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私の好きなもの

これと言って書くことが思い当たらないのだけど何かを書きたい気分なので私の好きなことについて述べようと思う。暗い文章が多かったので丁度いい。

好きなものは、と聞かれて真っ先に頭に浮かぶのは
朝井リョウと高橋みなみのラジオ「ヨブンのこと」だ。

上記の番組は2017年の1月からスタートし、今年の3月まで約4年間、日曜日の夜10時30分から放送されていた。

きっかけは元々、作家の西加奈子さんの本を愛読しており西さんが朝井リョウくんを含む作家さんと仲が良いということを知ったことだ。

あまりメディアに出られない西さん(作家の中では比較的アクティブな方なのかも)についての情報を得られるのではないかと思い聴き始めた。

初めは正直あまり意欲的に聞いておらず、惰性で流していた。

しかし、どのくらい聴いた頃かはわからないが毎週ヨブンのことを楽しみにしている自分がいることに気がついた。

朝井リョウくんの感性、そしてそれを的確に表現する言語化能力にとても惹かれた。

彼はしばしば自意識について話した。
おこがましいが、私は彼と同じように世界を見ていると感じた。

中でも一番好きな話は朝井くんが結婚を発表した時の話だ。

結婚とは主語を自分に置き換えることだ、と彼は言った。

他人と人生を共有することは何かしら制限がかかり我慢しなければならない部分も生じる。

そう言った時に、見返りを求めてそれに従えば、思った通りにならなかった時
あんなにしてあげたのに、と相手を責めることになる。

そうではなく、あなたのためにしてあげたではなく、自分がしたいからするのだ、と。

例えばあなたのために「自分が欲しいものを我慢して生活費を捻出する」のではなく「私があなたと暮らしたいから節約を頑張る」


当時、人に褒められるためにいい子でいることの窮屈さと、他人の評価由来で行動することへの不安定さを感じていた私は、漠然と考えていたことを言語化されてとても衝撃を受けた。



自分の好きなものが本当に好きなのか、それともそれを好きな自分が好きなのかわからなくなり苦しかった。勉強とバイトしか自分を正当化できなかった。だけどそんな私がヨブンのことは本当に好きだと自信を持って思えた。

ラジオが終わってしまったのは本当に悲しいけれど(二ヶ月くらいヨブンロスに陥った)私に好きなものを与えてくれたことにとても感謝している。
心から好きと言えるものが一つあるだけで人はだいぶ救われると思う。


今でも、趣味と呼べるほどのものは無いし何もすることがない休日に絶望感を味わうこともあるが少しずつ好きなものが増えている。少なくとも言語化の魅力に気づいたのは朝井リョウくんの影響が大きいと思う。

また、オードリーのオールナイトニッポンも毎週楽しみに聴いている。ヨブンのことがなければ出会っていなかっただろう。




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