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切り上げる位の数字が 0 の場合の切り上げ

非常に今更だが、数値の「切り上げ」について、自分自身、誤った認識を持っていた。具体的には「1,001 の百の位を切り上げるとどうなるか?」という問いの答えである。ここでは、百の位は 0 だ。なので、上げる要素がないので、この答えは「1,000だ!」と思っていたのだが、どうも違うらしい。この答えは「2,000」だ。

理由は「1,000 未満の数があるから。」ということだったが、私は、その説明では納得ができなかった。(当時の)私の考えはこうだ。「例えば、1,445 という数字があった時に、百の位を四捨五入したら、1,000 だが、一の位から百の位まで順に四捨五入していくと、1,450→1,500→2,000 となる。」

「つまりは、四捨五入においては百の位だけに着目しないと、その下位の位から順に四捨五入したら、結果が変わってしまうことがある。だから、切り上げも同じで、1,001 → 1,010 → 1,100 → 2,000 とやるべきではないのだ。」という考えだった。それで、まずは、EXCEL がどのような動きをするのかを調べたら……「2,000」になった。……やはり、私がおかしいのか?

そう。私がおかしかったのだ。もう、二度とこのような恥ずかしい思いをしないでいいよう、自分なりに整理してみた。まず、明らかにおかしいのは、「1,001 を切り上げるのに、どうして 1,000 へと数字が減ってしまうのか?」ということである。こういうのは、反対の事象を考えると理解が深まる。

逆に「切り捨て」について考える。「1,001 の百の位を切り捨てるとどうなるか?」という問いの答えである。この答えは「1,000だ!」。そう。ここでは、百の位とか言っておきながら、百の位以下の数字を全て 0 にしている。つまりは、{ n | 1,001 <= n <= 1,999 }においては、百の位を切り捨てたら n = 1,000 になるのだ。

これの逆を考えれば、すなわち、同様に{ n | 1,001 <= n <= 1,999 }について、百の位を切り上げたら n = 2,000 になる――つまりは、百の位以下の数字のいずれかが 0 でない場合は、切り上げて 2,000 になる――ということにしないと、「切り捨て」と「切り上げ」の言葉が対義語にならない。

もっというと、仮に「切り上げ」で、百の位の数字が 1 以上の時のみ繰り上げるのであれば、{ n | 1,001 <= n <= 1,099 }について、「切り捨て」と動きが正反対にならず、整合性が取れない。

ていうか、こんなややこしいことを考えず、単に、言葉の定義を見れば明らかだ。デジタル大辞泉によれば、「計算で、求める位未満の端数を、求める位に1として加えること。」とあり、上に書いたことがバカらしく思えるくらい、ド・ストレートな定義だった(笑)。

どうも、普段は「四捨五入」することが多く、その指定した位に着目しすぎる癖がついていたようだ。「四捨五入」の考え方は上で間違いないのだろうが、「切り上げ」では、その位だけを見るわけではないのだ。恥ずかしくて仕方がない。小学校からやり直したい。

余談だが、だいたい「百の位を切り上げる」という表現が誤解を招く。例えば、「千円単位に切り上げ」や「千円未満切り上げ」というような表現なら、上のような勘違いはしなかっただろう。

数字の間違いは、あとで尾を引く。これで今後は、変なトラブルを起こさないで済むだろう……。しかし、このような勘違いを起こすのは、私だけじゃないと思いたい。

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