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秋、金木犀

香りと記憶は密接につながり合っている
秋は大好きだけれど、金木犀の香りは切ない

金木犀の香りでいつも思い出すのは小学校の通学路
特段何か嫌なことがあったわけではないし、
学校は大好きだったのに

香りと共に思い出されるあの時の気持ちは、なぜか切ない
雨の日の薄暗い通学路、道路一面に散った金木犀が連想される

なぜだろうか

金木犀が香り出すと、秋が来た合図のような気がして
嬉しくなる

そんな気持ちも束の間、
少しすると金木犀の香りは切なさと重なる

誰もいない道で少しマスクを外してみると
金木犀の香りが私の中にいっせいに舞い込んできた

びっくりして慌ててマスクをつける
「助かった」と思った

感情は移ろいやすくて、
生き物みたいに新鮮で
その時の自分にしか持てないもの

でも時々、いつかの感情を思い出して
苦しくなったり嬉しくなったりする

そんなもんかあ、と朝の散歩で思った10月の初め
記憶は、匂いも連れてくる

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