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市町村の好事例はあくまでヒント。地域特性を把握してオリジナルを作り上げる。ただ、やっぱり人かも… 腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会

9月28日開催の第4回腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会を傍聴しました。資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35304.html

今回の議事は、腎疾患対策がメインで
●自治体の腎疾患対策の取組状況ついて
●腎疾患対策検討会報告書(平成30年7月)の中間評価と今後の取組についてでした。
自治体の取組状況については、北広島市と熊本市からの発表がありました。

●他の分野の専門職も兼任で家庭訪問 東広島市

北広島市は現場の保健師の方からのご報告で、腎疾患専門医との連携、腎疾患についての勉強会によるスキルアップや対象者に合ったさまざまなツールの作成、健診結果から対象者の抽出、家庭訪問による保健指導・受診勧奨など。印象的だったのが、構成員からの質問で、家庭訪問する専門職が増えているが人員が増員されたのか、という問いに、母子保健や介護担当など分散配置されている人も含めて兼任で家庭訪問を担当しているそうです。

●継続性には、モチベーションの維持とインセンティブも 熊本市

熊本市では、CKD事業は15年になるそうです。熊本市CKDプロジェクト会議など、大学、医師会、行政のキーマンに働きかけ、連携を進めているそうです。
今回の発表で印象的だったのは、行政担当者の異動は事業転換の時期になるので、今まで担当していたその他の団体が「のり」の役割として、事業を継続させることが大切。また、事業に重要な役割を果たしている腎臓病療養指導士のモチベーションの維持(仲間づくり、活動の場づくり)やインセンティブ(ボランティアでなく金額の派生)についてなど、継続の工夫を多く知ることができました。

●好事例はやはりあくまで事業内容のヒント

こうした好事例の発表から、地域特性はありつつも、好事例から全国で横展開できる部分を見出すことが重要で、構成員からも
「家庭訪問を効率化するためにしていることは」
「保健師のスキルアップのためにしていることは」
「健診未受診者への対応は」
「事業継続するための工夫は」
「専門医とかかりつけ医の連携をどのようにしているのか」
「療養指導士のインセンティブはどのようにしているのか」
といった事業を属人化せず、事業を均てん化できること、継続性に必要なことなどの質問が多かったと思います。

ただ、発表を聞きながら、そうした意図とは反対に、発表者の東広島市の竹内さんの取組への真摯さ、熊本大学病院医局の桒原さんの継続のための複数の仕掛けへの意欲やアイデアなど、「人」の部分によることは強いと感じました。熱意って大切ですね。
もちろん、こうした多くの好事例を集めていくのは重要ですが、あくまでヒント。これらをそれぞれの地域のオリジナル(実情?)を組み込んで、事業を作っていくのかが重要ということになるのでしょうか。

●中間報告書は座長一任に

中間報告書案については、文字の一部修正の提案(エンドポイント→アウトカムに、指導という文言の追加)と、日本での腎疾患の創薬の発展などから世界における日本の腎疾患医療の位置付けを入れては、またCKDは糖尿病からの発症以外にも「多様な疾患」であることを入れてはという意見などが構成員から出ていました。
最後は、座長一任ということで了承がとれ、閉会となりました。近々に中間報告書が出るようです。

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