また、一つ歳をとる
「そういえば、明日誕生日じゃん。」
友人から言われた一言に、「あぁ、ホントだ。」と返す私
自分の誕生日に関心を持たなくなったのは
いつからだったろう
小学校低学年くらいまでは、誕生日の1ヶ月も前から『誕生日プレゼントは何だろう』とか『ケーキは何味がいいかな』と、考えてはワクワクしていたものだ
一つ歳をとるのが誇らしくすらあったと思う
そんな、目を輝かせ心躍らせて待っていたあの頃と違って、今では、ただ訪れる日々の一つのように、自身の節目を迎えようとしていた
家族で過ごした誕生日と違い、今では恋人と過ごす誕生日を迎えようとしているあの頃とは、過ごし方も、誕生日に対する期待も、何もかも変わってしまった
そんな私も、あと1時間後には一つ歳をとる『何事もない1年だったらいいな』なんて、堅いことを考えながら、彼氏が買ってきてくれたケーキを一口
私以上に、私の誕生日を待っていたんじゃないかと思うくらい、ケーキやらプレゼントやらを準備してくれた彼氏に、少し嬉しくもあり、恥ずかしくもあった
「またこうして、彼氏と誕生日を過ごせたらいいなぁ」
こう呟いた私は、来年の誕生日が少しだけ、楽しみになりつつあった
2023年6月3日
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