今だからできること

甲子園中止。

この五文字の文字が速報でニュースに流れた瞬間、私は涙が止まらなかった。高校球児の気持ちを考えたら言葉が出ずただただ胸が苦しくて心が痛かった。甲子園という舞台がどれだけ高校球児にとっては憧れで、どれだけ人生において重要なターニングポイントであったのか。

私は高校二年生の時に初めて自分の高校が出場する甲子園を観に行った。前日から夜行バスで甲子園まで向かい、友達と話しながら興奮状態でなかなか寝付けないまま到着。寝不足のまま応援。その時のことは今でもよく覚えている。そんな中でも、同世代の子たちがあんなに真剣になって野球をする姿にとても感銘を受けた。

そんな甲子園が中止だなんて、言葉が出ない、、、

来年や再来年は?今年の高三生だけ中止となってしまうのか。本当に可哀想で見ていられない。

私は今年大学三年生で、大学入った頃からずっと思い描いていた夢があり、それが叶う一歩手前まで来ていた。私の夢はダンスイベントの新入生リーダーになり、人と人が出会う場を提供し新入生をサポートし愛を捧げることだった。ついにリーダーになることが決まり、これから活動を始める、というそんな時だった。そのイベントはコロナウイルスの影響により中止。その瞬間、全てを否定されたかのような感覚になった。生まれて初めてあんなに泣き崩れるほどの絶望感や失望感を味わった。あれほどの損失感は大学受験期以降初めてに近いものだった。ずっと思い描いていた未来やこれまでずっと頑張ってきた活動や人脈コミュニティ、多様な価値観の共有など全てのことが水の泡となったと感じた。目の前の目標がパッと消えて、何に向かって歩いていいのか、これからどうしたらいいのか、全くわからなくなった。

そのような状況の中でも優しく声をかけてくれて話を聞いてくれたり、近くで見てくれていた先輩や友達が今までの頑張りを認めてくれたり、励ましてくれたり、これからの可能性を信じてくれる人もいた。コロナ禍の中で近くで寄り添うということは難しくても、こうして周りの人が手を優しく差し伸べてくれた。そんな心の優しい人たちに私は救われた。どれだけ私の大きな糧となったかわからないくらいで、そうやって支えてくれる周りの大切な人たちがいてくれるということも今までのことが繋がっているんだって、そう思えて少し前向きになれた。心から周りの人たちに感謝の気持ちで溢れた瞬間だった。

中止が決まって一ヶ月以上経つ今はそうやって前を向いて未来を信じられるようになった。目標を目指して頑張ってきたことは必ず人生のプラスになる。このイベント以上にいつか必ず花を咲かそう、このイベント以上に自分らしくキラキラ輝こうと、心に決めた。

甲子園と私の状況じゃ比べ物になんかならないけど、目標が目の前で一瞬で奪われてどうしたらいいのかわからない気持ちは、痛いほどわかる。ずっと憧れだと思っていたステージに立つことも、挑戦することすらできない。なんて残酷なんだろう。

そんな状況の中で高校球児たちに今は思う存分泣いて悲しんでほしい。周りの大人に甘えて、頼って、心の隅から隅まで吐き出してほしい。吐き出しても吐き出しても足りないかもしれないけど、その経験自体が糧になる。私自身そうだった。周りの人に甘えて気の済むまで話を聞いてもらってもまだまだ今でも落ち込むことは多々ある。でもきっとそれでいいんだと思う。そして、いつか必ずずっと頑張ってきたことが報われて、心から幸せになる瞬間が必ずやってくる。

この逆境の中で前向きに戦おうとする意欲があるだけでも強い。私はまだまだ乗り越えられてないけど、前向きに物事を捉えられるようになっただけでも成長していて、一歩前進できた。こう思えるようになったことも周りの人たちのおかげ。自己肯定感が高まり、自信もついた。この逆境を感じることだけでも、人生の意味となって、糧になると私は感じた。

そして最近私は自分のダンス動画を投稿した。たった1つの小さい行動でも、その行動で、元気になったとか勇気が出たとか感動したって言って連絡してくれる友達や尊敬する先輩がいた。

私は最初怖かった。周りにどう思われるのだろうかと。けどその1つの行動ができたことで、自分の殻を破れた。自分の殻が破れたことで他人からの評価ではなく、自分軸で考えられるようになった。また、その経験から絶対に人生の道は開けていて、諦めたらそこで終わりなんだと心から実感した。ありきたりの綺麗事みたいに聞こえるかもしれないけど、本当に諦めたらそこで何もかも終わると感じた。と同時に、一生懸命やっていれば、必ず見てくれている人はいる。本当に。

嘘だって思うかもしれないけど、本当に誰かしら見ている。だからこそ、一生懸命な人でいよう、これからもいろんなことを頑張る人でいようと思った。こんな状況の中でも、「今自分ができることは何か」をひたすら考えて、悩んで、試行錯誤する時期なんだと思う。これからも私は未来でキラキラ輝く姿を想像しながら、日々自分と向き合っていきたい。

長くなってしまったけど私が思うことは、

必ず人生の道は開けている。一生懸命やっていれば必ず糧になる。

この逆境の中で「今できること」をやれる人間は最強になれる。


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