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普通の人が知らない世界*セクシー田中さんと海猿

芦原妃名子さんの訃報は衝撃的でした。

まだお若いということ、その亡くなり方、
なによりもなぜその行動に向かったのかという疑問がありました。

セクシー田中さんも知らず、その画風をコンビニか本屋か
どこかで目にしたのかも知れない、と思う程度だけれど、
コミックスの表紙の絵を見ると、自分なりの主張を持って物語を作り、
ひるまず作品に向かったのではないかという印象。

何かトラブルがあったらしい、
それに心をすり減らしたのだろうということは、
かまびすしいネットのあれこれを眺めて、なんとなく知った。

ひと一人亡くなることに鈍感な、ギョーカイという、
無責任な人間関係があることを恐ろしく思う。

その業界の中の枝葉末葉の人間は、
きっとそうではないであろうと思いつつも、
幹となるひとにぎりの人間の考えに左右される。

組織というのは、トップの運で左右されるし、
シャンパンタワーのようにその考えに浸されていかなければ、
組織自体が上手く機能しないというのも、また真実だ。

そういう組織に、自分の性根を捻じ曲げて属した時は、
修行や経験と思うか、いらぬ苦労と思って足抜けするしかない。

苦労はいつもただのいらないものであって、修行ではない。

普段は気の知れたチームの中で仕事している方が、
大勢の、自分とは立ち位置の違う方の中に放り込まれるのは、
かなりのストレスなのだと思う。

漫画家であるならば、
自分の仕事や身を削る芸術にお金が付いてくるのであって、
利益重視の企業体制の中で、声を上げるには難しかったと思われる。

どんなところにも人と人をつなぐ、潤滑油のような人材は必要だ。

いない訳ではないのだろうが、行動に起こすことが難しいのだろう。

それでももし彼女のそばに、相談に乗ってくれる人がいれば、
相談に乗らずとも、会えば声をかけてくれる人がいれば、
声をかけなくても、視線があった時に笑顔を向けてくれる人がいれば、
笑顔を向けなくても、コーヒーの一杯も差し出してくれる人がいれば、
人間はそんな小さなことで、力を貰えるのに。

以前に、年下の同僚から相談受けたことがあった。
相談というよりボヤキか、反省のようなこと。

彼女はのんびりで、仕事の評価と言えば芳しい訳ではなかった。

本人も悩んでいたとは知らなかったが、
「みんなのように仕事も早くないし、覚えも悪い私」とつぶやかれた。

「あのね~人間が集まれば、仕事をそつなくこなす人がいるから、
あなたみたいなのんびりさんが目立つことだってあるよ。
だけどあなたはみんなのムードメーカーになってる。
仕事は覚えるスピードがそれぞれ違うけど、そのうち同じベテランになる。
だけど、ムードメーカーになれる人間はなかなかいないのよ。
あなたみたいな人はどこで働いても、本当に貴重な存在だから」

「ま~た、そんなこと言ってぇ~」とニヤニヤしてくれたので、
少しは自信を持ってくれたのかと思った。

だけどその自信が別の世界に目を向けたのか、
やはり自信にはならなかったのか、
転職してしまったけど、彼女の明るさと優しさは、
どこにいてもその場を楽しくしてくれてるはず。

「この子ね、同級生に聞いたところによると、
高校生の頃は学校一のミラクル美少女だったらしいのよ。
それで学校で一番かっこいい男子と付き合ってたんだって。
今の姿と旦那さんからは想像できないよね~」

散々、からかってゴメンね。

だって、子犬みたいに可愛くて面白いんだもん。

「もう~またぁ~」って困った様子の笑顔ばかりが思い出される。

声をかけあうって、人間関係に大事なことだと思うんだよ。

誰もひとりになりたくはないから。

あーだこーだとその心の中を想像しまくるのは、
彼女にとって失礼なことだよね。

合掌。


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