「月の魔力」A.L. リーバー 著、藤原美子 訳、東京書籍
著者はマイアミの精神科医で、月が人間の行動・感情にどのような影響を及ぼすかについて研究をし、明らかな関連性があることを突き止めた。
「バイオタイド理論」
月はその引力により、満潮・干潮を引き起こす。
人間の体内水分は80%。生体にも潮汐作用が起きているのではないか。
この「生物学的な潮汐」こそ、人間の行動と感情の鍵であり、このリズムを通じて生命体は宇宙と結びついている…
統計的な調査の結果、殺人事件の件数やハムスターの活動量は月齢と関係があり、主に満月と新月でピークを迎えることがわかった。
ただし、緯度によって周期が満月・新月から数日程度ずれることがわかった。
以下、今後の自分のために要約と引用をメモとして残しておく。
バイオタイドの鍵 ーー 体内水分
月のさまざまなサイクル
磁場と生物コンパス
磁場は生体に少なからず影響を及ぼしている。
動物 ーたとえば鳥、魚、カタツムリなど の方向感覚である。
これらの動物は、地球の電磁場に現れる微妙な手がかりを感知し、電磁模様にそって進むので、巣への長い道のりを誤らずに進むことができる。
この生得的な能力は、"生物コンパス"と呼ばれている。
生物コンパスに関する研究結果
・実験室で実験装置を180°回転させ、地球の電磁場に対する虫の方向性をずらすと、虫の方向感覚は狂ってしまった。
・地球磁場と同じ強さを持った水平方向の磁場を回転させると、昆虫や高等動物がそれに反応し、しかも、時間や月齢により反応が変化した。
様々な研究結果から、生体は、確実な磁気コンパスをもっていることがわかった。
月が地球磁場にもたらす影響
イリノイ大学医学部教授のウィリアム・ピーターセン博士は、30年にわたる研究の末、人間の生体リズムと天気との間に相関のあることを立証した。
太陽、月、星などのサイクルが変化すると、それにしたがって、人間の生体リズムや天気も変化することがある。
磁場による体内水分の変化
イタリア・フィレンツェの物理化学研究所所長だったジョルジオ・ピカルディ教授は、地球磁場を通して天体事象が水の物理的性質に影響を与えることを発見した。
電磁場による生命の統制作用
動物同士の情報伝達の4つのタイプ
①群をなしている動物が、同時に同じ動作をとるときにみられるもの。
これは、魚や鳥の群が同時に方向を変えたり、ある種の昆虫がすばやく同一行動をとることなどに現れている。
あたかも"1つの意志"でつながっているかのようである。
これは比較的距離が短い場合にかぎられ、微弱な信号でちょっとした情報を伝えるのに用いられる。
②比較的ゆっくりした信号伝達。
これは多くの動物にみられるもので、遠く離れた相手を見出す不思議な能力と関係がある。
③集団や一つの種の中で、電磁場により個体同士がゆっくり情報交換する方法。
④動物の群が周囲の電磁場と相互に関わりあいながら行動すること
大脳の中の"太陽"と"月"
2つの大脳半球はあるていど独立しており、左右の脳は感じ方や考え方がまったく異なる。
左("太陽")半球は直線的合理的に情報を知覚し、処理する。
右("月")半球では直感や形態的知覚がはたらく。
ヤヌス思考:
対立関係にある知覚や概念を融和させ、同時に扱うという創造的発想の方法。
宇宙から生物まで行き来する力
アインシュタインが確立しようとした統一場理論は、物理界に存在するさまざまな力を、単一の巨大な場の中の相互に作用し合う一部分として理解しようというものである。
つまり、あらゆる既知の力(核力、電磁力、引力)は分離不可能で、いつも一体となって作用しているという考えである。
統一場理論の考え方は、バイオタイドを理解しようとする際の助けになる。