5日目 最近の材料工学事情

 電球の誕生

 1870年トーマスエジソンは世紀の大発明とされる1200時間点灯する電球を発明することに成功した。あの「1%の才能と99%の努力」という有名なセリフがあるが、それは14か月という月日をかけ、1600種類の物質を試してみることで木綿糸に煤とタールを塗ったフィラメントに行きついたことから、このセリフが生まれたといえる。

 日本人からすれば99%の努力に惹かれ、膨大な時間と種類をかけて正解に行きついたことを美学にしている。しかし、実態は1%の閃きが大事でそれがなければ、正解に行きつくことがないのであろう

 やがて、材料工学の技術革新が進み1600時間点灯するタングステンのフィラメントの電球が誕生した

材料科学革命で何年もかかった作業が数時間でできる

 オバマ大統領の功績の一つは材料ゲノムイニシアチブといえる。

 材料ゲノムイニチアチブというのはイノベーションのペースを上げる国家を挙げて、クリーンエネルギーや国家の安全保障に役立てようという取り組みだ。

 材料工学というのはAIを使って元素の数億通りの組み合わせで膨大なデータベースを構築する。高性能のコンピューターや量子力学により、いまだ見ない新たな材料を予測することができるようだ。

 今では製造プロセスを原子レベルでコントロールできるので、原子を一つずつ組み立てられるようだ。

 材料工学で最も重要な事例は、太陽光発電だ

 現在の標準的なソーラーパネルの変換効率(太陽光を電気に変換する効率)16%であるが、最近発見された新材料の「ペロブスカイト」は光に敏感なクリスタルで、変換効率が66%にも達するらしい

 ペロブスカイト(灰チタン石)はどこにでも入手出来て、結合させるコストも低い。こうした要因が重なり合うと、だれもが利用できる安価な太陽光発電が実現するようです

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