マガジンのカバー画像

アメリカ ルート66を巡る旅

18
古き良きアメリカの面影を残すルート66。このマガジンでは始点のイリノイ州シカゴから終点のカリフォルニア州サンタモニカまでを旅しながら、沿道の名所を巡り、そこに住む人々やその場所の… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

アメリカ ルート66を巡る旅 18 カリフォルニア州 中部

ルート66を走る旅。ゴールが近づいてきました。モハベ砂漠を超え、峠を降り、いよいロサンゼルスに入ります。 <Victorville> ビクターヴィルの旧ルート66は、D Streetから7thStreetを辿ります。7th Streetが高速と交差したら道路名がPalmdale Rd.となります。この高速と立体交差する直前に左折しMariposa Rd.に入ります。高速と並走する道が旧道です。この道は結局州間高速15号線となります。15号で峠を下ります。 この峠道、以前は車

アメリカ ルート66を巡る旅 01 シカゴ

アメリカを東西に横断する大動脈、「ルート66」。この名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。あるいはアメリカ文学の傑作「怒りの葡萄」や映画「カーズ」、ドラマ「ルート66」、ジャズの定番「ルート66」などから、この道をイメージする方もいるかもしれません。 私は1995年から現在に至るまで、今は廃道となった旧ルート66を複数回、実際に走ってみて、さまざまな体験をし、感動し、人生の喜びを感じることができました。初めてのルート66の旅では、全行程を紹介する書籍やガイドを

アメリカ ルート66を巡る旅 02 イリノイ州 北部

前回は、ルート66をスタートしてシカゴから郊外の街まで走ってきました。今回は、いよいよルート66をGo West ! 西へ向かいます。(といってもイリノイ州内のルート66は南西向きに道路が走っていています。) <イリノイ州> アメリカ50州の中でも重要な州であるイリノイ州。日本人にはあまり馴染みのない州ですが、アメリカ3番目の町シカゴを有し、中西部でありながら進歩的な考えを持つ州です。奴隷解放をしたリンカーン大統領や有色人種初のオバマ大統領を輩出したこの州。都会シカゴでは、

アメリカ ルート66を巡る旅 03 イリノイ州 南部

今回は、イリノイ州の南部を走ります。この辺りでは、旧ルート66は州間高速55号線と平行して走っています。一部55号線と重なり塗りつぶされていますが、比較的旧道は残っていて、そこには古き良きイリノイ州の小さな町が健在です。急ぐ場合は、55号線を利用すれば効率的です。 <Springfeild> シカゴを出発して約200マイル。途中にブルーミントン、リンカーンという街はあったものの、久しぶりに大きな街に到着します。それがスプリングフィールドという街です。この街はイリノイ州の州都

アメリカ ルート66を巡る旅 04 ミズーリ州 東部

今回は、ミズーリ州の東部を走ります。ルート66は、シカゴからロサンゼルスまで全部で8つの州を走り抜けています。イリノイ州、ミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、カリフォルニア州と、まさにアメリカを横断する道路なのです。シカゴを出発したルート66はイリノイ州を南下、そしてミシシッピ川を渡り、いよいよ西に向かいます。ここから終点のロサンゼルスまではほぼ西へ走ります。 前回までは、始点の州であるイリノイ州を紹介しました。イリノイ州は大都市シ

アメリカ ルート66を巡る旅 05 ミズーリ州 西部

今回はミズーリ州の西部を走ります。州間高速44号線の脇を並走する旧ルート66を走り続けていきます。治安の悪い都市・セントルイスが恋しくなるほど、延々と森が続きます。この辺りにはその森の中に寂しく小さな町がポツンポツンと点在しています。そして町と町の間隔も段々と広がっていくのです。 鬱蒼とした森が続き、なんとなく気分も暗くなりかけていた頃、遂に広大な平野が現れました。終わりがないと思われていた森林地帯が終了し、視界はとても広く開け、気分も上がります。 地図でみると、しばらくは

アメリカ ルート66を巡る旅 06 カンザス州

今回はカンザス州を走るルート66についてです。 ルート66を東から西にトレースする旅、ミズーリ州を終え、遂に3つ目の州に入ります。といってもルート66はカンザス州の南東部をちょっとだけ掠っているだけなのです。30分弱で通り過ぎてしまいます。「オズの魔法使い」の景色が広がるカンザス州に行くわけでもなく大都市のカンザス・シティを通るわけでもありません。アメリカの田舎の風景を見ていると、すぐに次のオクラホマ州に入ってしまいます。 では、前回の最後に立ち寄ったミズーリ州ジョップリ

アメリカ ルート66を巡る旅 07 オクラホマ州 東部

カンザス州バクスタースプリングスを抜けると州道69号線がかつてのルート66です。何もない真っ平らな大地を一本の舗装路がひたすら伸びていて、途中にはたまに集落がありますが、それは街と呼ぶにはあまりに小さすぎ、店舗もほとんどなく、ただただ広い草原が続いていきます。 ルート66を旅する人のほとんどは、 Catoosaまでは州間高速44号線を利用してしまいます。それほど旧ルート66には何もありません。そんな平原を走るところからオクラホマ州は始まります。 *コラム:オクラホマ州*

アメリカ ルート66を巡る旅 08 オクラホマ州 西部

オクラホマ州の東部を走り、セントルイス以来の大都市、オクラホマ・シティに向かいます。オクラホマ州は、真っ平らな平原(グレートプレーンズ)の中心に位置します。平原ということは竜巻が起こりやすいということ。南のメキシコ湾からの熱風とカナダからの冷たい風がぶつかることで竜巻が起こります。ここ数年は温暖化の影響で強いトルネードの発生回数が増えていますので、春から秋にルート66を旅する方は、竜巻警報に注意してください。 今回はOklahoma Cityからオクラホマ州とテキサス州の州

アメリカ ルート66を巡る旅 09 テキサス州 東部

ルート66の旅、遂にテキサス州に入ります。アメリカを横断するルート66がアメリカの南にあるテキサスを通っているのを不思議に思う方もいるかもしれません。ルート66は、シカゴからイリノイ州を南下し、ミズーリ州セントルイスからひたすら西に向かいます。そして、カンザス州、オクラホマ州を抜け、ニューメキシコ州に入ると思うのですが、テキサス州の北端を横切ることになるのです。テキサスというとメキシコとの州境、南米、カウボーイ、ヒューストン...いろいろとイメージが浮かびますが、それらのイメ

アメリカ ルート66を巡る旅 10 テキサス州 西部

ルート66は寂しさばかり感じるテキサス北部を東西に走っています。中間に唯一と言ってもいい町・アマリロがあります。今回はアマリロを出発し、その西側を紹介します。 <Amarillo> アマリロは、オクラホマシティを出発してから久しぶりの街です。オクラホマシティから西、ルート66沿いには集落がポツンポツンと現れます。それは小さいもので、立ち寄っても最低限の施設しかなく心細くなってきます。そんな中見えてくるのがアマリロ。といってもそれほどの都市ではなく今までよりは大きいという感じ

アメリカ ルート66を巡る旅 11 ニューメキシコ州 東部

ルート66の旅、今回はニューメキシコ州の東部を紹介します。ニューメキシコ州という州は日本ではあまり聞かない地名だと思います。ここはアメリカ中西部に広がるグレートプレーンズとロッキー山脈から続く高地の境です。テキサス州からニューメキシコ州に入ると時計を1時間巻き戻し、段々と標高が上がっていきます。それまで砂漠だった土地に木が増えてきて、それは広大な森になります。そして気温も徐々に下がっていくのです。景色が砂漠から森に変わる境目でポツンとTucumcariという町に出会います。

アメリカ ルート66を巡る旅 12 ニューメキシコ州 中部

山脈を避けサンタ・ロサから大きく北に迂回した旧ルート66は、サンタ・フェの町の南側を通りアルバカーキを目指します。皆さんもサンタ・フェという町の名前を聞いたことがあると思います。今回はこの街からスタートしましょう。 今回はニューメキシコ州のラス・ベガスからアルバカーキまでの200km、車で約2時間30分を紹介します。 <Santa Fe> ここは、アメリカができる遙か前からネイティブが町を築いていた場所です。プエブロ風と言われる土でできた建物があり、独特の文化を守っている

アメリカ ルート66を巡る旅 13 ニューメキシコ州 西部

シカゴの起点を出発しニューメキシコ州アルバカーキまでやってきました。とても長い旅ですが、各町にはそれぞれ色があり、住人の生活があり、日本では伝えられていない「真のアメリカ」を感じるものとなりました。日本人向けのパッケージツアーやガイドもないので、実際にルート66を旅することは簡単ではないかもしれませんが、短期間のツアー旅行では得ることの出来ないものを心に溜めることができました。 さて、今回もニューメキシコ州を紹介します。前回までは、テキサス州からニューメキシコ州に入りツゥク