2023年のリジェクトを振り返る
株式会社GENDAでモバイルエンジニアをしている ring と申します。
この記事はGENDA Advent Calendar 2023の3日目の記事です。
早速ですが、iOSアプリ開発者が避けて通ることはできないのが Apple からの審査リジェクトです。
本日は1年の振り返りとして弊プロダクトにおけるリジェクトの内容やその対応方法を振り返り、その中で得た学びの話をします。
この記事を読むことで様々なリジェクト事例とアプリ開発者が心がけるべきことが分かります。
App Store Reviewガイドライン
App Store Reviewガイドラインはみなさんご存知でしょうか?
端的にいうと、App Store にアプリを公開するために満たすべき基準・ルールといえます。
そしてこのルールは日々新しくなるという点に注意が必要です。
iOSアプリエンジニアはもちろん、iOSアプリ開発に関わる人は全員が目を通すべきものです。
アプリの新機能を開発をする時や機能改修をする際に App Store Reviewガイドラインを十分満たすものかを関係者全員が意識することは効率的なプロダクト開発へとつながります。
2023年のリジェクト事例
実際にどのようなリジェクトを受けたのか、ここでいくつかの事例をご紹介します。
Guideline 5.1.1(v) - Data Collection and Storage
会員登録などアカウント作成機能を有するアプリではアカウント削除を行う導線が必要となるがその導線がないという指摘でのリジェクトです。
指摘以前から、問い合わせより退会可能にはなっており、お知らせや規約に記載済みではあったもののそれでは不十分という指摘でした。そのため退会専用の導線を別口で設けるという対応を行いました。確かにその方がアプリ利用者にも優しいサービス設計だと思います。
Guideline 2.1 - Information Needed
NFCを使ったアプリや特殊なデバイスを必要とする機能を持つアプリの場合、 Apple のレビュワーが実機でテストをするのは困難なためその使用風景を動画におさめて審査時に添付する必要があります。
そのデモ動画が添付されていないことによるリジェクトでした。
デモ動画を作成して添付する対応を行いました。
Guideline 2.3.4 - Performance - Accurate Metadata
App Store のアプリ詳細ページに掲載されている動画キャプチャにiPhone端末の画像が含まれているという指摘のリジェクトです。
少し前まではこの制約はなかったと記憶していますが、今は明確にガイドラインに記載があります。
App Store Reviewガイドラインは日々アップデートされ、そのキャッチアップの必要性を実感するリジェクトでした。
リジェクトされた時のtips
私が思う Apple からの審査リジェクトを受けた時のベストな対応方法は2つあります。
素直に受け入れて修正を行う
バグ修正を含むなどの理由で今回の審査は通してもらい次回修正を行う
Apple からの審査リジェクトに納得がいかず、異議を申し立てても内容が覆ることはほぼ100%ありません。素直に受け入れて修正するのがリリースへの近道だと感じています。
2に関しては Apple から提案されるケースと自分から提案するケースがあります。
下記のようにリジェクトの通知と合わせて Apple から提案される場合はメッセージに返信して次回対応とするのが良いでしょう。
上記の提案がない場合でも次回の対応で OK となることもあるため今回はすぐに審査を通したいなどの特別な理由がある時は一度メッセージを送るのは効果的だと思います。
また稀にリジェクトの指摘を修正するのに大幅な工数がかかるケースがあります。その時は修正期限を数ヶ月ほど延ばしてもらうことが可能なこともあります。(その間の審査は該当の指摘は見ずに審査される)
まとめ
App Store Reviewガイドラインはみなさんぜひ読みましょう。日々アップデートされるので継続的なキャッチアップも必要です。
App Store の審査はレビュワーガチャの側面はあるものの、このガイドラインが基準になっています。
リジェクトされた時は無理に抵抗をせずに大人しく従うのがリリースへの近道だと思います。
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