこんにゃく芋や関税について知りたい人のために

関税制度移行下におけるこんにゃく貿易の変容に関する一考察

https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030926551.pdf

こんにゃく芋の関税が低くなったことで国内産業はどう変化したか?外国産はどうなったか?を研究した論文です。こういうの調べている人いるんだな~と素直に感動します。

我が国の農林水産物の関税制度について

https://www.maff.go.jp/j/kokusai/boueki/attach/pdf/index-7.pdf

農林水産省の作成した関税制度に関する説明資料です。メチャクチャすっきりしていて分かりやすいです。これを覚えれば日常会話で出てくる関税の話題は全て対応できると思います。日常会話で関税のこと話すか?については不明。

おわりに

居酒屋で子持ちこんにゃくを食べてフォロワーから珍しがられたことがきっかけで、議員連盟や関税まで話が広がりました。身近なものでも調べてみると色々な分野を知る機会になるので良いですね。

なお、その次の週に同じフォロワーと飲んだ時に子持ちこんにゃくを再度オーダーし、本記事の内容を語りまくりましたが「う〜ん。子持ちこんにゃくは俺ええわ…」と言われました。

食べ物はやっぱ美味しさを伝えるのが大事なんだなという、一番大切なことを忘れていました。僕の頭はおかしいんだなと思いました。助けてください。

いらすとやに子持ちこんにゃくがあって「手広すぎだろ」と笑いました。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

以上

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