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ポエム: けもの

言うことをきかない獣が暴れている。

私は猛獣に乗りながら、落ちないように、この獣が暴走しすぎないように必死に手綱を引いている。

降りたい。手綱から手を離したい。でも、そうしたら自分に襲いかかってきそうで怖い。

そんな時は放牧すればいいとある人はいう。獣を放牧するのか。私には恐ろしい。そいつは私だけではなく、人も襲い始めるかもしれない。

閉じ込める柵があればいいのに。簡単に柵が作れる方法が知りたい。柵は目を閉じた時に完成してたりしないのだろうか。

醜い獣だ。憎悪の対象となるべき獣だ。羊等を襲い、牧場主の生活を脅かす。

何故そんな獣をわざわざ飼い馴らそうと、私はするのだろうか。怖いからなのだろうか。畏怖するからこそ、自らの管理下に置きたい、獣なんぞの一挙手一投足にビクビクと震えたくない。

管理が不可能だとすれば、どうしたら良いのか。如何にして不安を和らげるのか。獣の生態を深く知り、予防策や対処法を生み出すのがいいのか。あるいは運命を受け入れ、諦めてしまうのか。

狡猾で醜く恐ろしい、神出鬼没の獣。
明日は彼が暴れることがないよう祈る。

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