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「デキる」新入生たちが、春休みに既に考えている、「たった2つのこと」とは?

大学に受かった人たちへ

大学合格おめでとうございます。

先ほど、東京オリンピックの延期が発表されました。

入学式は1か月ずれ込んだでしょうか。あるいはもっと伸びた、あるいはわからない、いずれにしても、大学に受かったあなたはいま、とても宙ぶらりんにあると思います。
その宙ぶらりんな感覚というのは、これからあなたを待っている時間のほとんどを支配します。少ない人であれば、4年間、あなたはその時間を手に入れました。

実家で飼ってる猫と犬です。写真の中に猫と犬がいます。探してみてください。

何のために大学に入ったの?という質問に、即座に答えられる方は、ここでこれを読むのをやめて大丈夫です。
「頑張れ」
以上です。

私は、10年前の私に向けてこの文章を書いています。
つまり、「何のために大学に入ったの?という質問に答えられない人」に、この文章を向けています。

最初に書いた、今これを読んでいるあなたが感じている、「宙ぶらりんな感覚」を、「モラトリアム」と言います。
いま初めてこの言葉に出会った方は、横文字かっこいいなと思ったでしょうか。英語の勉強で出てきた”moratorium”を思い浮かべたでしょうか。
ここで言う「モラトリアム」とは、”moratorium”のことではありません。「シャープペンシル」を直訳すれば、「尖った鉛筆」となります。しかし、私たちはシャープペンシルと聞いてそれを思い浮かべません。「シャープペンシル」といえば、シャーペンです。

それと同じように、「モラトリアム」とは、感覚であり、時期であり、そして、その期間の外側にいる人からはとても妬まれ、あまり良いように使われない言葉です。

ここでは一度、モラトリアムという言葉を、『自由を無価値にしたもの』程度に捉えておいてください。

つまりあなたは、いま、
とてもモラトリアムな状態でモラトリアムに襲われているがモラトリアムだからモラトリアムするしかできない。その状態こそがモラトリアムである。大学に入ったらなんか明るい未来があるのかもしれないがわからない、そもそも入学式のあとすぐに何かをやれる気がしない。
それは全て、モラトリアムの為せる技です。

(2010年4月10日18時26分撮影)
かっこいい講堂ですね

じゃあ何もしなければいいのか?と思ったかもしれません。
それはその通りなのですが、本当に何もしないとモラトリアムに価値を作ってしまうかもしれません。価値を作ることが悪いわけではないです。

どだい、すべての人間に、善悪で他人の時間を判断できる権利があるのであれば、大学など要りません。生まれる前からDNAに六法全書をプログラミングすればいいだけの話です。でもそうすると、そもそも六法全書がいらない世界になります。六法全書を使うのもまた人間、使われるのも人間、そしてこの世には六法全書並みに難しいことがたくさんあります。この世を難しくしていくもの、それが学問です。

大学とは間違いなく、学問を修める場所です。教養を身につける場所です。世の中にはいろんな存在の仕方があると学ぶ場所です。

しかしこのnoteでは、その「学び方」に関しては一切書きません。モラトリアムの中でできること、やっておくと良いかもね、ということを書いていきます。
参考になるかわからないし、おそらく参考にしない方がいいことほど、しっかり書こうと思います。

ただ、あなたの未来は間違いなく明るい。

改めて、大学合格おめでとうございます。

文章ばかりでは目が滑るかと思うので大学時代の写真を貼ってお茶を濁していきます。

中学の友人との伊香保旅行の帰路立ち寄った公園で撮った写真です。楽しそうですね。

序:第一志望に落ちた人、あるいは受かった人へ。

ほとんどの人は第一志望に落ちます。大丈夫です。「諦めて」志望校に行く人間はほとんどいません。煮え切らないままなんとなくなるものが大学生です。それでも外野から見たら大学生です。まずは肩書きがあることに安心してください。大学生というだけで世間はあなたに甘くなります。
周りを見渡すと、ダサくて覇気がない人間しかいないと、あなたはおそらく、入学式の3日後あたりから感じはじめます。大丈夫です。第一志望の大学に入れたとしても、あなたは同じような嫌気に襲われます。なぜなら、そういう目でしか世界を見られないからです。

⑴大学生という肩書き
⑵「そういう目」でしか世界を見られない自分

この2つをベースに、あなたのモラトリアムを育てていきます。「受験勉強という努力ができなかった自分」はこの際、無視です。仮面浪人なんかできるわけないからとっととやめちまえ!やったところで東大京大に入り直す以外はほとんど変わらない!そして仮面浪人して東大京大に入れる人間はまじでやばい!
今後、努力したほうがいいシーンはたくさんあります。できなかった努力をし直すより、なぜ努力ができなかったのかという自己分析に励みましょう。そもそも努力しないで済むならそれに越したことはない。

お前のたった1年の努力でお前が決定されるなら、お前はなぜ今後の長い人生を送るつもりでいるのか。

2011年当時好きだった女の子のマンションから撮ったものです。良い思い出になるとでも思っていたのでしょうか。

1:大学生という肩書きに守られること

既に入学金を払い込んだ大学が、今後数年間のあなたが棲む水になります。腹をくくりましょう。水を変えようとは思わないことだ。恨むならそこで上手く呼吸ができない自分を恨みな。そして大学の外というのはもっと呼吸がしづらい。

大学は自由です。大学にいる限り、少なくとも、「大学生である」という肩書きは、あなたの自由を守ります。

「巨人の星」という漫画をご存知でしょうか。僕は知っています。読まなくてもいいと思います、僕も読んだことないです。
その中に「大リーグ矯正ギプス」というものが出てきます。
大リーグ〜は、筋肉に普段からとてつもない負荷をかけて日常生活を送り、最初は日常生活に差し支えるが、それを装着して普通に生活できるようになる頃には、大リーグに入れるだろう、という代物です。

つまり、いま呼吸がしづらいあなたは、
「もしあの大学に入れていたら」「もしもっと勉強をしていたら」という方向に、脳のリソースを割いているということになります。
それはそれで大いに結構なのですが、その思考の仕方というのは癖になるし、60歳を過ぎても「俺は頑張れば○○に入れてたんだ」と言ってる自分を想像してください。
最悪、そんな奴に何も説教されたくないですね。その最悪を前もってやる必要はないです。

つまり、大学生=大リーグ矯正ギプス だと思ってください。「あー生き辛い」と言いまくりましょう。大学に入る前から言っておきましょう。

⒈生きづらいと言う
⒉自分の言葉に飽きる
⒊生きづらいけど、別の言い方とかやり方、無いかなと考え始める

の、3段階目に、早いところたどり着いておきましょう。それを社会に出てからやろうとすると普通に生きていけなくなります。

そして案外、人には人の生きづらさがあります。それを認めることから世界は始まると言ってもいいです。
自分が見下している世界の最底辺に自分がいる感覚を、早めに身につけてください。

大リーグ矯正ギプスの話は必要なかったな。

実家の犬です。

2:「そういう目」でしか世界を見られない自分を飲み込むこと

あなたはどんな高校生でしたか?僕は人気者でした。

というか、高校の人間たちは全員が全員自分のことを人気者だと思っていた気がします。ガラケーの画質に時代を感じますね。バイパス沿いのGEOで買ったソニーエリクソンの携帯で撮影したものだと思います。

さておき、高校というのはある程度、ソートされています。僕の高校は偏差値が63くらいなのですが、片田舎の偏差値63の人間の寄せ集めにすぎず、その中で偏差値を70に上げる人間もいれば、偏差値を57に落とす人間も、そもそも偏差を外れる人間もいます。
その中で、仲良くなったり、ならなかったりします。それは当然のことですが、高校というのはかなり友達と仲良くなりやすい環境です。

そして、僕が、偏差値ではない理由で高校に進んだ人間がいること(より専門的なことを学ぶ場所として高校を選ぶ人もいること)を知ったのは、大学に入ってからでした。

要するに、僕は、「偏差値という目でしか世界を見られない自分」でした。そしてそういう連中とばかりつるんでいたので(高校に落ちた/受かったにかかわらず)それを当たり前とすら思わずに過ごしていました。
別に、その自分を「なんて世界が狭かったんだ」と責めるつもりはないです。世界の広さと自分を同化できるのであればこの世に世界史というジャンルは必要ない。

その自分の世界の狭さ、視野の狭さを一度、飲み込んでください。三つ子の魂百までと言いますが、ティーンエイジャーの魂は千まで行きます。なので、それがまずかろうがうまかろうが、一旦黙って自分の偏見を飲み込みましょう。
幸い、大学で出会う人たちは、高校生だったあなたを知りません。飲み込んだものの正体も知りません。

自分は偏見にまみれた人間であるということを、都度、襲いかかってくる自分の偏見を飲み込み続けることです。しかし飲み込んでいてばかりでは胃が膨らんで、最悪死にます。
なのでアウトプットも必要です。

大学生活というものの正体はこの二つのサイクルで出来上がっていると言っても過言ではありません。自分の偏見に対処することが最も大切です。

実家の犬です。

3:最高のモラトリアムにするために実践するべきことたち

AKIRAの横に置くためにナウシカのボックスセットが欲しいなあと思いながら10年が経ちました。

とは言っても、「大学生という肩書き」と「そういう目でしか世界を見られない自分」というのは水と油です。このふたつが共存するということはあまりないし、難しい。でも確実に存在する。

ではどうしたら、その二つをシェイクして、一時的であれ、うまいことドレッシングのようなものを作れるのか。具体的な方法を示します。

①勉強をする

実家の猫です。母が還暦を迎える3年前の夏に母が庭で仔猫だったものを拾い、嫌々ながらミルクをあげていたところ、「母性が完全に復活」をしたのをきっかけに、飼うことにしたらしいです。僕と共に生活をした時期はないので、僕には全く懐いてません。

勉強をします。講義が面白かろうがつまらなかろうが、出席することには代わりがないわけです。講義中に誰かと喋るのはやめましょう。マジで時間の無駄です。
友達ができない、あるいは入学式で隣り合った人間と惰性で授業に出ているのであれば。
前者の場合は問題ないです。後者の場合もあまり問題ない。入学式の直後に喋る人間は、他の友人への可能性にすぎず、基本的に名前と顔を忘れます。

閑話休題。

勉強をするとはどういうことでしょうか。簡単です。真っ先に教室に入り、最前列ど真ん中に座ります。これであなたはiPhoneを弄れなくなりました。教鞭を振るう人の話を聞きます。おかしくない?と思ったところをメモします。講義後に質問にいきます。
一日の講義が終わって、バイトもなく、遊ぶ予定もない、なら、閉館時間まで図書館にいましょう。お腹が空くと思うので、生協でスニッカーズを一本買っておくといいです。

以上。

②留年を視野に入れる

選択肢として思い浮かんでも、親に黙っておくことです。

いずれにせよ後ろ指はさされる

③金を貯めない

学生のアルバイトというのは、社会からしたら、都合の良い労働力にすぎません。大学を卒業したら嫌でも金を稼ぐ羽目になるのであれば、出来るだけ働かないでおきましょう。
小学生の時の1ヶ月の小遣いを思い浮かべてください。それに匹敵する金額をいまは3日くらいで使っていると思います。社会に出て、金を稼ぐと、金を稼いでるなりに使います。
金というのは魔物です。使えば使うほど欲しくなるし、あればあるほど金のことを考える。

だからバイトは最低限に留めてくれ、頼む、テレアポで時給1100円で働いて、挙げ句の果てに「なんで数字取れてないの?」と詰められて、そりゃ時給1100円の人間に言うセリフじゃないでしょうと思いながら4年間も働くな!!!

今日び、自分の金で大学に通っていることは美談にはなりません。年間、国立ですら30万、私立では100万以上です。一人暮らしなら家賃も払うことになる。そこに、バイト代のいくばくかを注ぎ込んだとして、雀の涙です。
親に負い目を感じているなら、感じましょう。どうせいつか働くんだ、働いてから返せばいい。だから今はしっかりと確実に、目の前の時間を浪費することです。

フジロックとかに行きたいならバイト頑張りましょう。そういう金を親にねだるのはクズです。

東日本大震災の翌日にバイトの面接があったのですが、さすがに面接やらないだろと思って電話したら面接やるって言われて、面食らって、帰り際に窓から見えた新宿のビル群が綺麗で、「早くやめてやろう」と思いました。そういう時の写真です。


③煙草を吸う

喫煙所の罪悪感で妙な連帯が生まれます。誰もあなたを責めません。タバコ代もバイトして稼ぎ、そして大学を卒業したらやめましょう。やめたほうがいい。でも吸うなら20歳になった瞬間から吸ったほうがいい。23とかで吸い出すのはダサい。ダサいぞ!!!あとタバコの写真をSNSとかに上げるのもダサいぞ!!タバコ、そんな特別なものじゃないぞ!!!!
でも可能な限り吸うな!

私はヘテロセクシャルなのですが、好きになる女の子はみんなピースかハイライト吸ってるのはなんででしょうかね

④日の出のサイクルを把握する

始発の中央線各駅停車東京行きです。始発になっちゃいそうだな、というときは、始発からちょっと遅めの時間を目掛けて動くと、各駅停車で思ったより駅の数多くて、早く帰りたくてダルい、みたいなことを回避できます。

夜に寝て朝に起きる。それは果たして、動物として正しいことでしょうか?四季がめぐる日本に住んでいるのならば、日照時間や気候を把握できていなくてなぜ人間と自分のことを呼べるのだろうか。
日没と共に起き、日の出と共に眠る。それが、人間である前に動物である、私たちの宿命なのではないだろうか。
冬は夜が長いし、寒くて外に出られないのでなんとなく暗い気持ちになる。夏は、好きなだけ眠ったあとに起きて空を見て、それが朝焼けなのか夕焼けなのかわからなくなる。
そして、ご飯を食べたり食べなかったりする。夜に眠れなくなる。夜遊びをしようにも金がないから街を徘徊するようになる。金がなく、わびしい。なぜこの家にはベンツが停まっているのだろうか。私はベンツなどこの先買えないのではないのだろうかと不安になる。そしてだんだん自律神経がおかしくなる。

それからやっと、人は、「ああ、決まった時間に眠り、決まった時間に起き、三食食べることは、大切なのだな」と気付くのです。

真夏の朝、それはできれば二度と見たくないマジックアワーでもあります

⑤基本的に、大人の言ってることを信頼しない

大学生のときは大人どころか自分以外の全員をぶん殴りたくて仕方がなくて、一番ぶん殴りたい奴は自分でした。
今これを書いている自分は29歳で、19歳の自分に宛てて書いてるといってもいいのですが、19歳の自分は「気持ち悪い、死ねや」としか今の俺に言わないと思います。だから今これを読んでる当事者の人たちにも同じ気持ちになっていて欲しいなと思います。

お手!

⑥言葉を選ぶ

「真実」とか「価値」とか「本質」とか「意味」とか、そういう言葉を、絶対的な自明性があるものとして扱うのを直ちにやめろ、堕するぞ

今朝、タバコを吸いにベランダに出たら鳩さんとおはようございますしました。

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いかがでしたでしょうか?限りあるモラトリアム皆さん楽しんで過ごしてくださいね♪最後までお付き合いいただきありがとうございました!

卒業もおめでとう!

大学時代なんか絶対に戻りたくないね、最高は今(=グレイテストはナウ)だからね!

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