一人が好きの代償

先日の記事にも書いた通り、10月に入ってから平日の午後は(水曜日以外)ほとんど実験をしている。
私は実験が得意でないので歯痒い思いをすることが多い。

特に昨日は自己嫌悪を強く感じたので、ここでどうにか消化させようと思う。

メンタルが揺らぐ状況はいくつかあったのだがその中でも特に、じっとりと拭えないでいるのは、自分で考えて行動できなかったことである。

実験は個々で行うものもあれば(内容は皆同じ)器具の関係上ペアで行うものもある。昨日、一昨日は個人で行うものだった。内容は簡単に言うと複数の有機化合物が溶解している有機溶媒からそれぞれを分離する液液抽出だ。初日(一昨日)は主に分液ろうとと適当な溶媒を使って分離し、翌日(昨日)はそれぞれの溶液に溶けている化合物をTLCにより同定するというスケジュールだった。

初日は19時過ぎまでかかったが、比較的独力で取り組むことができたし私なりによく頑張った方だと思う。
しかし昨日は途中、TLCの展開溶媒およびサンプル試薬を作る際に隣の席の女の子(A)に一緒にやらないかと誘われた。
事前にサンプル試薬は実験台で共有すればいいと先生から指示もあったし、私がTLC用のキャピラリーを作り置きしておらず明らかに不足していたことが誘ってくれた要因であるだろう。

キャピラリーを作る手間が省けるのは嬉しかったので(実験室のバーナーの火力ではガラス細工は中々に面倒である)誘いに乗ることにした。

Aとはこれまでにペア実験で一緒になることもあった。Aは多少不真面目なところもあるけれど頭の回転が速く要領のいい子だ。実際に行動を共にすると私はAのスピードについていけなくなることが多々あった。そして昨日も結局展開溶媒の作成をほとんど彼女に任せてしまって(しかも私は途中でキャピラリーを作り出すという奇行に走ってしまった)思考が停止してしまった。それがとても情けなくて悔しい。どんなに時間がかかっても、盛大に失敗して迷惑をかけたとしても私は自分で考えて正しいと思ったことをしたい。そうでなかったために自分の力じゃない、誤魔化してできるふりをしている様で自分のことがますます嫌いになってしまう。自ら思考せず、言われるがままに行動したり他人に答えを求めることは私にとっては最も避けなければならないことである。


・・・自分を責めるのは精神衛生上良くないのでこの辺にして。

さて、今回の発端はキャピラリーの作りおきをしなかったことにある。私がキャピラリーを十分持っていればきっとAは私を誘うことはなかっただろう。ガラス工房に予約を取りに行き来週の水曜日にキャピラリーを大量に作ることにした。

また次にもし誘われるようなことがあったとして、その内容が自分の力でやるべきことであれば誘いをお断りするのがシンプルな判断だろう。

大丈夫、私は失敗を繰り返さない努力をしている。



必要以上に落ち込むことは時間もカロリーも勿体無いのでここにて成仏。

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