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『UN-GO〈全11話〉』感想メモ

見出し画像出典:UN-GO(dアニメストア)

こんな感じの話

・坂口安吾の作品を近未来風にアレンジした作品

・主人公結城新十郎とその助手の因果の2人で難事件を解決していく

感想のようなもの

メディアを牛耳り表向きに都合のいい事件の解決を披露する海勝麟六の裏で、それにケチをつけるように表向きにならない真実を解明する探偵結城新十郎と新十郎についてまわる助手のような因果の2人組が事件の解決に挑んでいくファンタジーミステリのような作品である。
近未来的な時代設定と因果の設定の部分がファンタジー要素であり、因果には相手に一度だけ一つだけ質問を答えさせることができるという力などがあり人ではないという設定がある。
新十郎と因果の間には、因果が人を食らわない代わりに新十郎は因果に御魂を与えるという契約があり、追い詰められた犯人などの御魂が渦巻くと因果が捕食体制ともいえる姿になるのが不気味でぞくぞくする。

序盤から中盤にかけては、一つの事件に対する都合のいい解決と表向きにならない真実という2つの推理が行われていくが、終盤には人ならざる別天王と因果の対決という様相になる。
しかし、序盤は推理ものであるとはいえどこか推理なんてどうでもいいと思っているのではないかと思わせるところもある。なぜかそこに違和感を感じない。

また、魅力的なキャラクターも多い。人口知性風守、現実に物語を描く小説家、怪しすぎる新人議員倉満といった読みにくい裏のあるキャラクターに注目してしまう。

1話1話に詰まっている情報が多いため、ストーリー全体としてのつながりがうまくつかみきれないところや散らばってしまっているような印象を受けてしまうところもある。だが、細やかな情報をつかめなくても楽しめる作品だとは思う。

自分は、謎めく世界観や後味悪く終わるエピソード。それに続くEDがけっこう好きだ。
坂口安吾の作品や推理ものとしてではなく、気持ち悪くもどこか美しい所のある不思議な世界観の作品としてこの作品を楽しんだ。

雰囲気アニメを楽しむが得意ではない人にはお勧めできない。

好きポイント

・豹変する因果

・ED

・キャラクターデザイン

こんな人におすすめしたい

・原作を読んだことがある人

・ファンタジー推理が問題ない人

・皮肉な作品が好きな人


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