「公務員の仕事を続ける」それも尊い選択
働き方にモヤモヤしている人をサポートしたい。
それが私の志ですが、決して退職を推奨するわけではありません。
公務員を続ける、それもすばらしい道だと思っています。
ここでは、「ストレスとうまく付き合いながら仕事を続ける方法」についてお伝えします。
辞めずにストレスを軽減するためには
「今は辞めない」これも大切な決断です。
その場合、より良い働き方ができるよう考えて実行してみましょう。
具体的には、以下のようなことが考えられます。
今いる部署が辛い場合は、異動希望を出す
働きながらリスキリング(学び直し)をする
休職してじっくり休養し、再起をはかる
大きなアクションを取るのをためらう場合は、このようなこともできます。
時間管理やタスク処理の仕方を見直し、定時で帰れる日を増やす
本を読んだりコミュニティに所属したりして、知識を吸収する
趣味をもち、気分転換しながら仕事もがんばれるようにする
一つひとつは小さな行動ですが、確実にあなたを良い方向に変えてくれるはずです。
精神的にツラいなら「受診」と「異動」は必須
働き方にモヤモヤしているあなたは、精神的につらい状況なのではありませんか。
だとしたら、「受診」と「異動」をためらってはいけません。
メンタルクリニックの受診で未来への扉が開けることも
このようなサインが出ている場合、がまんしてはいけません。
一刻も早く精神科や心療内科、メンタルクリニックを受診しましょう。
診断がつけば、診断書を使って休職ができます。
じっくり休養して、それから先のことを考えてもよいではありませんか。
「今がちょっとツラいだけ」
「みんな同じ状況でがんばってる」
「私だけ甘えているのでは」
まじめな人ほどこのように思いがちです。
しかし、あなた自身の気持ちを何よりも大切にしてください。
「精神科の門を叩いたら、もうおしまい」と受診をためらう人がいます。
精神科を受診したら「終わり」なのでしょうか。
いいえ、むしろ逆です。
私の周りには「うつ病」や「適応障害」の診断を受け、休職したことをきっかけに自分を見つめ直し、人生をよりよい方向に変えた人が複数います。
仕事を変えた人、だけではありません。
元の職場に戻って活躍した人。
人間的な深みが増した人や、出世した人もいます。
再起不能になるまでがんばってしまうより、早めに受診・休養して復活したほうがずっと効率がいいのです。
異動で「咲ける場所」を見つけよう
「置かれた場所で咲きなさい」は過去の話。
自分が咲ける場所を探しましょう。
若い人は特に「ここでダメなら、どこに行ってもやっていけないのでは」と思いがちです。
しかし人間は環境の生き物。
仕事内容や人間関係、労働環境が変わるだけで働きやすさは激変します。
「辞める」選択をする前に、一度は異動希望を出してみましょう。
いくつかの職場を経験し、それでも「合わない」「不満が解消されない」と思ったなら、迷いなく次の仕事に移ればよいだけの話です。
育休は育児のための休業、だけど自分磨きにもめっちゃ使える
子どもを育てるための「育児休業(育休)」。
子どもは授かりものなので、育休をいつ取るかはコントロールできません。
しかし、育休がリスキリングや自分を見つめ直す期間になった、というケースは多々見られます。
私自身もそうでした。
育休に入るときに上司から言われたのはこんな言葉でした。
「平日昼間にワイドショー観るなんて、今までできなかったでしょ。
そういう経験もしてみると、保護者の気持ちがわかるようになるよ」
ふーんそういうもんか、と思いましたが、ワイドショー生活はすぐに飽きました。
私はストレングスファインダーで学習欲上位。何かを学びたくなってきたのです。
私が育休中にしたこと
私は育休を2回取得しています。
1人目は1歳9ヶ月、2人目は2歳半での復帰でした。
育休が長く取れることは、公務員のメリットの一つです。
育休ですから当然育児をするわけですが、他にもチャレンジしたことがありました。
ブログを開設した
お金の勉強をし、FP3級を取得した
英語の勉強をした
オンラインの大学院で学んだ
それぞれ説明しますね。
ブログを開設した
元々「自分の経験や考えをアウトプットしたい」という欲求が強い人間です。
学級担任時代は学級通信を書きまくり、年間100号以上出した年もありました。
育休中は基本的に家に引きこもってばかり。
どこかに書かないと、頭の中がパンパンになってしまう…と思い、雑記ブログを立ち上げました。
内容は育休中の生活のことや英語学習のこと、読書記録などが中心でした。
もちろん収益はなく、書いて満足という感じでしたが、やって良かったと思っています。
自分にとっての「書くことの価値」が分かりましたし、インターネットで発信する最初の経験ができたからです。
お金の勉強&FP3級取得
貯められない女だった私。
もうちょっとお金の知識を身につけたいと思い、FP3級の勉強をしました。
毎日コツコツ取り組み、なんとか1回で合格。
この時学んだことはけっこう忘れてしまいましたが(汗)、お金に関する考え方やセンスは身についたようです。
保険の勧誘を受けたときや投資を始める時に大いに役立ちました。
今では投資や資産形成の話が大好きな人間に。人って分からないものです。
英語の勉強をした
特に目的もなく、「英語が話せたらかっこいいな」くらいのモチベーションで始めました。
ところが気がつけばドハマリ。
毎日のようにオンラインレッスンを受講し、手元には常に単語帳。家事をしながらぶつぶつとシャドーイングやリスニングの日々を送り、TOEIC930点、英検準1級を取得しました。
こう書くとさぞ英語ペラペラなのだろうと思われるかもしれませんが、残念ながら育休明け以降全く勉強していないため、現在はあまり喋れません……。(もったいないよね)
語学はたゆまぬ努力が必要なのだと痛感している次第です。
オンラインの大学院で学んだ
Coursera(コーセラ)というプラットフォームを利用し、特別支援教育関連の講義を受講しました。
私が受講した当時は無料だったと記憶していますが、現在は一部のコースを除き有料です。
現在は日本語の字幕がつけられるようになっており、サイト自体も日本語に翻訳できます(ちょっと不自然な日本語ですが)。
かなり取り組みやすくなっていると感じます。
仕事や趣味に関連した専門的な学びを求めている方には非常におすすめ。
特に、自由になるお金が少ない育休中にはもってこいです。
忙しいはずの育休中にどうやって時間を確保したのか
育休は本来「育児」のための休業のはず。
なぜ、私はいろいろなことに着手できたのでしょうか。
要因は以下の通りです。
次男が手のかからない赤ちゃんで、昼寝の時間が長かった
ママ友との付き合いが少なく、他にすることがなかった
生活を朝型に切り替えた
そう、この記事に書いた取り組みはすべて次男の育休中にしたことなのです。
長男は「寝ない、一人で遊ばない、常に抱っこ」な赤ちゃんだったので、長男の育休時は育児しかできませんでした。
一方次男は非常に育てやすい子で、置いておくと勝手に寝てくれるタイプ。
つまり、子どもの特性によって、育休中にできることはかなり差が生じるのです。
手のかかるタイプの赤ちゃんの場合は「仕方がない、こういう子なのだ」と割り切って育児に全振りするしかありません。
ちなみに、甘えん坊だった長男も親のことなど眼中にない少年に成長。今では笑い話です。
ママ友づきあいが苦手だったことも、育休中の勉強を後押ししてくれました。
特に次男のときはママ友を求める気持ちが全く起きず、正直なところ友達は一人もいませんでした。
公園や支援センターに次男を連れて行くときも「ぼっち参加」でしたが、我が子と向き合っているだけで幸せだったので、かえって快適でした。
生活を朝型にし、夜は子どもと一緒に早寝して早朝に勉強や作業の時間をとったことも良かったです。
この生活スタイルは育休明け後から今に至るまで続いています。
振り返ってみると、子どもと自分の個性に合わせて柔軟に生活したことが、育休を有意義にしてくれたと思います。
もちろん第一優先は子ども。そこはブレてはいけませんが、「ゼッタイに育児しかしてはいけない」と思い込むのももったいない話です。
大学卒業後ずっと教員をしてきた私にとっては、育休は自分と向き合い自分をも育てた、神様からの贈り物のような期間でした。
働き方改革は一生モノのスキル
時間管理やタスク管理の技術を磨いて働き方を改善すると、モヤモヤや不満が減ることがあります。
私も育休明けに「忙しすぎる、このままでは死んでしまう」と思い、自分の仕事のやり方を徹底的に見直しました。
今回インタビューした公務員の中にも自分なりの働き方改革をしている方がいました。
一部を紹介します。
退勤時刻をはっきり決め、その中で最大効率を考えて仕事をする
整理整頓を徹底して探しものを減らす
同じ担当内で仕事を分担し一人で抱え込まない
問題が起きてから対応するのは大変なので問題を未然に防ぐことに注力する
書類作成など早めにできていても、〆切ギリギリまであえて出さない(仕事が速い=余力があると思われ新たな仕事を振られることを防ぐ)
人事の面談時には自分の苦手なことや外してほしい業務ははっきり伝える
いずれも、とても大事な内容ですよね……!
私も以下を心がけていました。
机まわりの動線を考え抜き、一度の離席で複数のタスクを終わらせるようにする
2週間先、3ヶ月先を見据え逆算して仕事をする
目的重視で取り組み、書類などの見栄えにはこだわらない
7割できたらいったん上司に見せて方向性を確認する
これらのことは、フリーランスになった現在も非常に役立っています。
そう、働き方改革で身につけた時間管理やタスク管理は一生モノのスキルなのです。
もしあなたが現在、「仕事が多すぎてこなしきれない」「時間をうまく使えず長時間労働している」なら、自分だけの働き方改革に挑戦してください。
今の仕事へのモヤモヤが晴れるかもしれません。
晴れずに別の道を選んだとしても、取り組んだことは必ず役立ちます。
迷うなら、まずは「辞めずにどう生き残るか」を考えよう
退職の2文字が頭をチラつきつつも、ふんぎりがつかない。
そんな場合は、まずは「辞めない」方向でできるだけのことをしてみましょう。
心身がつらいならまずは受診を。診断書をもらって休職しながらじっくりこれからのことを考えるのがおすすめです。
育休をとるチャンスがあれば、リスキリングや自分と向き合う期間としても使ってみましょう。
また、「休職するほどではないけれど、今の職場がつらいんだよね」
という場合は、異動を検討しましょう。
異動も休職もせず今の仕事を続ける場合は、働き方の工夫を。効率のよい働き方は一生モノのスキルになります。
いずれにしても大切なのは、「あきらめないこと」です。
置かれた環境をあきらめない。
自分の立場をあきらめない。
そして、可能性をあきらめないでください。
あなたが輝ける働き方は、必ずあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?