見出し画像

スプーン一杯の幸せ

そんな題名のエッセイ本を
欠かさず買って読んでいた記憶はあるけれども、
どんな内容だったかは、
ひとつのエピソードですら思い出せない。

本の中の文字を追う時に、
やたらと呼吸のリズムがしっくり来る文体がある。

漢字が少ないとか、余白が多いとかの理由ではなくて、
きっと胸に染み込む、ただリズムが
自分の好みに合っているんだろうと思う。

それはもちろん文体であったり、
取り上げる素材の影響であったりさまざまだ。

この本も確か、
そういうお気に入りのひとつだったんだと思う。

スプーンは欧州では、
幸運を呼ぶお守りとして知られている。

「幸せ」という目に見えないものが、
スプーンと、とても近い存在?

それは毎日少しずつ?

それは控えめな分量が最適?

それはすぐに溢れ落ちてしまうような、
刹那的な時間?


私の中で、
そんな色がついてしまった「幸せ」。

喜びと幸せも取り違えやすいものだと思う。

たとえ悲しくても、
それも幸せと感じることがあるのだから。

ひとつひとつを数えて、
紐解いたらきりがないけれども、
少なくとも「幸せ」とは、
自分自身でスプーンを持ち上げるように、
自分のこの手で、
すくい取るものなのかも知れないね。


誰かから与えられるものではなく、
自分で選んですくい取るもの。

これで解釈はあってるのかな?


考えた時に余白が多すぎる文章になる。

たぶん誰もが「そんなこと」と、
疑問を考えることなく、毎日どっぷりと
時間に追われて過ごしているからかもしれない。

幸せは私にあった?

いったいどれが幸せで、どれが不幸せ?

私は、生まれてこのかた、いつも幸せだと思う。

食べるものがあって、屋根のついた家で夜を過ごせる。

お布団の類は春夏秋冬揃っていて、
手足を伸ばして眠ることができる。

ひとりの時間だって持てる。

きちんと国すら成り立っていなければ、
プライベートがどうのとか、
プライバシーがどうのとか、
あり得ないって言うか、求めるのは無理。

家族や誰かが自分と一緒にただいてくれる、
そんなことが幸せというものだと、私は思う。

大抵の人が求める幸せや
言葉にしたくなる幸せは、
少しの「贅沢」という部類なんじゃないのかなぁ。

だから、いつもあなたのそばにいるから、
淋しい時も嬉しい時も教えて欲しいと思う。

私がいること、忘れないでね。


この記事が参加している募集

404美術館

花の種じゃなくて、苗を買ってもいいですか?あなたのサポートで世界を美しくすることに頑張ります♡どうぞお楽しみに♡