緊急搬送

「なんか、気持ち悪いな」

ホットカーペットの上で寝ていた娘

軽い脱水かな?

「なんか、だるいんだ」

そういう娘に
「水でも飲んだら?」と促すと
ノロノロと起き上がる

がたん!

大きな音がして
「何?」と
音がした方に歩いていくと
娘が倒れていた

声をかけるが、
言葉が不明瞭

時折
気持ち悪いと言う

ただの貧血?
目を開けないのは
眠い?

瞬時に色々と考えるが
纏まらない

たまたま、部屋から出てきた息子が
びっくりして、娘に話しかけるが、
やっぱり、はっきり返事がない

どうしたものか…

市の24時間健康相談に電話してみる

電話口の看護師さんが、
救急車を呼んだ方がいいと言った

救急車を呼んで
待っている間に
持ち物を用意

救急隊が到着して
娘に話しかけるが、返答が不明瞭

持病を聞かれて
かかりつけの大学病院に搬送。

すぐに
検査が始まった

私は廊下で終わるのを待った

この時になって
凄く落ち着き始めていた

帰れるのかな
もし、入院になったら
一回、帰って…

救急車に乗り込む時は
落ち着いていたつもりだったのに
財布の中身を気にしてなかったし
マスクもわすれていた

とにかく
保険証とお薬手帳…
それだけあれば…

羽織るもの

これも必要か…

そんな風に思ってた

帰る手段を考えてなかった

きっと
朝までかかるだろう

そんな風に思ってた。

検査結果を告げられたの
11時半

起立性貧血だった

カリウム不足での貧血

点滴が終わり次第帰宅できるとの事

点滴はいつ頃終わるのかと聞くと
30分くらいで終わると

無理を承知で
迎えをお願いできないので
朝までいれないか?と聞いてみる

思った通り
ダメだった…

30分後、
「終わりました」
看護師さんに促されて
娘の元に。

顔色が良くなった娘が
ゆっくり起き上がる
まだ足元が怪しく
支えながら歩き
夜間受付に伝票を持っていく。
会計はできないから、次回の診察日に。

薬をもらいに窓口に行くと
声はしっかりしてるけど
眠そうな目の薬剤師さんが
薬を出してくれた。

大変だよなぁ
こんな時間まで
申し訳ないな…

と思いつつ、タクシーとまってるのかな
と外を見るが、一台も止まってない…

隣町のタクシー会社はわからない…

夜間受付の方に聞いてみると
読んでくださるとの事

5分程して
タクシー到着

隣町なんですが、大丈夫ですか?
と聞くと、大丈夫ですよ。

タクシーに乗る時にいつも聞く事

住所をいう方がいいですか?

今はタクシーもカーナビを入れている

ただでさへ、混乱してる状態で道案内は
難しいと住所を告げた

カーナビに従い走り出した

真夜中の道路は空いていて、ほとんど
止まらない

時折、カーナビがわたしの知らない道や通り周りを伝えるので、道を訂正した。

家の前ではなく、ちょっと離れた場所で、
降りた

家の前は狭くて
慣れない運転手さんにはちょっと大変かな
まして、真っ暗だし

というのと

家を知られたくない

というのと

持ち合わせの現金で足らせるためだ

娘も歩けるまでに回復したので
ゆっくりゆっくり、歩いて帰ってきた

娘にそのまま、寝るようにいい

眠いのに寝れない私は
落ち着くために
コーヒーを啜った

時間は1時を回っていた。

やっと、安心して
私は眠りついたのは明け方だった

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