第9回 『Electricity』from『BILLY ELLIOT the Musical』

わたし薛 珠麗(せつ しゅれい)、本業は翻訳家/演出家ですが、2012年から【英語で読むミュージカル】と題した講演活動を行っています。
ストレートプレイもミュージカルも手掛けてきた経験から、海外ミュージカルの英語歌詞を【英語戯曲】として読み解く__といった内容です。

それというのも、実は日本語の歌詞というのは、同じメロディに載せた時、英語歌詞の3分の1か4分の1の情報量しか入らないのです。

ミュージカルの英語歌詞を読み解けば、大好きなミュージカル作品との更に深く豊かな出逢いが、待っている‥‥!

こちらでは【英語で読むミュージカル】Webコラム版として、ミュージカルの名曲を【ほんの数行、時には1行】だけピックアップし、じっくり読み解こうと思います。

3か月間、毎週末の更新で、計12本のコラムをお楽しみください。
(尚、曜日は不定期とさせていただきます)


第9回は『Billy Elliot the Musical』より『Electricity』をお送りします。『BILLY ELLIOT the Musical LIVE』と題した舞台中継の上映が、銀座と六本木の映画館で始まりましたね。

2000年にイギリスで公開された(日本では翌2001年公開)のを皮切りに今も世界中で愛されている映画『Billy Elliot(邦題『リトル・ダンサー)』を、元々が舞台演出家である監督 Stephen Daldry (スティーブン・ダルドリー)が自ら演出、音楽にエルトン・ジョンを迎え、ミュージカル化した舞台です。

不況に陥りストライキの嵐が吹き荒れるイングランド北部の炭鉱町。11歳の少年ビリーは、ふとしたきっかけでダンスに目覚めます。先行き不透明な状況で生きていくのに精一杯、しかも「男がダンスなんて」という環境の中にあっても、ビリーの「踊りたい」という希求は彼自身にも抗えないものになっていきます。『Electricity』は2幕、とうとうロンドンのロイヤル・バレエ・スクールの入学オーディションに挑戦する際、投げかけられた「一つだけ聞いていい?ビリー。踊っている時、あなたはどんな気持ち?」という質問への答えとして、ビリーが歌い踊るナンバーです。

さぁ、お持ちの方はCDを流しながら‥‥
お持ちでない方は、YouTubeでみつけて‥‥
(本文の文末では「CDも動画もたくさんありすぎて、どれを聴いたらいいかわからない」という方のために、個人的オススメのご案内もしています!)

それでは、どうぞ!


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