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ニュージーランド航空 国際線 ビジネスプレミア

Air New Zealand Business PremierClass (Fall 2013)

今回は、日本とニュージーランドを結ぶ唯一のエアライン、ニュージーランド航空のビジネスクラスのついて記します。現在、日本とニュージーランドの定期直行便は成田ーオークランドのみの運航です。繁忙期になると成田ークライストチャーチ、関空ーオークランドの臨時便が出ることがあります。
南半球に位置するニュージーランド。日本との時差は3時間で、地図を見ると近そうに感じますが、実は結構遠いのです。片道10時間も飛行機に乗らないと到着しないのです。ニューヨークやパリと距離的にはあまり変わらないということになるのです。そのために移動機内でのホスピタリティはニュージーランド旅行の重要なファクターとなります。今回は、成田ーオークランド便のニュージーランド航空の機材、サービスはどうなっているのか、詳しく解説していきます。

予約
チケットは直接ニュージーランド航空のウェブで予約するか、旅行代理店経由で入手するかになります。ニュージーランド航空はスターアライアンスに加盟しているのでANAの予約電話からも購入できます。
驚いたのは、金額の差です。特に夏は観光客が多いので価格の変動が大きいです。そして繁忙期は購入する場所やタイミングでも大きな変動がありました。同じ日の同じ席でも価格差が生じますので、ニュージーランドにアクセスする場合はいくつか調べた方が無駄は出費を避けられます。

ニュージーランド国内を移動する場合は、同時に国内線のチケットも手配しましょう。国内線は別で購入するよりかなり安くなります。
国内移動は鉄道やバスがありますが本数が多くなく不便です。移動は航空機が便利です。

チェック・イン
ニュージーランド航空はスターアライアンスの各空会社が集結する成田空港第一ターミナルから出発します。受付はニュージーランド航空専用カウンターとなります。係員はANAスタッフが担当しており気持ちよくチェックインできます。ただANAカウンターよりも簡素な説明です。ラウンジの場所や出国の仕方、荷物の制限などは説明がなかったので、わからない場合は自分で聞いてください。注意するポイントは、通常ANAビジネスの場合、預け荷物は32kgまでですが、ニュージーランド航空の場合は23kgまでです。23kgを越えると超過料金を支払わなければなりません。ニュージーランドは入国の際、食物の流入に神経を尖らせているので、スーツケースに食べ物は入れておかない方が安心です。入国の際、虚偽申告すると大変面倒なことになります。

ラウンジ
ラウンジは、第4サテライトにあるANAのビジネスラウンジを利用します。スターアライアンスが集結しているターミナルだけあって夕方は混み合っています。混んでいる場合は、距離がありますが第5サテライトにあるもうひとつのANAラウンジに行くのがいいでしょう。スターアライアンス・ゴールドメンバーであれば第3サテライト入り口にあるユナイテッドのラウンジに入ってしまうのも良いでしょう。
ANAラウンジは、JALのラウンジに負けないように食事のグレードが良くなっています。人気のヌードルカウンターではそばやうどんの他、カレーも常備されています。酒の種類も豊富ですので、ラウンジで食事を済ませ、機内では食事をしないということも可能です。
オークランドではニュージーランド航空のラウンジが利用できます。席は375席用意されているので、混んでいても座れます。ブッフェの食事サービスがあります。料理の味は普通です。アメリカのラウンジと比べると美味しく感じます。日本のラウンジほど豪華ではありません。WiFi完備、トイレやシャワーもあります。

機材
2021年の秋の時点でニュージーランド航空は1つの機材を使っています。ボーイング787-9です。ビジネスクラスはヘリボーン式の座席で、1-1-2のシートです。ニュージーランド航空にはファーストクラスの設定がありません。ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3タイプの設定となります。プレミアムエコノミーとエコノミーは座席自体は同じでシートピッチが異なります。
ビジネスクラスにはトイレが3つあります。

シート
ヘリンボーン式
ヴァージン・アトランティック航空やエア・カナダのビジネスクラスと同じシートです。このシートの特徴は、全席通路に面していることと長さ2メートルのフルフラットベッドになることです。通路に対して座席が斜めに並んでいて、それぞれに適度な高さの壁があります。キャビン全体を上から見ると魚の骨(ヘリンボーン)のように見えることから、この名で呼ばれるようになったそうです。最近JALやANAが導入した個室感覚のシートと比べるとシート幅が狭いですし、モニターが小さいという問題がありますが、それ以前の2-2-2のビジネスクラスのシートと比べると快適です。
このシートのメリットは、隣の人を気にすることなく通路にアクセスできることに尽きると思います。トイレに行く際はとても楽です。そしてフルフラットのベッドになるのも良いのです。
シートにはUSB端子、ベッドライト、アメニティキット、ヘッドフォンが装備されています。

機内エンターテイメント
オンデマンド式のエンターテイメントシステムを装備しています。ただ最近の他社のビジネスクラスと比べるとモニターは小さく11インチのHDとなっています。
シートに備え付けのガイドを見ると視聴できる映画や番組が載っています。基本英語、日本語は変なフォントで紹介されており、どの作品に日本語字幕が入っているのかなど我々日本人にはわかりにくいのが残念です。私ががっかりしたのは画質です。これで映画を見ようとは思いませんでした。映画がお好きな方でしたら是非、事前にiPadなどに映画をダウンロードしておくことをお勧めします。

食事
ネットではニュージーランド航空の機内食は美味しいと記されていることが多いのですが、私はそうは思いませんでした。ビジネスクラスなのに必要最低限の食事です。特に和食が弱いと感じました。日系航空会社のエコノミーの料理を皿に盛りつけているだけという印象です。これは行きも帰りも同じです。折角ニュージーランド航空に乗るのですから肉料理をお勧めします。とても美味しいという訳ではありませんが、和食に比べると良い方だと思います。

以下、あるフライトのメニューを載せておきます。
・前菜
鹿ヒレ肉のグリル クマラクリスプ、レッドオニオン、スモークチリ、ミクロハーブ添え
スマックスパイスをきかせたローストサーモン、キヌアのサラダ タヒニ(練りごまペースト)のヨーグルトドレッシング掛け
・ベーカリーより
紫小麦ロール、ガーリックブレッド、サワードウブレッド、チャバタブレッド
・メイン
ラムすね肉(ラムシャンク) ゴールデンクマラのマッシュポテト、インゲン豆、ホウレンソウと豆の和え物 ミントとりんごのゼリーを添えて
ムーア風チキン 香辛料を使ったサフラントマトブイヨン、白いんげん、シナモンでローストしたかぼちゃのホムス(ヒヨコマメのペースト)を添えて
味噌とココナッツのブイヨンに漬けたハプカ(ニュージーランドオオハタ)のグリル しいたけご飯、カイラン(中国野菜)、新鮮なコリアンダーサルサを添えて
パースニップ(白ニンジン)と黄色エンドウ豆のスープ 炒めたコーンとマスタードシードのレリッシュ(薬味)を添えて
・デザート
ホワイトチョコとローズウォーターのパンナコッタ ピスタチオクリーム添え
イチゴとクリームアイスのグルメデザート イチゴのコンポートとメレンゲ菓子を添えて
上質なニュージーランド産チーズの盛り合わせ プラムチャツネとクラッカーを添えて

驚いたのはワインです。ニュージーランド産のワインとスパークリングワインが多数用意されていますが、これが結構美味しいのです。勿論ANAのワインリストのような豪華さはありませんが、味は良かったです。

トイレ
787であろうがウォシュレットは付いていません。機能的でさっぱりしたトイレです。トイレ内は狭いので着替える場合は肘が壁にあたります。

アメニティ
これまた必要最低限のものがポーチに入って用意されています。特に嬉しいというものではありません。

サービス
ニュージーランド航空の乗務員は皆さん気さくで明るくフレンドリーです。不快な思いはしないでしょう。言葉はニュージーランド訛りの方がおおいですが、特に気になりません。言葉がわからなくても丁寧な対応をしてくれます。日本人の搭乗員も乗っていますがニュージーランド人で全く問題ないです。

ニュージーランドに行く場合、カンタス航空を利用してオーストラリア経由だったり、シンガポール航空を利用してチャンギ経由という方法もありますが、トランジットに時間がかかります。やはり直行便のほうが楽です。そうなると選択肢はニュージーランド航空しかないのが現状です。といっても嫌なサービスや古い機材だったりしませんので、これで十分だと思います。日系航空会社のような手厚いサービスに慣れてしまうと物足りないかも知れませんが、世界標準から考えると十分満足の出来る航空会社だと思います。

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