糖尿病 インスリンの種類編

糖尿病について今日もお話していきます。

今日はインスリン製剤についてのお話

インスリンは膵臓から分泌されますが、十分な量が分泌されない人は、インスリン製剤で外から補う必要があります。

インスリン治療が必要な人は?

●インスリン治療が必須な場合
・インスリン分泌がほとんどなく、生きていくためにインスリンの補充が必須となる人
・高血糖が原因で昏睡になっているとき
・重い肝臓の障害や腎臓の障害を合併しているとき
・重い感染症や外傷がある、中等度以上の外科手術を行うとき
・糖尿病合併妊婦、また妊娠糖尿病の方で食事療法だけでは血糖コントロールが不十分な方

●インスリン治療が望ましい場合
・インスリンが出にくく血糖値を適正な範囲内に保つことが困難な方
・内服薬だけでは十分に血糖値のコントロールをすることが難しいとき
・痩せ型で栄養状態が低下している場合
・糖尿病以外の病気で、血糖値が上がる治療薬を使用している場合
・緩徐進行1型糖尿病の方


インスリン製剤の種類

インスリン製剤は大きく6つの種類に分けられます。
●インスリン製剤の種類、■注射のタイミング、▲特徴、について簡単に説明します。

●超速効型インスリン製剤
■食事の直前に注射
▲インスリンの追加分泌を補う。注射後すぐに効き始め(10分〜20分)、食後高血糖を改善する。作用時間が最も短く3〜5時間。注射後すぐに食事をとらないと低血糖になるため注意が必要。

●速効型インスリン製剤
■食事の約30分前に注射
▲インスリンの追加分泌を補う。注射後30分〜1時間程度で効き始め、超速効型と比べてゆっくりと効く。作用時間は5〜8時間。注射後約30分以内に食事をとらないと低血糖になるため注意が必要。

●中間型インスリン製剤
■食事のタイミングに関わらず、1日のうち決まった時間に注射
▲インスリンの基礎分泌を補う。注射後ゆっくりと効き始め(30分〜3時間)、ほぼ1日(18時間〜24時間)効果がある。

●持効型溶解インスリン製剤
■食事のタイミングに関わらず、1日のうち決まった時間に注射
▲インスリンの基礎分泌を補う。ほとんどピークがなく、1〜2時間で効き始め、中間型よりも長く効く。ほぼ1日安定して効果がある。

●混合型インスリン製剤
■指定された食事の前に注射
▲インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。超速効型や速効型と、中間型インスリン製剤の混合製剤。食直前に注射するか、食事の30分前に注射するかは混合されている型(超速効型または速効型)によって異なる。

●配合溶解インスリン製剤
■食事に合わせて注射
▲インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。超速効型と持続型溶解インスリン製剤の配合製剤。指定された食事の直前に注射する。



裏話:病院では血糖測定やインスリン注射で使用されるインスリン製剤や針、消毒剤は患者さんの自己負担となりますが、老人保健施設では全て施設の負担となります。インスリン製剤の使用量が多かったり、血糖測定を何度もやらなければならない人は施設負担が大きくなるため利用をお断りされることがあります。針1本約100円。朝・昼・夕に血糖測定をするだけで300円以上。月1万円以上の施設負担となります。インスリン注射をしていたら更にお金がかかります。施設入所の際には血糖測定をやめてほしいとお願いする事が多々あります。



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