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19歳の女の子が担当に捧げたもの episode3 〜過去編〜

楽しそうに笑っていた
     彼女が抱えていた過去と現在の裏の顔

私の友達のおはなしです
episode1   episode2 参照


episode1で出てきたが彼女は両親と折り合いが悪い

私自身も両親と仲が悪く
20歳の誕生日を超えた時に親元を逃げてき
そんな話をすると彼女は「似てるね環境」
「初めて人に詳しく話すかも」と言った

「誰にも言ってない?」

「悲劇のヒロインぶりたくないから
友達にも担当にも詳しくは言ってない」

「言ったところで過去だし変わることはなく
だから何?ってなるでしょ」
と言った


いつも笑顔で明るい
彼女からは想像できないくらい
複雑な過去を話してくれた


少し田舎で観光地として有名な場所で育った

小さな頃
両親の休みの週末には
行きたい場所や遊園地に動物園
毎週のように家族でお出かけをしていた


小学生になった時に両親は共働きになり
学校が終わるとおばあちゃんの家に帰っていた
彼女はおばあちゃんのことが大好きだった
しかし、遅くまで仕事をしていた両親は
彼女の睡魔が襲う時間に迎えに来てたらしい

夕食はおばあちゃんとおじいちゃんと
この頃両親と食事をするのは週1回だけだった

家に1人で夜遅くまで居る日もあった
その時よく母親の化粧品を使って遊んでいた

そこでメイクの楽しさ
お洒落の楽しさを覚えた

故に10歳の誕生日に彼女がお願いしたのは
「ネイルサロンに行きたい」だった

10歳頃から放課後おばあちゃんの家行かず
作り置きのご飯を夜1人で食べ
帰りの遅い父親を限界まで待ち少し遊んでもらう
夜勤明けで帰ってきた母親と入れ違いのように
学校へと向かっていた

10歳の夏彼女の人生を大きく変える出来事がくる
久しぶりに家族で夕食を囲む時

箸とお皿を並べていた彼女
突然「違うだろ!!!」と
怒鳴られ箸が飛んできたらしい

父親の右利きに対して
彼女が置いた向きは反対だった

そんな些細なことがきっかけでDVは始まった

リモコンが飛んでくる日もあれば
平手打ちされる日もあったり

「今、振り返れば仕事大変そうで
ストレス溜まってて吐け口にされたんだろうね」

と少し庇うような言い方をした

この出来事をきっかけに
彼女は知ってる人や普段優しい人から
怒られると、殴られるか物が飛んでくる
という昔の記憶がよぎるようになった

周りより
お洒落を覚えるのが早かった彼女は

中学生になり地元で有名なギャルになった
今の清楚な感じからは想像できなかった

その頃メイクもしてお洒落して
大人っぽい顔立ちをしていたから
よく高校生に間違われていたらしい
それをいいように使い
高校生の人らと遊ぶようになった

年上と遊ぶようになり
同級生は子どもだなと思うようになり
距離をおこうとしたが友達は縮めてくる

こんなにも変わってしまったのに
今まで通りにしてくれる友達は大切にした

やんちゃなグループと関わることもあった

「今だから言えるけどさ
その人らとかつあげしてたからね (笑)」

「田舎だからさ派手な人ら怖いみたいな
風潮あってさ、、何やってたんだろうね」

学校は気が向いた時に
ふらっと行って、ふらっと帰る

そんな彼女に対してDVは加速していたが
日常的や理由のないDVされることは
なかったらしい

この頃にはおかしいと気付いていたが
周りの大人に言えなかった
父親の力には勝てず、言葉で言い返していた
言い返すようになった娘に対して
母親も手を出すようになった

1番痛かったと語る
傷跡は数年経った今も背中に残っている

アザは隠れるところ
外では凄く可愛がってくれる
だから周りの大人にバレなかったらしい

「なんで実家出なかったの?」

「私の交友関係固められてて、
泊まらすなって言ってたんだって
中学生でお金もあんまりなかったし」

「だから仕方なく帰ってた
余計なことしなければ何にもなかったから
家にいるときは自分部屋に居ることが
多かったけど、、
普通に話しするし、笑いはあったよね
この頃には理不尽なことで怒られることは
無くて、何かしらやらかしても
手出すのは違うよねとは思ってた」

高校生になり通信制を選び
実家に居る時間をなるべく少なくした
6時〜15時までコンビニでバイトし
17時〜21時まで居酒屋でバイトしていた
このシフトを週5でやっていた

同い年の友達よりお金は持っていて
ブランド物を買ったりネイル行ったりと
ますます大人ぽくなったと同時に

金銭感覚が狂い始めていた

18歳になり高校生ということを隠し
キャバクラで働き始めた
その頃コンビニではマネージャーになっており
手当もつくのと、バイト先の人間関係がよく
単純に楽しく続けていた

6時〜15時までコンビニでバイトして
18時〜24時までキャバクラで働いていた

顔出しせず、連絡先も交換しない
店でしか会えない営業スタイルがウケ
毎月数百万円貰っていたらしい

その頃出会ったお客さんの影響で
FXと株を初めて運良く当てていた

実家に居る時間は少なくなったが
両親は彼女に金銭を要求するようになった

家のローンや生活費は彼女が払っていた
その時発覚したのが父親には
もう一つ家庭があったということ
関係ないのにそっちにもお金をいれ
数百万円の車も買ってあげたという

「もう一つの家庭さ5歳の子どもいて
その子に辛い思いして欲しくなかったから
お金振り込んでたな」
という

高校卒業後の進路は進学と決めて
合間を縫って勉強しギリギリで合格した

やっと親から離れられると喜んでいた

毎月実家への生活費の振り込み
必要以上の金額は持っていかず
その通帳も置いていくこと

それを条件に実家を出ることを許された

実家を出れるならどんな条件でもよかったらしい

それから数ヶ月した4月彼女は大阪へ来た

その頃には数千万円貯金があり
キャバクラの仕事をすることはなかった

しかし、コンビニでのバイトは初めていた
マネージャーだった経験があるため
好条件と高給料で紹介もありやっていた

昼は学校に行って、夜は少しバイトして
緩くのびのび生活していた


そんなある日彼女は担当と出会うのであった

手元にある口座のお金は減っていき
実家にある通帳から出さないといけなくなった
実家に帰り、、
○○が必要だから。○○の支払いがあるから。
と言いお金を降ろす許可を貰いに行っていた

「自分のお金なのにってなるかもだけど
言うこと聞かないと全額取られそうだった」

だからよく彼女は実家に帰っていた

数百万を短期間で降ろす彼女
今まで少し多く入れていた生活費は
言われてた金額ぴったりにしていたのもあって
何かあると両親は思っていたらしい

ある日地元の友達からLINEがきた
「○○ってホストクラブ行ってる?」
「担当って○○くんだよね?」

図星だった

「初回で来て、たまたま私のこと見たんだって
見間違えかなって思ったらしいけど
やっぱり私だったみたいで、、
全く気づかなかったな、、
で、その子が両親に言ったの」

そんな奇跡があるんだ、私は驚きを隠せなかった

両親に呼び出されて実家へと向かった

隠しきれなくて両親に正直に話すと
以外な答えが帰って来た

「後悔しないように使いなさい」
「やるからにはナンバーあげてあげること」

実は父親は元ホストだった
だから反対はされなかった

母親はいい顔していなかったらしい

「親に話したことがきっかけで
父親と距離が縮まったようにみえたけど
気のせいだったんだよね」

本心は違っていた

やっぱり親に管理されてるのはおかしいと思い
通帳を貰いに帰った日の出来事だった

反対してなかったと思った父親に
「ホストにこんなに使って何考えてるんだ!!」
と怒鳴られ今まで以上に殴られ、、
殴られる以上に最悪な事もあったという

「思い出すだけで吐きそう」と彼女は言った


母親は親戚や彼女の友達に
「娘はおかしくなったから関わらないでくれ」
と言いふらしていたらしい

実家を逃げたし
向かって先は大好きなおばあちゃんの家

しかし、おばあちゃんから拒絶され
この頃はもう話しすら聞いて貰えず

大好きなおばあちゃんから
「目を覚ませ」とは平手打ちされたらしい

「言うんじゃなかったって思ったけど
数ヶ月で数千万円使って
言い訳なくなってくるよね、、、」

「でもおばあちゃんから叩かれた時は
本当に嫌だったな、、
初めて殴られる以上の事父親にされて
未遂でなんとか逃げたけど本当に怖かった」

逃げ出しそのまま大阪へと帰った彼女

「大阪帰って来て 担当の顔見たとき
なんかめっちゃ安心して泣きそうだった
話して怖かったって縋りたかった、、
でも、担当の前では強くいたかったから
言えなかった、」

「でも怖かったって縋りたかったから
その日店で担当がヘルプ行ってる時に
仲のいいヘルプの子に話して泣いてたな
でも楽になって本当ありがとうって思う」


追い出したはずの両親は
まだ彼女に生活費をお願いしていたらしい

彼女は両親と縁を切る準備を初めていた

「私が戸籍とか保険とかの相談に行ってた時
親も縁を切ろうと動いてたらしくて
もうお互い無理って感じたな」

「正直怖いけどね
戸籍から外れて、1人になって
これからどうなるだろうって思うけど」

両親は
「騙されてるから一回冷静になるために
実家に帰って来いそしたら戸籍も抜かないしお金を言わない」

そう告げられても彼女に帰る選択はなかった

何もなくなって本当に困った時
弱みを見せて頼れるのは
血の繋がりがある人が強いと思う

しかし、それがなくても生きていける

将来を見たとき後悔するかもしれない

そして19歳という歳
まだわからないことも多く怖さがあった


本当にいつもニコニコしていて明るい
彼女からは想像できなかった

私と食事に行った日カラオケに行った日

担当の隣で楽しそうに笑ってた日

そんな日々の中 問題を抱え続けていた

でも、その笑顔に嘘はなかった

これから彼女は最終決断しなければならない


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