第7回 『What I Did For Love』from『コーラスライン』

わたし薛 珠麗(せつ しゅれい)、本業は翻訳家/演出家ですが、2012年から【英語で読むミュージカル】と題した講演活動を行っています。
ストレートプレイもミュージカルも手掛けてきた経験から、海外ミュージカルの英語歌詞を【英語戯曲】として読み解く__といった内容です。

それというのも、実は日本語の歌詞というのは、同じメロディに載せた時、英語歌詞の3分の1か4分の1の情報量しか入らないのです。

ミュージカルの英語歌詞を読み解けば、大好きなミュージカル作品との更に深く豊かな出逢いが、待っている‥‥!

こちらでは【英語で読むミュージカル】Webコラム版として、ミュージカルの名曲を【ほんの数行、時には1行】だけピックアップし、じっくり読み解こうと思います。

3か月間、毎週末の更新で、計12本のコラムをお楽しみください。
(尚、曜日は不定期とさせていただきます)

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第7回は『A Chorus Line』(邦題:『コーラスライン』)より、『What I Did For Love(邦題:『愛した日々に悔いはない』)です。

『コーラスライン』は1975年にブロードウェイで初演。振付師であり演出家のマイケル・ベネットの発案よりブロードウェイのダンサーたちを集めてそれぞれの人生の物語を座談会形式でヒアリング、そこで出たエピソードを集めて【ブロードウェイ・ミュージカルのバックダンサーのオーディション】という設定のミュージカルへと編み上げた作品です。『What I Did For Love』は劇終盤、オーディションを受けに来ていたダンサーの一人が足を負傷したのをきっかけに、演出家(という役です!)が問いかける「今日を最後に踊れなくなったとしたらどうする?」という質問に対し、ダンサーたちから返ってくる答えといえる一曲です。

さぁ、お持ちの方はCDやDVDを流しながら‥‥
お持ちでない方は、YouTubeでみつけて‥‥

(本文の文末では「CDも動画もたくさんありすぎて、どれを聴いたらいいかわからない」という方のために、個人的オススメのご案内もしています!)

それでは、どうぞ!

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