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アメリカ ニューイングランド New England USA

今回は、ニューヨークから日帰り〜数泊で行けるニューイングランドの旅を紹介します。
ニューイングランドとは、マンハッタンのすぐ北にあるコネチカット州からメイン州までのアメリカ北東部6州を指します。
ここは、アメリカ合衆国で最も古い地域であり、入植時イギリス人が中心だったことから「新しいイギリス」=「ニューイングランド」と呼ばれるようになりました。
この地名、日本ではニューイングランド・クラムチャウダーが有名ですね。まさに、この地域で作られる魚介スープです。
このあたりは、アメリカ建国の歴史の場所です。イギリスから渡ってきたメイフラワー号は、プリマスという漁港につきました。そしてボストンを中心にアメリカは発展していったのです。
歴史を辿る旅も面白いのですが、私のおすすめは秋のバーモント州あたり。ニューイングランドの秋の紅葉が見事です。秋にドライブするだけでとても印象に残る旅になるでしょう。秋以外では海沿いの歴史ある海岸や冬の雪景色もきれいです。バーモントには有名なスキー場がたくさんあります。
マンハッタンからは電車でもレンタカーでも簡単にアクセスでき見所が多いのですが、どういうわけか日本人観光客はほとんど見かけません。時々日本語が聞こえるのですが、彼らは在アメリカ日本人です。おそらく日本語のガイドやツアーがないのが理由でしょう。

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アクセス
車で行くことをお勧めします。電車やバスはそれほど本数がおおくないので、自由に観光するにはレンタカーがベストです。ニューイングランドは、特別重要な目的地がある訳ではありません。のんびりと車でこの地域を走り、美しい景色が現れたら車を降り散策するのが旅のスタイルです。そういった意味でも、きちんとスケジュールを組むことなく旅するのがいいのではないでしょうか。
コースト沿いには電車が結構走っているので、ニューヨーク=ボストン間であれば電車での旅もいいでしょう。

では、ここからニューイングランドの見所を紹介します。
まずはニューヨークから海岸沿いをボストンまで行ってみましょう。

ミスティックの美しい港

<ミスティック/コネチカット州>
ニューイングランドの海沿いを車で走ると、映画「魔女の宅急便」に出てくるような懐かしいアメリカやヨーロッパの風景が続きます。このあたりは昔捕鯨の町として栄えたそうです。その中にミスティックという町があります。この町にはかつての捕鯨港が観光地化され残っています。「ミスティック・シーポート」という施設には、昔の衣装を着たスタッフが、アメリカ開国当時の生活を見せてくれます。蒸気船で港を一周するととても美しいニューイングランドの景色を見ることができます。秋になると収穫祭が行われます。ミスティックで有名なのはクラムチャウダー祭りです。クラムチャウダーは日本ではみそ汁に近いのではないでしょうか。町毎にブースが設けられ、それぞれの町自慢のクラムチャウダーが並びます。観光客は、一杯1ドル程度のクラムチャウダーを食べ比べるのです。
タイプスリップしたような暖かくて懐かしい町、それがミスティックです。
ちなみに「ミスティック・ピザ」という映画がありましたが、この映画の舞台はこの町です。

ハートフォードのスカイライン


<ハートフォード/コネチカット州>
コネチカット州の州都でもあるハートフォードは、どこか懐かしい面影を残した歴史の町です。この町にはとても美しい建築物がたくさんあります。州の建物やステンドグラスがある教会など、建築物を見てまわるだけで1日過ごせます。
ハートフォードには、アメリカが誇る作家、マーク・トウェインの家や博物館があります。「トム・ソーヤの冒険」「王子と乞食」などのアメリカ文学好きには必見の場所です。

ニューポートの港

<ニューポート/ロードアイランド州>
様々なイベントが行われる海沿いの美しい町です。ここでは、自転車を借り海沿いを走ることをおすすめします。1980年代に建てられた豪邸が森に中に佇む風景は古き良きアメリカのイメージそのままです。このあたりをのんびりと散策し、気が向いたレストランやバーに立ち寄るのは優雅で楽しい時間です。ニューポートには、3つのワイナリーがあり、どこも一般に開放しているのでワインテイスティング・ツアーもできます。

ケープ・コッドから出港するホエール・ウォッチング

<ケープ・コッド/マサチューセッツ州>
ボストンから東に長くのびている半島です。ここは、ホエール・ウォッチングが有名です。いくつかの船が出ていて、船によってはクジラを見れなかったら料金を返還する保証制度があります。ただ、クジラを見られる期間は決まっており夏から秋にかけてだそうです。私は6月末にいきましたが、クジラを見る前にたくさんのイルカの群れに出会いました。その光景はとても驚かされました。クジラは親子がのんびり泳いでいて、船に接近してきました。クジラもなれたものでしばらく船と並走して遊んでいました。
この町に来る人のおおくはクジラ目当てですが、釣りにも最適な場所です。かなりおおくの種類の魚が釣れるようで、ボストンからは釣り専用の船がでています。町はそれほどおおきくなく風が強いです。夏でも朝晩は寒いのでコートなどを持っていった方がいいと思います。

ボストンの中心部

<ボストン/マサチューセッツ州>
ニューイングランド最大の都市です。ボストンについてはおおくのガイド本が出版されているので、ここでは紹介を控えますが、ボストン近郊の島やジョン・F・ケネディ博物館など日本人観光客があまり行かないポイントがあります。

ボストンからさらに北に行ってみましょう。美しい海岸線はさらに自然が豊かになり、港では漁業が盛んなことがわかります。船は日本の漁師さんの乗る船よりも可愛いデザインで、漁師さんも大きな分厚いビニール製のエプロンをつけて働いています。この辺りは様々な魚が撮れるそうですが、人気はロブスターのようで、どの街でも大きなロブスターが茹でられているのを見かけます。

<セーラム/マサチューセッツ州>

ボストンの北にある小さな町、セーラム。ここはかつて魔女狩りが行われた場所です。1692年に起こったこの事件は映画にもなったのでご存知の方もおおいでしょう。今でも魔女狩り伝説話題になっており、町にある魔女博物館には沢山の観光客が来ています。
ちょっとファンタジー化されたイベントに疑問を感じますが、地元ではまじめに当時のことが議論されています。
ウィノナ・ライダー主演の「クルーシブル」はここで起きた魔女裁判を描いています。

<サウスコースト/メイン州>
メイン州に入ると急に寂しくなるのは私だけではないはずです。人口も減り景色は北欧のようになります。針葉樹が増え湖が無数にあることがわかるでしょう。個人的には、スティーブン・キングの小説の舞台がメイン州だという偏見があるかもしれません。実際にキング作品の多くは舞台がメイン州で、彼の作品を原作とした映画やドラマもメイン州で撮影されています。
メイン州は、大人が静かに夏を過ごす場所のような気がします。静かなビーチを歩いたり、暖炉のある部屋でのんびりと休暇を過ごすのに適した場所です。

ニューイングランドの奥にはバーモント州とニューハンプシャー州があります。地図で見ると双子のような週ですが、実は行政の差がはっきり出ている週です。州境に行くとバーモント州は看板も少なく、美しい森と豪華な邸宅がたくさん建っていることが分かります。ニューハンプシャー側にはたくさんの看板と、老人の姿をよく見かけます。この2州は、バーモントがお金持ち優遇、ニューハンプシャーが福祉の州といった趣があるのです。

冬のキリントン・マウンテン・ロッジ

<キリントン/バーモント州>
アメリカ東海岸で自然を満喫するというとバーモント州をあげる人が多いです。バーモント州にはいくつものリゾート地が点在し、ニューヨークやボストンからの客が宿泊し自然を楽しんでいます。夏は川下りやサイクリング、トレッキングのコースも充実しています。冬になるとスキー場でスキーが楽しめます。釣りは春から秋にかけてがいいでしょう。大きなトラウトが簡単に釣れます。
キリントンは、こういった様々なアクティビティに対応した高級リゾートです。ここにあるキリントン・スキー場は東海岸では大きなスキー場で、コースがたくさんあり何日も楽しめます。近くにはいくつもロッジがあり、地元で採れた食材を使ったシチューなどの料理やそれぞれの店で焼いたパンでもてなしてくれます。夏でも朝夕は寒いので暖炉がついている部屋も多いです。夜、暖炉に灯を入れてパチパチと木が弾ける音とともに過ごす時間は素晴らしい体験となるでしょう。


宿泊>
ニューイングランドには、チェーンホテルではないこじんまりしたすてきなホテルが点在しています。こういうホテルに泊まると古き良きアメリカを感じることができます。食事も美味しいですし地元の心優しい人々tに触れることができアメリカのイメージが変わると思います。
おすすめのホテルをいくつか記しておきます。

ニューハンプシャー・リゾート
ニューハンプシャーにある小さなホテルです。ニューハンプシャー州には美しい自然が残っており、隣のバーモント州よりも庶民的な雰囲気が漂っています。大きなリゾート地や観光地はありませんが、このホテルをベースに釣りをしたり野山を散策するのが楽しいです。特に秋の紅葉の季節がおすすめです。
ニューイングランド・イン
Route 16A Intervale Resort Loop
Intervale, NH 03845
http://www.newenglandinn.com/
ニューハンプシャー州にあるInnタイプのホテルです。山の中に広がる長閑な宿泊施設です。内装はロッジ風です。その中にジャグジーやプールがあり実は近代的で清潔です。過ごしやすく長居したくなるかくれた宿です。

日本から直行便があるニューヨークやボストンからすぐの場所にある美しい観光地、ニューイングランド。数日あれば、ホエールウォッチング、釣り、トレッキング、スキーなどが楽しめます。都市部の観光だけでなくこれら自然との対話を組み入れることで、海外旅行がより思い出深いものになるのではないでしょうか。



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