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シンガー渚ちゃんにたくさん褒めてもらいたい

枯れた紫陽花の花をようやく刈り取った。

いつもより遅いけれど、
まだ冬には早いから、今の時期に剪定しても大丈夫かと思う。

アナベルは茎が柔らかく細いせいか、
すっかり、全身カラカラのドライフラワー状態だ。

紫陽花が好きになったのは、
この、白いアナベルの繊細で優しい花姿に魅入られたからだ。

花房が大きくて、その白がとても穏やかで美しい色。

ピンクやルビーのアナベルも揃えたけれど、
まだ思うような大きさになるには、もう少しかかる。

毎年楽しみになっていくはず。

白いアナベルのそばの、紫陽花の種類の白のウツギも
ドライフラワー状態で、ソフトクリームの形を保っている。

カサカサと音を立てながら、
来年咲かせたい位置を想像しながら、ハサミを入れる。

それから、
波型に並べて植えた13本の紫陽花を、次々と剪定していく。

まだ濃桃色を保って青々としているものもあるが、
どれも葉先は寒さを受け止めて、茶色くなり始めている。

これから一枚一枚葉を落としていくのだ。

「花からふたつ下の節」と、いつもなら唱えながら
ハサミをいれるのだけど、今の時期はちゃんと、
「ここですよ」と紫陽花の新しい芽が教えてくれる。

ヤマアジサイはもうすでに茶色の花に変わっている。

秋色紫陽花といって、
花の盛りを過ぎた後も、その枯れ加減を楽しむ言葉がある。

確かに綺麗。

ドライフラワーになってからもその造詣が綺麗。

私はしょうもないことは良く覚えている。

芸能人の浅田美代子さんが、花を逆さづりにして
ドライフラワーを作っているのを見て、お母さんが叱った話。

「どうしてそんな可哀そうなことをするの?」

私もドライフラワーは(これも綺麗)とは思うけど、
やはり可哀そうと思ってしまう。

私なら死んだ姿を晒したくない。

私が花ならば、
出来るなら風に乗って消えてしまいたいと思う。

そんなことを思いながら、
「来年も綺麗に咲いてね」と紫陽花に声をかけながら、
ハサミを入れる作業に集中していく。

それから友人にいただいた紫陽花も。

私の欲しかったラグランジアやガクアジサイの墨田の花火も。

紫陽花はハイドランジアともいうが、
すぐに想像できるコンモリしたイメージの花はホンアジサイだ。

ラグランジアはその紫陽花の種類だが、
側芽からも花を咲かせるので、大株になると見事だ。

ブライダルシャワーとクリスタルヴェールの2本が植えてある。

その品種名は女心をくすぐるセンス。

アジサイに限らず、花にはよく女性の名前も付いている。

育種家が、奥さんや娘さんや、もしくはお母さんや
いろんな女性を思い浮かべて付けたのではないかと思うと、
どんな古風な名前でも、とてもロマンチックに感じる。

その花の色付き具合や、丈夫さだとか、
美しい花姿を思い浮かべて、女性の名前を付けるのだから。


それから、太くなった赤萩をノコギリを入れて切る。
大きくなりすぎる丸葉ユーカリの下枝を切る。
鉛筆の細さのバラの枝を切る。

友人お手製の毛糸の帽子をかぶっていたから、
バラの棘にひっかかって抜けずに、砂利の小道に転んでしまった。

思わず回りを見渡すと、誰も見ていないし、
道路を走る車の音も聞こえなかったし、
痛い気持ちをなんとかなだめて起き上がる。

それから桜の枝も切る。

友人から貰った豆桜はもう少しこのままにして、
生垣のように仕立ててみたい。

レンギョウの形は決めかねているが、
隣とバランス良くするために思い切って切り詰める。

雑草取りはほぼ諦めたけど、大きくしては大変になる草は
長い三角チョンチョン(名前分からず)で、気合をいれて掘り出す。

バールを借りてくるべきだったかと後悔する。

あの単純なテコの原理を見出した人には、本当に本当に尊敬する。

手をかけられずに荒地になったこの花畑に、
倒れたままであちこちに咲いている菊の花を、
最後にハサミで摘み取っていく。

もう、お昼なんかとうに過ぎていた。

咳止め用に作る花梨酒のカリンの実を、
ご近所さんにいくつか貰いにいくんだったなぁと思いながら、
時計を確認したら、疲れた体はもうお昼寝気分になってしまった。

明日も明後日もあるから、まあいいか。



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