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【レビュー】DJI OSMO POCKET 3

先日購入したばかりの動画機、「OSMO POCKET 3」を早速動かしてみましたのでレビューしたいと思います!

紹介については下記リンクから。



1:見た目

OSMO POCKET 3の見た目は、カメラ部分が初期モデルのOSMO POCKETや前モデルのDJI POCKET 2と同じような感じではあるが、本体は大幅に変わっておりやや大きめになったと言える。
ボディが「ゴツくなった」と言えばわかりやすいだろう。

一番の大きな特徴が2インチの回転型液晶ディスプレイ(スクリーン)であるが、これはOSMO POCKETやDJI POCKET 2と比べると非常に見やすくなった。画面の端がわかるようになったのはOSMO POCKETシリーズの中では大きな進化と言える。
大きな画面のジンバルカメラと言えば、少し前に登場したMOZA製の「MOIN Camera」を思い出す方も多いだろう。

画面の大きさはMOIN Cameraが2.45インチと大きめだが、こちらは一眼カメラなどで用いられているバリアングル液晶同様、開いて使うものである。
しかし、OSMO POCKET 3は画面を回転させるだけの構造となっているため、MOIN Cameraより操作しやすいと言える。

DJI POCKET 2以降からコントローラー関係も標準装備となっているが、POCKET 2はあくまでもコントローラーのアクセサリーを取り付ける形を取っていた。これがOSMO POCKET 3では最初から搭載すると言う方式を採ったため、別途購入する必要もなくなったのはうれしい。


2:静止画

1インチセンサーを搭載したOSMO POCKET 3。どうしても気になってしまうのは動画よりも静止画ではないだろうか。
OSMO POCKETシリーズはJPEG記録とRAW/JPEG同時記録が可能となっており、もちろん3でも同様の機能を有している。なお、RAWのファイル形式はAdobeが提唱する「DNG(Digital Negative)形式」である。

RAW撮影

自宅から夕暮れ時をRAW(DNG)で撮影。
オレンジから青にかけてのグラデーションをしっかり出すため、ホワイトバランスなどを調整している。画像アスペクト比は16:9と1:1のみとなるため、それ以外の設定が出来ない。この様な場合は現像時に好きなアスペクト比に合わせてトリミングする必要がある。RAW撮影が出来るのなら2:3や4:3などのアスペクト比を用意しても良かったと思うが、今後のファームウェアの更新で是非取り入れて欲しい。DJIの今後の頑張りどころに期待したい。


スマートフォンのカメラとの比較

続いてはスマートフォンのカメラとの比較。私が所持しているXperia 5 III(1/1.7インチセンサー)を用いてOSMO POCKET 3と同様のアスペクト比(16:9)にして撮影。
焦点距離はXperia 5 IIIは24mm相当、OSMO POCKET 3は20mm相当(共に35mm判換算)なので、両者の画角が異なる点についてはご了承いただきたい。

Xperia 5 III(広角レンズ)
OSMO POCKET 3

秋葉原UDXの出入口付近にあったツリーのイルミネーションを撮影。
両者ともしっかり解像しているように見えるが、全体的に見るとOSMO POCKET 3の方が上手と言える。

Xperia 5 III(広角レンズ)
OSMO POCKET 3

写真の中央付近をトリミングして見たところ、OSMO POCKET 3の方がしっかりと解像出来ている。1インチセンサーのお陰とも言えそう。


Xperia 5 III(広角レンズ)
OSMO POCKET 3

変わってこちらは上野駅付近。
Xperia 5 IIIは先ほどの写真でもフレアが出てしまっていたが、こちらでも多く出て来ている。一方のOSMO POCKET 3も多少のフレアは出ているがXperia 5 IIIほどではない。画角はともかく1インチセンサーが如何にして夜間撮影に強いかが理解出来たことだろう。

OSMO POCKET 3は静止画も特に問題なく撮影出来ており、夜間でも文句なしの解像度を得られる。今回はスマートフォンのカメラをXperia 5 IIIにしているが、Xperia PRO-Iの様な1インチセンサーになると結果が変わってくると予想される。


3:動画

OSMO POCKET 3は動画メインの機材なので、ここはどうしても切り離すことは出来ない。
今回は通常撮影と低照度撮影、D-Log M撮影の3つをご紹介。

通常撮影

通常撮影ではジンバルモードを「フォロー」にし、地元にある公園で平坦な道、階段などを含めて撮影。
ヌルヌル動く感じはOSMO POCKETやPOCKET 2と何ら変わらないが、変わった点としては色の出方。センサーサイズの小さかったOSMO POCKETやPOCKET 2と比べると、1インチセンサーのPOCKET 3は異なっていた。やや彩度が強めな感じもするがこちらとしては特に問題ない。

なお、本体を直立して撮影すると上下の振動による動きが入ってしまうので、斜めに傾けて使うと上下振動による動きが軽減出来る。
上下の動きが気になる方は是非お試しあれ。

低照度撮影

低照度撮影は上野の不忍池にて。ここは夜になると街灯は点灯するものの全体的に暗くなるのでもってこいと判断。
ISO感度は高くなるが、ざらつきも殆どなく映っている。タワーマンションやオレンジにライトアップされた辨天堂もくっきり映しとってくれる。夜間でもここまでハッキリと撮影出来るのは、センサーサイズが1インチと大きくなったお陰。通常のビデオカメラは最大でも1/2.3型のセンサーサイズなのでここまではハッキリと映しとれない。夜間の撮影でやや暗い場面であれば「低照度撮影」を利用するときれいな映像が撮影出来るのでおすすめしたい。

【低照度撮影の注意点】
●暗すぎる場面では効果を発揮しません。
●動画のフレーム数は最大でも30fpsまで。60fpsは設定出来ません。
●撮影場所の明るさによって低照度撮影より通常撮影の方が良い効果を得られる場合があります。(イルミネーションは要注意)

D-Log M撮影

OSMO POCKET 3はLog撮影が可能との事で、カラーを「D-Log M」にして撮影を行い、LUT(ルックアップテーブル)をそれぞれ適用。
この撮影では下記の設定で行った。

  • LUT非適用

  • 純正LUT(D-Log M to REC.709)
    ※DJI公式のLUT

  • PowerDirector付属LUT(カラー エンハンス)
    ※CyberLink社の動画ソフトに付属してくるLUT

PowerDirector付属のLUTについては、私が動画編集に使用しているソフトが「PowerDirector 21」を使用しているためであり、今回はその中から「カラー エンハンス」を使用。

D-Log M撮影ではPowerDirector付属の「カラー エンハンス」でも問題ないように見えましたが、ここは純正が勝っていた。純正LUTをベースに色味を変えるなどすればより良い動画になるのではないだろうか。
他のPowerDirector付属LUTでも適用してみたが、彩度が強すぎる事や色乗りが良くないなど動画の見栄えが悪くなりそうなので、純正LUTかPowerDirectorの「カラー エンハンス」が無難かなと思う。


4:最後に

今回はOSMO POCKET 3のレビューでしたが、全体を見ると1インチセンサーや2インチの画面のお陰で従来品より静止画・動画の性能が向上した事が一番大きいと言えるでしょう。
特に動画においては夜間に強い低照度撮影やLOG撮影などの機能も付いてくるので、動画制作者や一般的なVloggerにも馴染むジンバルカメラと言っても良いでしょうね。
ただ、白飛びしている箇所がまだあるので、今後白飛び対策でNDフィルターの購入などを検討していく予定です。

今回はここまで。最後までご覧いただきありがとうございました。

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