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微睡みにそっと去りし燕かな            「気~使うたらあかんわ…」

15時前の…保護犬おかづ…

静かだ。どこからも声は聞こえない。今日この辺りは誰もいないのか? 不思議なくらいシ~ンとして、ツピー、ツピー…と鳴く鳥の声だけが透き通るように聞こえてくる。あっ!たしか…あの鳴き声聞いたことがある。けど…、あいつ誰だったろう…覚えていない…。


まだ小学生も中学生も帰らないこの時間が好きだ。ぼ~っと寝られる…至福の微睡み《まどろみ》…。笑い声も好きだが今はまだ聞こえない。



静かな時というのは好きなのだが、家に誰もいないのはまた困る。自分でご飯を作ってみようか?作っていいのか?勝手にパックを開けるのか?開けていいのか?はぁ…、おかづのパックはどれだ?どれを食べればいいのか分からない、袋破りまくって美味しいのばかり食べて体調不良になり恐怖の病院通いになるも困る。

母さんはいつもチキンと豚は茹でてた。しかし…、その茹でるためのスイッチ分からんし、どこから水が出るかも分からんしと、分からないことだらけ。習っておけばよかったと思うが、

なるようになるだろう…。が、蛇口に届くだろうか…。


ツピー、ツピーと鳴いている鳥に向かい…「お前だれや~…母さんに向かい…どれ食べるんや~。父さんに向かい…病院行きたくな~い…。爺さんが近づいて来て恐くて~おいおいお~い!」と叫び、吠えていたら、


目が覚めた…。

自分の声で目が覚めた…。訳分からん夢を見た…。



横の寝てたはずの父さんと目が合うなり、

言われた…。

「どしたん…?起きたん…?寝言…言うてたで…」

「また、聞かれてしまった…」

秋の昼幸せな時は3時まで



あっ、学校終わったみたいと

見上げる空を…

あいつが帰って行く…

秋つばめ淋しき眺めに音も去り


秋つばめ寂しき空に声はなし

………


微睡みにそっと去りし燕かな

気使ったらあかんわ…

戻って来るよな…


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