塩サウナの達人

私はお風呂大好き人間である。
家のお風呂もいいけど、銭湯とか温泉とか、サウナとか岩盤浴とか…スパ系がとても好き。
しかし!私は目が悪いため、日頃メガネをかけて生活している。
そのため、銭湯などに行くと、メガネを外すため何も見えない。
メガネをかけていくと、当たり前に曇るし
お風呂の中はかろうじて大丈夫としても
サウナは高温になるため、メガネの着用は危険。
そうなると、裸眼で入ることになるのだが、全然見えない。
別に人の裸をみたいわけではないので、そこはどうでもいいのですが
今、自分が何の湯に入っているのか等の説明書きが一切見えない。
めっちゃ近づいて、すごい顔しないと見えない。
=めっちゃ不審者。
露天風呂なんて、景色も込みで最高なのに、それすら味わえない。
とても大好きな場所なのに、ストレスになるため、あまり行かないようにしていた。

さて、話は変わり…先日、誕生日を迎え 一つ歳をとった。
親の誕生日を祝った時に、「誕生日が来ると歳をとるから嫌だ」と言っていたことが今になってよくわかる。
世間一般的に言えば私の年齢は若い部類に入るだろうが、歳をとりたくないというフェーズに突入してしまった。
それでも、誰かに祝ってもらえる事はとても嬉しい。
ありがとうございますが溢れる。
そんな誕生日に、私のパートナーである旦那からプレゼントとして、お風呂用のメガネをいただいた。
いわゆるサウナメガネというもの。
私がプレゼントしてもらったメガネは、度数を測るオーダーメイドのメガネではなくて、老眼鏡のようにいくつかの度数がある中で、自分が一番見えやすいものを選んで買うタイプのもの。
店員さんも親身になってくれて、初めてのサウナメガネを獲得した。
それにより、大好きな場所だった銭湯に行きやすくなった。
これは行くしかない!ということで、私たちは新しい相棒と共に銭湯へ向かった。
(というわけで、銭湯に話は戻る。)
オーダーメイドのレンズではないため、100%とはいかないものの、裸眼よりは格段に見えるようになった。
かなり大きな進歩である。
そしてなにより、曇らない!これはかなりすごい。
サウナの中でも曇らないから驚き。
流石に露天風呂から室内へ戻った時は寒暖差で曇ってしまうが、自然には抗えないので致し方ない。
そうして私は久しぶりの銭湯を大満喫した。
昔の人は、家にお風呂がなかったりして、銭湯に入りに行く家庭が多かったらしく、子供は銭湯で人間関係やマナーなどを勉強していくと聞いたことがあるが、たしかにそうかもなと感じた。
たとえば、湯船に浸かる前はかけ湯をするだとか
使った椅子は水や湯で流すとか、元の位置に戻すとかもそうだ。
譲り合ってお風呂に入ったりするのもそう。
公共の場だから、綺麗に使うのは当たり前だし、うるさくしないとか、危ないから走り回らないとか…銭湯には叱ってくれる人がたくさんいるし、そういうことも銭湯では学べるんだなぁと感じた。
子供の頃はそれが学びだとは気づかなかったけど、大人になってわかるこの感じ。
そして、大人になっても学びがあった。
私が行った銭湯には塩サウナがあったので、入ってみることにした。
塩サウナといえば、中学生の頃一度だけ入ったことがある。
扉を開くと誰もいない。貸切状態だ。
とりあえず説明書き通りにやってみよう。
そして、気持程度の塩を身体に塗布し椅子に座った。
塩サウナは一般的なサウナと比べて、温度は低め。
サウナが苦手な人でも入りやすい感じだった。
貸切状態だった場所も、どんどん人が入ってくる。
そこにやってきたおばさんがすごかった。
入るなり、慣れた手つきで椅子に水をかけ
タオルを椅子にかける
そして、両手に大量の塩を抱えて、椅子に座った。
そして両足の腿の上に塩を置き、躊躇いもなく、それらを全身に広げてゆく。
さらに、下に落ちた塩たちで足の裏を擦っていた。
「すっ…すげーー!」
私はソロ活女子のススメというドラマが好きで観ているのだが、江口のりこさん演じる、早乙女恵のように、脳内ナレーション独り言が止まらなかった。
「なるほど、塩サウナはこうやって入るのか」
「塩サウナの達人すげーー」
「塩で擦ることにより、角質が綺麗になるのか?」
「マッサージもできてかなりいいのかも」
などとにかく脳内独り言がとまらない。
そのあと入ってきた人も、達人の方までは行かないものの、同じように大量の塩を抱えて、全身に広げていた。
私も同じようにやってみたいと思ったものの、先に入っている身。
真似してるとか思われたくないし、追加で塩を取りに行くのも恥ずかしい…と思ってしまい躊躇っていた。
一回出て、2回目に真似する?と考えたりしたが
達人の方である、そんな他人のことなど気にするわけがない。今楽しまなければ損では?という考えに行き着き、大量の塩を追加し、達人の真似をした。
なるほど。これが塩サウナというやつか。
まだまだ塩サウナビギナー、達人から言わせると、まだ塩サウナのことわかってないって言われるだろうけど、それでも塩サウナを満喫することができた。
出かたまでしっかり学び
ありがとう、達人。と心の中で礼を述べ
ほぼデビュー戦に等しい塩サウナは私にとって勝利に終わった。
塩サウナ以外にも、露天風呂はもちろん、いろんなお湯にも入り銭湯を満喫。
普通のサウナにも入り、そのうち整うというものを体感してみたいなぁと思いながら銭湯を後にした。
デジタルに支配されている私にとって、銭湯はまさにデトックスできる最高の場所。
見えないからと行くことスすら躊躇っていたけれど、文明の力を使い快適になったし
身体のコンプレックも、隠す方が目立つから堂々としてる方がいいこともわかった。
これからは定期的に銭湯や温泉に足を運ぼうと思う。
そして、それが長く続けばもっといいメガネを買ってもいいかもね。
一歩踏み出さなければ気づかないこと、たくさんあるんだなぁ。
それを気づかせてくれたサウナメガネよ、ありがとう!
そして、それをプレゼントしてくれた旦那、心からありがとう!
これからの人生、たくさんの場所に一緒に行けると嬉しいな。

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